日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

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猪瀬直樹著『昭和23年冬の暗号』:ジミーの誕生日に秘められた占領軍の意志・・・それを乗り越えられない日本

先日、猪瀬直樹氏の以下の本を読んだ。「日本人はなぜ戦争をしたか」という問題意識に対し、東條英機やその周りのステークホルダーを通し、特殊日本的な状況とそれに伴う意思決定の曖昧さを描き出したものだった。そこで明らかにされたのは、その日本的なものは戦後70年以上を過ぎた今日でも改善されないで引きずっている現状であり、読者はそれに思い当たるのであった。

mnoguti.hatenablog.com

本書は、その「昭和16年夏の敗戦」の完結編として書かれたものである。それは平成天皇(当時の皇太子)の誕生日に秘められた占領軍(というよりはマッカーサーか)の意志、敗戦国としての日本、日本軍が行ってきた残虐な行為を忘れさせないようにするための仕掛けを明らかにしたものだった。

目次は以下の通り。

  • 第一章 子爵夫人
  • 第二章 奥日光の暗雲
  • 第三章 アメリカ人
  • 第四章 天皇の密約
  • 第五章 四月二十九日の誕生日
  • 第六章 退位せず
  • 終 章 十二月二十三日の十字架
  • 文春文庫のためのあとがき
  • 参考文献
  • 解説
  • 予測できない未来に対処するために

物語はある日記の存在から始まり、著者がその日記の内容を解明し、当時の状況と重ね合わせることによって、敗戦国日本の戦後処理がどのように行われたか、天皇の扱いや位置付けを中心に展開する。A級戦犯天皇を生かすために利用され、そして戦後、敗戦国日本としての責任を忘れさせないため皇太子の誕生日(12月23日)が利用された。GHQはそのような仕掛けを他にも残している。憲法施行の日が昭和22年5月3日だったのは、東京裁判の開廷が昭和21年5月3日だからであるし、A級戦犯28人を起訴したのは4月29日、昭和天皇の誕生日であった。

The code for the winter of 1948 can be called a message from GHQ.

昭和23年冬の暗号はGHQのメッセージと言ってもいい

考察された時期は昭和20年から23年までが中心で、主な登場人物は、日記の著者、皇太子(当時)、GHQではマッカーサー、ホイットニー、ケーディス等である。その他にも多くの人たちが戦後処理を天皇制を維持したままで進めるために動いていたことが整理されている。

日記の著者の生活や行動で当時の庶民(と言っても富裕層だが)の生活を描き、皇太子の日光への疎開生活から当時の子供達が描き出される。マッカーサー他のGHQのメンバーと日本側の政府関係者の動きから、緊迫する戦後処理の動きが明らかにされる。

そこで著者から読者へのメッセージ(それはマッカーサーらの思いだ)は、「歴史は書き換えられるのではない」ということであるし、再刊された文庫版の帯に書かれている「眼前の風景の下には幾重にも過去の風景が地層のように堆積し、ところどころで露出している」のであり、「我々は歴史を背負って生きている」ことを忘れてはいけないのであり、「そのことを認識して初めて、未来に目を向けることができる」、すなわちアジア等の戦争被害者やその家族、あるいは沖縄戦等で犠牲になった国内の一般人に報いることができるのだということを伝えようとしているのだ。我々は加害者でもあり、被害者でもあるという歴史教育の大切さを改めて考えないといけない。

マッカーサーらの思いを受け止め、それを実践してきたのは昭和23年12月23日から自分の誕生日に特別な意味を持たされた平成天皇に他ならない。それは「終章 十二月二十三日の十字架」に記載されている。皇太子の時代に天皇の名代として38カ国、天皇になってからも、かつての敵国等を訪問している。ある時は「戦争によって、様々な形で多くの犠牲者が生じ、いまなお戦争の傷を負いつづけている人びとのあることに、深い心の痛みを覚えます」とスピーチし、またある時は「天皇の名代は、相手国にそれに準ずる接遇を求めることになり、礼を欠くように思われ、心の重いことでした」と述べたことが記されている。平成天皇は自分の立場を忘れることはなかった。そしてそれは今の徳仁天皇に引き継がれている。

本書は、昭和16年夏の敗戦の完結編だと著者は言っている。「日本人はなぜ戦争をしたか」についての結論はどうであろうか。本編で書かれているのは、東京裁判における米国人弁護人の陳述等を通して、交渉ごとで自分の主張を通すためにはくどいほど繰り返す必要があり、そうしないと相手方の主張を認めたと解釈されてしまうので、自分らの主張を認めてもらうまで遠慮はいけないという点であり、一方、日本側の関係者のその場の空気に流されるという個としての自立のなさが浮き彫りにされる。そういう点ではジャーナリズムの日米の違いも大きいだろう。

日本人の忖度や空気を読む気質は個を集団の中に溶け込ませてしまう。それが悪い方に出たのが日中戦争から太平洋戦争の意思決定だった。それは、日本的意思決定の欠陥として、著者の文庫再刊に寄せての短文の中に書かれている。それを乗り越えるためにわれわれはどうすべきなのか・・・ソロモン・アッシュの実験のその後を追い、改めて考える必要がある。

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猪瀬直樹著『日本人はなぜ戦争をしたかー昭和16年夏の敗戦ー』:数字に基づく事実の確認と確認された事実に基づく意思決定と

「開戦前に敗戦が分かっていた」のに日本人はなぜ戦争をしたか・・・この書籍の存在を知り、書名を知った時、「えっ!何故?」と思い、内容を知りたくなりすぐに購入したが、おそらく10年以上我が家の書棚に積読資産として並べられてきた。

今回、浜町の自宅の本の整理をしている時、たまたま自分の足元に崩れ落ちてきたのが本書であった。「ああ、この本、こんなところに紛れ込んでいたか」と手に取ってパラパラと読み始めたら止まらなくなった。2日間で読み終わった時、総力戦研究所の存在、模擬内閣の結論、東條英機の人となりなど知らなかったこと、今までのイメージがひっくり返されたことなど最近にない刺激的な内容にびっくりした。

It was young men in their 30s who predicted Japan's defeat in 1941

昭和16年に日本の敗戦を予測したのは30代の青年たちだった

目次は以下の通り。

  • プロローグ
  • 第一章 三月の旅
  • 第二章 イカロスたちの夏
  • 第三章 暮色の空
  • エピローグ
  • 解題

全体として、250ページを超える。その中で最初のプロローグは短く2ページとなっている。その「プロローグ」で、「昭和十六年十二月八日の開戦よりわずか四ヶ月前の八月十六日、平均年齢三十三歳の内閣総力戦研究所研究生で組織された模擬内閣は、日米戦争日本必敗の結論に至り、総辞職を目前にしていた。」との記述が後半にある。開戦目前の8月に、自国の敗戦という結論を出した総力戦研究所とはどういう組織なのか、あの時期に敗戦という結論を出せたことが不思議だった。それこそ勝利という結論を無理やり出しそうなものなのに、総力戦として検討した結論を敗戦として出せたのか。そして敗戦という結論が内閣の直轄組織で出ているのになぜ戦争に突き進んでしまったのか。これらのことを頭の中で考えながら読み進めていった。

「第一章 三月の旅」で総力戦研究所というものがどういう位置付けの組織なのか、何を目的にどういう経緯で設立されたのかなどが分かってくる。その中で研究所を構成する所員や研究生が紹介され、「最良にして最も聡明な逸材」であることが書かれている。また、開戦目前に緊急に集められた様子などを通して当時の日本の状況が分かる。

総力戦研究所を研究所として方向付けたのは所長の飯村譲の存在が大きい。その人柄からして研究所の長に適している人として人選されたようだ。また、自身も研究所として研究生をどうしていくかという点についてはいろいろ考えて研究所の運営にあたったことが読み取れる。

「第二章 イカロスたちの夏」では、日米開戦に向けてどうしようもなく事態を進めていく軍部とそれを止められない政治の状況が描かれ、それと並行して総力戦研究所での模擬内閣での検討が進んでいく。そして八月十六日の必敗という結論に至ることが描かれる。その中に登場してくるのが、東條英機だ。そこで描かれる東條は、官僚として、天皇の部下として優秀であるが故に戦争を止められなかった悲劇の人として位置付けられる。

模擬内閣での検討は、各所が保有している角度の高い数字を根拠に進められ、そこで描かれた日米戦は現実味を帯びたものであり、東條はそれを熱心にメモに取っていた。模擬内閣の検討内容を知っていた彼は、開戦すれば日本は負けると分かっていたはずだ。御前会議の経緯などから首相となったが、それは開戦させないための内大臣木戸らの考えであったが、東條にはそれができなかった。

「第三章 暮色の空」では、極東軍事裁判A級戦犯とされた人たちのその後と総力戦研究所の所員、研究生のその後が描かれる。そこでは、戦争を止められなかったA級戦犯とされた人たちと開戦前に敗戦を予想した研究所の人たちとを対比させることにより、戦争に進んでしまった日本という国の何が問題だったのかを浮かび上がらせようとしている。東條英機戦争犯罪人としてスケープゴートにし、それで済ませていいのかと我々に問うているのである。おそらくその答えはまだ出されていないのではないか。

エピローグでは、関係者の間では、取材当時、なお当時のことについて関係者が集まって議論している様子と平和な竹下通りの描写をして筆を置いている。

総力戦研究所の出した日本必敗という結論がいかにその後の事実と重なり合っていたか、なぜそうなったのかは、総力戦研究所の検討においては、数字が重視された点が挙げらると思う。それは今EBPMでの議論に重なる。数字(ばかりではないが)での現状把握と見通しが検討内容にリアリティを与え、そこから結果を出すという手続きがいかに大切か。目標やそれを実現するための課題をいかに具体的に検討するかということの大切さ、それは政策運営でも企業経営でも同様だろう。事実を無視して自分の考えを押し付けるようなやり方は早晩破綻する。

そして開戦したら負けると分かっていても開戦してしまったあの政策決定過程・・・マイナカードのゴタゴタが思い浮かんでしまったのはなぜなのか。住所表記の不統一は昔から指摘されていたことではなかったか。そこからくる名寄せの難しさや問題点は当初から分かっていたのではなかったか。それに対する対応策が貧弱だったが故の今回のゴタゴタということか。日米戦と似てると思う。

この国はあの敗戦から何も変わっていないのではないか。30代の人と言わず、立ち止まって考えるべきことだろう。

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読書の秋にゲイツ流読書のルールを再確認する:本の選択、読み方、読後のアウトプットまで

今年も読書の秋がもうすぐだ。自分も本はいろいろと購入する。高校生の頃から主に推理小説を読むようになり、その後、商売柄、学術系の書籍もたくさん購入した。ゲイツのように多読でありたいと思いつつ、積読の方が多いのが玉に瑕だ。

Taking time for coherent reading may be most important.

まとまった読書の時間を取ることが一番大切かもしれない

下記の記事にゲイツの本の読み方があったのでその要点をメモしておく。詳しくは記事を見てもらいたい。

bookplus.nikkei.com

ゲイツの読書の仕方は以下の5つを大切にしているとのこと。

  • 電子書籍ではなく、紙の本を読む:「余白」にメモ
  • いったん読み始めた本は最後まで読み切る:選んだ本は最後まで読破
  • 読書をする際は、まとまった時間を取って集中:読んだ内容についてじっくり考える
  • 関心が強いテーマは複数の本を読む:意見の違いを知り、可能な限り深く理解
  • 本を読んで考えたことをアウトプットする:自分の意見を明確に

読書家なら改めて言われるなくても分かっていることだろう。違いは、それを実行するか否かというところだけだ。自分の場合は、特に学術書の場合、絶版になってしまう恐れがあるので買いたいと思ったら迷わず買っていたことが積読を増やす一因だったが、電子書籍化が進んでいる今日、そこも考え直すべき時にきているのだと思う。

自分も改めて、これ以上、積読資産を増やさないためにも、ゲイツの5つのポイントを大切にもうすぐ来る読書の秋を過ごしたいと思う。ただし、上に書いたように、電子書籍も活用しつつということにならざるを得ないと考えている。

読み方で言えば、読んでいるときにどうしても早く、早くと気が急いてしまうことが難点だ。じっくり読むべき書籍とそうでない書籍があるが、じっくり読むべき書籍なのに急いでしまうという変な読書癖・・・これをどうにかしたいというのが目下の第一の課題。

さて、今年の秋冬でどのくらい本を読めるでしょうか。なるべく積読資産の取り崩しを優先していきたいと思う。

bookplus.nikkei.com

唐突だが、読書論の古典といえば、この本だろう。ゲイツの読書の5つのルールに通じるものがある。

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攻殻機動隊SAC_2045 最後の人間・・・SAC_2045シーズン2がやっと映画化される

攻殻機動隊SAC_2045もこれで完結となるのか。自分がNetflixのシリーズを見て感じるのはこれはまだ次があってもいいってところだが、神山さんのコメントなどをみるとこれが最後って感じかな。

www.ghostintheshell-sac2045.jp

シーズン1が公開されたのは、2020年の4月・・・すでに3年前だ。新型コロナ禍がとんでもない災いになることを誰もが認識した頃ね。まさかその後3年間も苦しめられるとは思わなかった中でのSAC2045だったわけだ。

mnoguti.hatenablog.com

SAC2045シーズン1は、3Dの映像はちょっと物足りない点があったのと、キャラクターのデザインが大幅に変わった点に違和感があったが、声優が以前の神山攻殻機動隊のメンバーに戻ったので相殺されたって感じだった。このシーズン1も映画化されていて、それも今はNetflixで見られるが、アニメ版より映画版の方がストーリがスッキリまとめられていて見やすかったと思う。

mnoguti.hatenablog.com

シーズン2はなかなか面白いストーリだったと思う。特に最終話については、意味がわからない、必要ないのではないかというネット上の意見があったが、自分には人間行動の仮想空間での再現の話と重なり、興味深く見させてもらった。

複雑な思いになったのは、江崎プリンが命を落とし、その後、アンドロイド(全身義体で脳かくを持たない)で復活する設定になってしまったことだ。ストーリーの中で江崎の活躍は少佐に並ぶもの、否、超える部分もあったと思う。そうなると主役級が2名、草薙と江崎が揃ってしまう。しかも2名とも女性だ。

攻殻機動隊というアニメの存在理由を考えれば、草薙を落とすわけにはいかないので、江崎を落としアンドロイドにして活躍させたということろか。神山さんはかなり悩んだのではないかと勝手に想像している。自分としては江崎を殺さず、準主役級で活躍させてほしかった。

Also looking forward to seeing Tachikoma in "Ghost in the Shell SAC_2045: The Last Human"

攻殻機動隊SAC_2045 最後の人間でのタチコマも楽しみ

シーズン2は全12話の中でストーリのここをもう少し描きこんで欲しいと思うところが何箇所かあったが、映画化されるとぎゅっと濃縮されるのでそういうところはなくなるだろう。前作もそうだったと思う。


www.youtube.com

公開は11月で3週間の限定公開になるようだ。おそらくその後はNetflixで見られるようになるのだろうが、さて、自分は映画館で観るべきか、Netflixで見れば良いのか・・・それを決める前にもう一度、シーズン2を全部通してみることにしよう。

www.ghostintheshell-sac2045.jp

それではみなさま、11月の公開をお楽しみに!

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電子産業(半導体産業)の再興はありうるのか?・・・まずは簡単に入手できる文献を整理

情報通信産業を研究対象としてきた自分がこれまで間近で見てきて、日々弱体化していくようにしか見えない国内電子産業*1。その電子産業周辺がデジタル化(DX)の推進で盛り上がっている。政府をあげてDXだと音頭を取り、これで電子産業も上向くかと思った矢先にマイナカードでは味噌をつけている。ハードの時代からソフトの時代となってもしっくりこない。いつまで同じことを繰り返すのか。

一方、海外に目を向けると、技術覇権競争の中心となっている台湾企業は、積極的な設備投資で半導体産業の先頭に立つ。何十年か前の日本企業の姿とダブらないか。また(突然)現れた生成AIの可能性やそれがもたらす社会的インパクトは電卓と比較したらどうだろうか。

身の回りのiPhoneなど電子機器を見ればDXのインパクトは誰にでも分かるが、それを活かしきれていない日本企業。どうにかしたいと政府による更なる電子機器、半導体産業へテコ入れ、古くて新しいデジタル化の推進など、日々、電子産業周辺が喧しい。

歴史を数十年遡れば、一時は世界に冠たる産業としてその名を轟かせた日本の電子産業がそこにはある。戦後、トランジスターから始まり、現在に至るまで、日本はどうして現在のように凋落してしまったのか・・・最近、ずっと頭の片隅にあった疑問だ(最近ではなく、ITバブル崩壊後からになるか・・・)。

What will happen to Japan's electronics industry?

日本の電子産業はどうなるのか?

そこで今回、新しい書籍なども出版され過去を振り返り、現在を分析し、将来を見通すにはちょうど良いのではないかと思い、どこまでできるかわからないが、少し過去から振り返ってみることにした。

まずは、1990年代に制作されたNHKの「電子立国 日本の自叙伝」だ。これはハードとしての電子立国の話で、NHKオンディマンドで視聴可能なのでそちらでじっくりみることに。そのほか、DVDでも販売されている。

当然、書籍化もされている*2わけで、そこらあたりをひっくり返しあの時代の日本企業の行動を思い出してみようと思う。過去を振り返る資料としては、他のもやはりNHKの新電子立国がある。これは、ソフトとしての電子立国の話だと想像される(自分は見た記憶がない)。残念ながらNHKオンディマンドにない!なぜかない!ので、書籍での確認になる。さて、どんなことが分かるのか楽しみだ。マイナカードのような状況が出てしまう原因の萌芽みたいなものが描かれているかもしれないと思ったりする。

振り返ってみれば、これまでにも電子産業に関する書籍は何冊か読んでいる。たとえば、下記の関口さんの書籍や、杉本氏の書籍がある。

mnoguti.hatenablog.com

パソコン革命に続く、ネット革命の書籍ということで著者は違うが2冊を一緒に読むと国内の状況が理解できる。

mnoguti.hatenablog.com

さらに電子産業についてもこれまで2冊ほど関連書籍を読んでいる。

mnoguti.hatenablog.com

最近ではこちら。

mnoguti.hatenablog.com

自分で記事を読み返してみると、ちょっと浅いんだよなと思う。今回、もう少し深く考えてみないかなと自分自身に問いかけたよ。そこで再読してみようと思った次第。上記を見終わったら、ちょうどいい本が出ているので下記の本を読んでみようと思う。そこで、見方が変わるのではないか。

どういう味方を自分自身がするようになるのか・・・。

半導体産業は産業時代が新しく、かつダイナミックに変化成長しているので、複雑でわかりづらい面がある。それについてはこちら、「半導体産業のすべて」がよくまとまっているのではないかと思う。

半導体産業はハードの話なので、ソフトウエア産業については別途書籍(あるいは研究論文か?)をこれから探そうと思う。

【加筆】以下、執筆後に目に留まった半導体関連の記事。

journal.meti.go.jp

journal.ntt.co.jp

journal.ntt.co.jp

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*1:もちろん世界シェアをとっている企業もあるが、これまで電子産業を牽引してきた企業の多くは弱体化しているのではないか。

*2:

広大なネットの世界を自由に闊歩したいから、できれば自由がいいが、限界もあることをもう一度考えてみるには・・・

ネットの世界は広大だわ・・・確か、押井守攻殻機動隊の最後に草薙素子がつぶやいた言葉だ。そう、ネットの世界は広大だ。だからその世界を自由に闊歩したいじゃないか。監視社会ではなく、自由なネットの世界で自由に何かやってみたいとは思わないか。

You want to roam freely in the vast world of the Internet, don't you?

広大なネットの世界を自由に闊歩したいじゃないか

そういう思いがある一方、最近のテック企業への規制、サイバー空間での利害の衝突が拡大し、自由なネットの世界がどこかへいってしまうのではないかと思わざるを得ない状況。その状況に加え、自由主義の負の側面としてショック・ドクトリンなるものを意識せざるを得なくなった。

mnoguti.hatenablog.com

ネットの世界でも当然、自由には自由としての規律を求められ、市場メカニズムにも限界があるし、それを無視した時、ネット上でもショック・ドクトリンのような一部権力者と大企業があちこちに立ち現れるようになってしまうだろう(今のビックテックがそうでないと否定できない)。

これからの世界がどのような世界になるのかについて、現状で考えられる、その有り様を示してくれている書籍も出てきている。

この本では持ち寄り経済圏として未来のネット社会がどうなってくるのかを垣間見せてくれている。ネット社会がどういうものになりそうか薄っすら未来が見えてきている今だから、改めて自由について考えてみることが必要だと思う。

そこで、自由思想の基本的書籍をこれから時間を見つけて読んでいこうと思う。その書籍は、J・S・ミルの自由論、ミルトン・フリードマンの資本主義と自由、そしてフリードリヒ・ハイエクの隷従への道の3冊だ。

最初は、J・S・ミルの自由論。古典だ。

タイミングよく、ミルの生涯を解説した書籍も出たところだ。まずはこれから入るのもいいのではないか。

そして2冊目が、シカゴ・ボーイズも学んだでろうフリードマンの資本主義と自由。

資本主義と自由を一般向けに描いた選択の自由を30年ぶりぐらいに読み直すというのもいいと考えている。

そして3冊目がハイエクの隷従への道だ。なかなかの分量だが読んでみたい一冊。

それからこちら「肩をすくめるアトラス」はジョブズやマスク、ベゾス、ゲイツなどもバイブルとして読んだと言われている本だ。アメリカの自由主義を理解するために読むべきだろう。おそらくシカゴ・ボーイズのやったこととこの小説を信奉した人たちがやったことを比較すれば、ショック・ドクトリンにおける自由の限界が分かるのではないか。

同じ思想なのにかたやどさくさに紛れて火事場泥棒のような施策を打つ、かたや自分の理想を追求し、世界を劇的に変えるイノベーションを結実させる。その相違はどこから出てくるのか・・・ここが1番の知りたいところだ。この相違が出てくる背景が少しでも分かると、ショック・ドクトリンに対する対抗策もより取りやすくなるのではないかと今のところ思っている。

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NHK100分de名著「ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』 2023年6月 (NHKテキスト) 」を読む

いやぁ〜、びっくりした・・・最初から経済学が悪者にされているではないか!・・・市場原理主義を利用したショック・ドクトリン。今、世界は、一部の権力者、金持ちによる支配が拡大しているが、その彼らが取る手法がショック・ドクトリンでそれは経済学のシカゴ学派ミルトン・フリードマンの考え方に基づいているとなっている。

シカゴ学派はそもそも市場メカニズムを重視する立場で、中でもミルトン・フリードマンの考え方は強硬派だったのではないか。それに賛同するかは人それぞれだろう。自分は賛同しない方だが、否定することはない。それはケインズ経済学にも長所と限界があるように、当然、市場メカニズムを重視するシカゴの考え方、フリードマンの考え方にも長所と限界があると考えるからだ。

Friedman and his ilk...

フリードマンとその一派って・・・

本書は、ムック本で、NHK100分de名著で取り上げる「ショック・ドクトリン」を理解するための番組用のテキストとして堤未果氏によって書かれたものだ。6月の月曜日に1回25分で4回=100分で解説される。4回は以下の通り。

本書で解説しているショック・ドクトリンに基づいた政策遂行過程については確かにそうだと思い当たる節もあり、肯定的に受けいれられるのだが、シカゴ学派が槍玉に上がっているのはどうも違和感があって、読んでみた。

今後、ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン*1フリードマンの「資本主義と自由」*2を読んで考えないと行けないが、今回は、100de名著のテキストの範囲内で考えてみた。

最近の政策決定過程を見ていると、確かにショック(=「衝撃と恐怖」)が起きた時に、その時ちょうど議論になっている、あるいはなりそうな重要な政策課題がほとんど議論されずに、法案成立となっている場合があるのではないか。災害や事件・事故などのショックに関する記事で誌面は埋め尽くされ、そういう本来我々がチェックすべき重要な課題はベタ記事で載る程度、TVのニュースでの扱いも最小限になる。そういうことが多くないだろうか。

こうなるのは、マスコミが商業主義に行き過ぎているためだと思っていたが、もう一つ、深く掘り下げるとこのショック・ドクトリンに行き当たるということなのだろう。つまり、マスコミが商業主義に走り、その時々の売り上げ最大化を考えれば、地味な重要課題より、大衆の関心が集まるショックに多くの紙面を割くことになっていくがその背景にはショック・ドクトリンという権力者等による大きな支配の構造が働いているということだ。

1980年代以降の民営化を中心とした市場メカニズムを利用した経済政策の推進は、それまでの財政赤字や公的部門の非効率性など大きな政府の反省として実施されたものだ。当時、それは新自由主義としてシカゴ学派だけではなく、多くの経済学者によって支持されていたと思う。市場メカニズムセーフティネットは車の両輪となり、経済を新しい均衡点へ導くはずが、自由市場における大企業の成長、適切なセーフティネットを構築することの難しさ、労働組合*3やマスコミ(ジャーナリズム)などカウンターパワーの弱体化が進み、結果として大企業とそれにつるむ権力者による弱肉強食の世の中を導いてしまったということだ。

このように理解すると、思い出されるのは、下記の記事で取り上げられている経済学者の生き様だ。彼の生き様は、自分の満足を最大化するためのショック・ドクトリンに乗った政策立案そのものだったことが改めて分かる。

mnoguti.hatenablog.com

以上から、現状の社会構造やそれによる社会問題、社会課題は、シカゴ学派の考え方が出発点となった市場メカニズム偏重の経済運営の帰結という整理になる。しかし、シカゴ学派の考え方そのものが悪いのではなく、確かにきっかけは作ったが、こうにまでなったのは企業経営や政策運営の適切性をチェックできなくなってしまった労働組合やマスコミの弱体化、大衆の無関心が大きいのではないか。偏重させてしまったのは、そこをチェックするメカニズムが弱体化されてしまったためで、それはカウンターパワーの弱体化によるものだ。

そこに気づいたのがナオミ・クラインで「ショック・ドクトリン」として世に問うたということになる。また、4回目の放送で紹介されるのであろうが、そこに書いてある、行きすぎた市場メカニズムの反省として、「シカゴ学派ショック・ドクトリンに立ち向かう」方法として、「一旦立ち止まり、目の前のことだけでなく過去に遡って学び、考える」ことの大切さと「市場メカニズムではなく、多様性や自然が持つ循環のメカニズムを大切にし、自らその一部として経済活動を営む暮らし」として紹介されている。それは多様なステークホルダーを経済システム内(市場メカニズムを含む)に維持し、チェック機構として機能させることを志向するものだろう。

We value diversity and nature's cyclical mechanisms...and I believe this is connected to social common capital.

多様性や自然が持つ循環のメカニズムを大切にし・・・それは社会的共通資本に通ずるのか?

ここでまた思い出されるのが以下の記事だ。宇沢弘文氏の追及した経済学ー社会的共通資本というものと重ならないだろうか。実は、宇沢氏は、シカゴ大学フリードマンと一緒だった時期があり、その直後に日本に帰国したという経緯がある。フリードマンの経済学と宇沢氏の社会的共通資本・・・なぜあの時、日本に帰ってきたのか空想は尽きない。

mnoguti.hatenablog.com

ショック・ドクトリン」を知ることにより、我々は市場メカニズムを否定するのではなく、それといかに付き合うべきかを再度考えるところに来ているということだと思う。社会システムの再構築が必要とされているのではなかろうか。

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*1:

*2:

「資本主義と自由」は、日経BPラシックスより新訳が出ている。

そして「資本主義と自由」を一般読者向けに書いたのがこちらの「選択の自由」だ。こちらはすでに絶版となっており、古本でしか入手できない。

*3:確かに当時、労働組合潰しについてもいろいろ言われていたことを思い出す。話は逸れるが、バブル崩壊以降、労働者の給与が伸びなかった要因の一つは労働組合の弱体化にあるのではないかと思っている。

大杉潤著『定年ひとり起業ーマネー編ー』:先立つものは金だ!引退後の可能性を実現するのも金だ!・・・だから自分を見つめ直すことが大切だ

さて、退職後3ヶ月目に突入している毎日、予定していたことをいつも積み残しながら日々喘いでいる。1ヶ月ほど前に、『定年ひとり起業』という本を読んだ。この本を読むと自分もひとり起業を実現してみたいと思うが、読んだ後、じっくり考えると、誰にでも機会はあるがそんなに簡単なことではないことがじんわり分かってくる。再就職するにしても、ひとり起業するにしても、どう収入を確保していくかが一番のポイントとなる。

mnoguti.hatenablog.com

そこで次に読んだのが、同じ著者、大杉氏の次の本だ。先立つもの(生活資金)をどう確保するのか、定年後の人生をどう生きていくか、理想の生き方(衣食住)があっても、それを実現する先立つものがなければダメだし、先立つものがあっても生き方を考えていないと宝の持ち腐れ?になってしまう。先立つものと自分の生き方の交差点がどこにあるのか、それを考えることが大切だ。そこで前回の内容を忘れないうちに先立つものについて書いてある「マネー編」を読んでみた。

「マネー編」は、以下のとおり、「はじめに」と「おわりに」と5章からなる。

  • はじめに
    • 「定年再雇用」vs「定年ひとり起業」
    • そもそも老後の収入はどのくらい足りないのか?
    • 老後マネープランは「WPP」と「トリプルキャリア」
  • 第1章 月5万円をずっと稼ぎ続ける「理想の働き方」
    • 人生100年時代の長寿社会を先取りした先人たちに学ぶ
    • 「希少性」で食べていく「藤原和博メソッド」に再現性あり
    • 大杉潤が組み合わせた「三つの専門性」
    • コラム:3編:竹内氏、立花氏、船橋
  • 第2章 まずは年金を知ろう!
    • マネープランは「人生プラン」で三つのポイントがある
    • 「ジョブ型」雇用と「多様な働き方」で中高年は活躍できる
    • ねんきん定期便」と「ねんきんネット」が教えてくれる
    • どんなアドバイスより役に立つ日本年金機構の「窓口相談」
  • 第3章 銀行がすすめる投資商品がダメな理由
    • 銀行員がすすめるのは「手数料の高い」運用商品
    • おすすめは手数料の安い外貨建て「インデックス投信」
    • 「つみたてNISA」が優れた投資法になる理由
    • インデックス投信の王道は「米国株S&P500インデックス投信」
  • 第4章 老後ライフスタイルを決定づける「終の住処」
    • 大前研一氏が説く「人が変わる三つの方法」でライフスタイルを考える
    • 自宅での「看取り」が急増すると「終の住処」が重要になる
    • 大杉潤が目指す「終の住処」と」老後ライフスタイル
    • コラム:日下部氏
  • 第5章 老後資金の作り方年表と7原則
    • 老後資金の作り方
    • 「60歳から老後資金を作る」ための7原則
    • 「ライフステージごとの戦略」を考える
    • 老後資金で最も大切な「Work longer」と家計の収支
    • 生涯現役を目指すから「幸せ」で「健康」になる
  • おわりに

以上のような項建になっている。この中で最初の本を読んでいることを前提にすると大切なのは、自分の場合、2章と3章かと予測しながら読んだ。確かにそうであったが、読み終わってみると、自分にとっては、実は第5章の老後資金の作り方年表が一番大切だということが分かった。

Timeline of retirement fund building: learning new from the past is important.

老後資金の作り方年表:温故知新は大切だ

それはなぜか。60代になった自分にとって、それまでの人生(20代、30代、40代、50代)をどう生きてきたかを振り返っておく必要があることが分かったからだ。20代はまだ学生、30代が社会人になりたての10年間、40代は一番仕事が楽しかった10年間、50代は無為に過ごした10年間、この40年間を今振り返ることで、自分というものを考え直すことができる。また再就職にしろ、ひとり起業にしろ自分の専門性を検討することができるからだ。

老後資金の作り方年表を参考に自分はどうするのかを考える・・・これが軸になって、最初の本の内容(マネー編では第1章に要約されている。60歳以降の働き方、基本的な生き方をどうするか)を考え、このマネー編でマネープランを考えることになる。

そして具体的な各論に入る。まずは第2章の年金についてだ。「年金ネット」「ねんきん定期便」、日本年金機構の「相談窓口」という大切な情報源を利用することの大切さが分かる。そして年金を前提にしたマネープランをどうするかを具体的に考えるプロトタイプも示してくれている。ここでまずは誰でももらえる年金の受給をどうするかは一つのポイントだ。

年金について理解できたら次の第3章の投資法の検討だ。これはつみたてNISAを利用したインデックス投資が中心になるということで、具体的に銘柄名まで上げながら考え方を理解できるようになっている。つみたてNISAは2024年から新しい制度に移行する。23年に口座開設しておくと、自動的に新NISAにも口座ができ、両口座で限度額まで投資できることになる・・・が、実際、両口座の限度額まで使うのかは人それぞれだろう。新NISAからでもいいかもしれない。それよりはこれから10年、20年という投資期間を考えたとき、自分のライフプランはもちろんだが現在の世界情勢や環境問題などを考え検討することが大切だと本書を読みながら考えた。

第4章は、住む場所をどうするか。自分は、浜町に自宅が、北軽井沢に親が残した家が、そして徳島にも奥さんの自宅がある。その中でどこに住むか?最後の最後はやはり利便性を考えると浜町になるのではないかと考えている。北軽井沢は車の運転ができる限り利用することになるだろう。

そして最後の第5章で、大切な老後資金の作り方年表の話が出てくる。これは前に書いた通り、まず検討して、50代までを整理した後は、60代以降の部分については常に見直しながら更新していくことで、自分の事業計画書として機能することになる。

本書を読むと、60歳からでも老後資金を作ることは可能であることが分かる。ここが分かったことが一番大きい。そしてその具体的な方法がプロトタイプとして示されており、自分の状況に合わせて作り直していけばいいようになっている。

もうすぐ退職だけど何も考えてこなかった人がいたら、先立つもので慌てることはないことが分かるので、本書をまず読んでみるのがいいかもしれない。

大杉氏は3冊目を出している。「生き方編」だ。これは目次をざっとみたところ、これまでの著者の読書歴を存分に活かした内容になっているようだ。

こちらは少し時間をあけて読んでみたいと思う。

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水曜日のカンパネラ「Shadow」:とうめいはん、トウメイハン、東名阪と耳に残るフレーズと心地いいメロディ

確か、ピストンさんの番組*1の中かでかかっていたのではないか・・・そして他でも何回かラジオで聞いて、気づいたら、余韻がずーっと残るメロディラインと歌詞にすっかり頭の中はこの曲に毒されてしまっていた。

曲調は何と言えばいいのだろう・・・今の音楽と言ってしまえばそれまでだが、何とも言えない惹きつけられるものがある。詩羽の声がいいのかもしれない。第一印象は軽く小気味いい、そして歌詞に思想がない。意味を考えて聞いてはいけないんだ。たとえば今回紹介する水曜日のカンパネラ*2のShadowの出だしの部分・・・

忍びの里へ

駆け抜けるシャドウ

謎の影を振り払いながら

眠気覚ましのゴキゲンなradio

君をどこかへ連れていくだろう

陽水の思想のない音楽みたいじゃないか。歌詞を聞いてはいけないのかもしれない・・・何の歌だ?って感じだろう。さらに続く・・・

アクセル パラ パ パ パ

自動シャドウ パラ パ パ パ

パラ パ パ パ

と来たもんだ。ま、これはリズムを刻むだけだなと思っても、さらに、続く・・・

関越自動車道

北陸自動車道

山手トンネル

花園インターチェンジ

圏央道

常磐自動車道

首都高速湾岸線

これ、歌詞よ。自動車道とその関連施設の名前が並ぶ。自分の馴染みのある高速がほとんど。そしてとどめに

東名阪

とくるんだよ。これが軽快、リズミカルな曲に乗って耳に入ってくる。これだから耳に残るでしょう。さらに続く・・・

芦ノ湖スカイライン

日光道

海老名ジャンクション

綾瀬バス停付近

山陽自動車道

山陰自動車道

京田辺松井インターチェンジ

そして区切りをつけるフレーズ・・・

東名阪

とくるんだ。これがまだまだ続くんだよ。この後、東名高速道路近畿自動車道中国自動車道京滋バイパス東北自動車道、中央道、熱海ビーチライン、箱根ターンパイク、南富士エバグリーンラインが出てくる。この道路の合間合間に道路関係の附属施設、話題等々いろいろ出てくる。歌詞全体を知りたい人はこちら。

www.uta-net.com

これって、忍者の歌なのか?自動車文明を皮肉った歌なのか?交通安全も言っているのか?と不思議に思いで頭ぐるぐるよ・・・なんか、たまんねえよって感じ。いろいろ書いたけど分かってもらえないと思うから、YouTubeの動画(じゃないけどw)を見てみてほしい。再生できない人がいたら、YouTubeのサイトに行ってみてみてね。

www.youtube.com

なんか気持ちいいんだよね。だからしばらくは何をするにしても頭の中をぐるぐるこの曲が回っていると思う。

Shadow自体は、下記のミニアルバム?に入っている。買ってもいいよねw

他の曲もいい感じだ。水曜日のカンパネラ自体を聞くようになるかも。

ja.wikipedia.org

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*1:可能性としてはこのDrive to the Future。実際はどうだったかはちょっと不明。

www.j-wave.co.jp

*2:

www.wed-camp.com

トリップ・ミックル著『アフター・スティーブー3兆ドル企業を支えた不揃いの林檎たちー』:Appleの将来と経営と開発のバランスをとることの難しさを考えさせられる一冊

表紙カバーの外の部分、ジョブズが復帰して以降のAppleの主な出来事が時系列で整理されている。以下はそれを書き出したものだ。

  • 1976年 ジョブズとウォズニアックにより創業
  • 1997年 ジョブズが復帰
  • 1998年 カラフルなiMac発売で業績復活
  • 2001年 iPod発売
  • 2007年 iPhone発売
  • 2010年 iPad発売
  • 2011年 ジョブズ死去、クックCEO就任
  • 2014年 中国最大キャリアでiPhone発売、売上激増
  • 2015年 Apple Watch発売。Apple Musicサービス開始
  • 2016年 犯罪者のiPhoneロック解除問題で当局と争う。バフェットによる株式大量取得、株価高騰
  • 2017年 ステーブ・ジョブズ・シアター、オープン。10周年記念iPhone X発売
  • 2018年 全製品をトランプの対中国関税リストから回避。時価総額1兆ドル突破
  • 2019年 新本社アップル・パーク、グランドオープン
  • 2020年 時価総額2兆ドル突破
  • 2021年 アプリ配信の反トラスト裁判に勝訴
  • 2022年 時価総額3兆ドル突破

見て明らかなように、ジョブズが復帰してから10年ほどで、iMac(書かれていないがMac Book)、iPodiPhoneiPadと主力製品が立て続けにリリースされている。そして、その製品群を上手くビジネスすることによって3兆ドル企業にまで上り詰めたことが分かる。本書は、CEOクックとデザインの責任者CDOであったジョナサン・アイブを中心に、この後の経営上の難題や主力製品の開発における苦闘の様子を時間軸に沿ってまとめたものだ。

Will Apple continue to be Apple?

これからもAppleは、Appleでいられるのか?

それは、2人の周りにいた、書名の副題にもなっている不揃いの林檎たちの物語でもあり、ジョブズ亡き後のAppleがどういう状況であったかが分かる物語になっている。表紙のリンゴの写真は、その状況を見事に表している。

本書は、比較的短い23の章とプロローグ、エピローグからなる。そして詳細な注がつく。注にはインタビュー情報の出所などが明記され、Appleという秘密主義の企業についてその情報の確からしさを確認できるようにしてある。さらに最初に何枚かの象徴的な写真が掲載されている。

  • プロローグ
  • 1 ワン・モア・シング
  • 2 芸術家
  • 3 業務執行人
  • 4 必要な男
  • 5 強固な決意
  • 6 はかないアイデア
  • 7 可能性
  • 8 イノベーションを起こせない
  • 9 クラウン
  • 10 商談
  • 11 華麗なるデビュー
  • 12 プライド
  • 13 流行遅れ
  • 14 フューズー融合
  • 15 金庫番たち
  • 16 セキュリティ
  • 17 ハワイの日々
  • 18 煙
  • 19 50歳のジョニー
  • 20 政権交代
  • 21 機能不全
  • 22 10億のポケット
  • 23 イエスタデイ
  • エピローグ

Appleは、ものづくりの会社であることはよく指摘されることだ。そのものづくりにおいてデザインを重視したことでiPhone等が生み出されてきたことも知られている。そして本書を読むと、それを再確認できるとともに、ハードからソフト、サービスに軸足を広げようとした時、そのAppleAppleたらしめていたもの(それが表紙の写真の軸として表してあるものであり、ジョブズの考えであろうことは容易に想像がつく)がどうなるのかが今後のAppleという会社を方向づけるであろうし、今がその分岐点なのではないかと考えずにはいられない。

その分岐点での大切な鍵は、クックの存在よりアイブの存在になるだろうということを本書では暗に言おうとしているのではないか。

経営者としてのクックは、中国という豊富な労働力と巨大市場を手にいれ、その他、セキュリティ面でのAppleとしての立ち位置を明確し、サービス面でも徐々に活路を見出している。クックはCEOとして株主の期待に応えるため業績第一に考え、行動している。巨大企業に変貌したAppleが見ている先は、株主第一になってしまっているのか?経営を急ぎすぎているように見えるクックはどこでそれを修正するのか、あるいはこのまま突っ走るのか。

一方、アイブは、本社の新社屋の完成とApple Watchを世に送り出すことで貢献した。ただし、アイブは、開発と経営の両方の役割を担うことが負担となり、その後行き詰まり気味で、2019年にAppleを去っている。アイブの他にも古くからAppleを支えてきた多くの人たちが去っていることが本書に散りばめて書かれている。

Appleはもう昔のAppleではない。AppleAppleとしてのArt×Techの交点でこれからも製品やサービスを世に送り出すことができるのであろうか。そのためにはジョナサン・アイブというデザイナーはなくてはならないのではないか。外に出てしまったとはいえ、Appleとの関係を続けていくと言っているアイブのコミットがどうなるか。今後のAppleの行く末を考えるとき大きなポイントになるのではないかと思う。

とりあえず、製品やサービス面がどう展開するのか、6月のWWDCに注目したい。

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