情報通信産業を研究対象としてきた自分がこれまで間近で見てきて、日々弱体化していくようにしか見えない国内電子産業*1。その電子産業周辺がデジタル化(DX)の推進で盛り上がっている。政府をあげてDXだと音頭を取り、これで電子産業も上向くかと思った矢先にマイナカードでは味噌をつけている。ハードの時代からソフトの時代となってもしっくりこない。いつまで同じことを繰り返すのか。
一方、海外に目を向けると、技術覇権競争の中心となっている台湾企業は、積極的な設備投資で半導体産業の先頭に立つ。何十年か前の日本企業の姿とダブらないか。また(突然)現れた生成AIの可能性やそれがもたらす社会的インパクトは電卓と比較したらどうだろうか。
身の回りのiPhoneなど電子機器を見ればDXのインパクトは誰にでも分かるが、それを活かしきれていない日本企業。どうにかしたいと政府による更なる電子機器、半導体産業へテコ入れ、古くて新しいデジタル化の推進など、日々、電子産業周辺が喧しい。
歴史を数十年遡れば、一時は世界に冠たる産業としてその名を轟かせた日本の電子産業がそこにはある。戦後、トランジスターから始まり、現在に至るまで、日本はどうして現在のように凋落してしまったのか・・・最近、ずっと頭の片隅にあった疑問だ(最近ではなく、ITバブル崩壊後からになるか・・・)。
そこで今回、新しい書籍なども出版され過去を振り返り、現在を分析し、将来を見通すにはちょうど良いのではないかと思い、どこまでできるかわからないが、少し過去から振り返ってみることにした。
まずは、1990年代に制作されたNHKの「電子立国 日本の自叙伝」だ。これはハードとしての電子立国の話で、NHKオンディマンドで視聴可能なのでそちらでじっくりみることに。そのほか、DVDでも販売されている。
当然、書籍化もされている*2わけで、そこらあたりをひっくり返しあの時代の日本企業の行動を思い出してみようと思う。過去を振り返る資料としては、他のもやはりNHKの新電子立国がある。これは、ソフトとしての電子立国の話だと想像される(自分は見た記憶がない)。残念ながらNHKオンディマンドにない!なぜかない!ので、書籍での確認になる。さて、どんなことが分かるのか楽しみだ。マイナカードのような状況が出てしまう原因の萌芽みたいなものが描かれているかもしれないと思ったりする。
振り返ってみれば、これまでにも電子産業に関する書籍は何冊か読んでいる。たとえば、下記の関口さんの書籍や、杉本氏の書籍がある。
パソコン革命に続く、ネット革命の書籍ということで著者は違うが2冊を一緒に読むと国内の状況が理解できる。
さらに電子産業についてもこれまで2冊ほど関連書籍を読んでいる。
最近ではこちら。
自分で記事を読み返してみると、ちょっと浅いんだよなと思う。今回、もう少し深く考えてみないかなと自分自身に問いかけたよ。そこで再読してみようと思った次第。上記を見終わったら、ちょうどいい本が出ているので下記の本を読んでみようと思う。そこで、見方が変わるのではないか。
どういう味方を自分自身がするようになるのか・・・。
半導体産業は産業時代が新しく、かつダイナミックに変化成長しているので、複雑でわかりづらい面がある。それについてはこちら、「半導体産業のすべて」がよくまとまっているのではないかと思う。
半導体産業はハードの話なので、ソフトウエア産業については別途書籍(あるいは研究論文か?)をこれから探そうと思う。
【加筆】以下、執筆後に目に留まった半導体関連の記事。