日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

慶春2020:今年はいろいろダイエット(走る、ゴルフ、食べる、研究する、それが仕事、そして北軽井沢)

2020年、ようこそ!

みなさま、本年もよろしくお願いします。

 

今年のみなさまのご多幸を祈念しつつ、自分の抱負などを簡潔に書いてみます。

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基本は、昨年の気づきを大切に、悠然と流れる吉野川隅田川のように動じず、やるべきことをやっていければと考える。昨年の振り返りとともに書き下してみる。

 

走ること:昨年久しぶりにフルマラソンでサブ4を達成した。まだ走れそうだと思ったのも束の間、3月の峠走、万葉公園の下り、公民館の手前で左足肉離れを起こし、その後はパッとせず。今年は怪我をしないことをまず第一に、毎月コンスタントに走ることを目指す。そうすれば、またタイムも上がってくるだろう。コンスタント≒継続することが大切。

 

ゴルフ:昨年は5回しかプレーできなかった。今年もそのくらいの回数になる可能性が高いが、是非スコアアップを実現したい。目指せ平均スコア90台

食べる食べすぎない(痛風を発症しない)。ゆっくりよく噛んで食べる。そして昨年よく指摘された茶色だけでないような色とりどりの食事を目指す。脱コンビニ弁当(脱ノグチ飯とも言うw)。関連して、減量を考える。今の時期、走るようになってからは75キロ前後にはなっていたのだが、今年は80キロ。これではいけない。スリムで脚への負担の少ない体型を目指す。

走ることと食べることは、自分にとって表裏なので、走ることの先にある目標と食べることをうまく連携させて1年間をやっていきたい。

 

研究する:将来、大学院に入ることを視野に入れ、読む力(語学含む)、考える力を鍛え直す。日常業務の延長線上ではデジタル経済の進展について考える。このブログにも過去に書いているが、産業資本のポスト産業資本化がどのような内容のものなのか、現在注目されているAIの普及、デジタル化がその中心となるのか見極めたい。

 

仕事:時間も少ないので日々大切にがまず第一。そして自分を安易に妥協させないこと大切に日々取り組む。

未来へ向けて:今年の後半から将来に向けた取り組みを始めたが、これを着実に進める。1分1秒をワクワクドキドキしながら日々を過ごせるように頑張る

北軽井沢:冬季を除いて毎月一度行くことは是非実現したい。北軽井沢での生活、ランニング、ゴルフの練習など全体に関わることも多いので、しっかり月一をこなしていきたい

以上、2020年の抱負でした。

みなさま、今年もよろしくお願いします。

 

2019年に読んだ本のベストはこの4作品・・・ジョブズ、アイブ、ピクサー、クック

2019年は、久しぶりに本を読もうと思ってそれなりに読んだ1年間だった。結果的に15冊14作品を読んだ。1ヶ月1冊以上の本を読んだことになるので、最近では多読の1年間だったのではないか。

 

最後に読み終えたのが、10月下旬で下で紹介するティム・クックについての本だった。その後、2ヶ月あったのでもう1冊ぐらい読めてもよかったが、今、読んでいるのが、岩井先生の「経済学の宇宙」で、現在、格闘中。早ければ正月三が日に読み終え、来年の最初の読了報告をこのブログに掲載することになるだろう。

経済学の宇宙

経済学の宇宙

 

さて、今年読んだ14作品の中でベストはこの4冊品。ジョブズ後のアップルがどうなるのかを考えたいと思い、読み始めた4作品。

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最初はジョブズについて書かれた作品。ジョブズの一生が克明に描かれている。内容はそれは興味深いものだった。特に書かれていない部分、行間を読むことを意識させてくれた作品だった。

mnoguti.hatenablog.com

様々な困難に直面し、周りと対立し、そして一晩考え、新しい対応を模索し、打開していく・・・本人がなぜ考えを変えたのか、そこは想像をするしかなく、行間にあるジョブズの行動を前後の記述から想像しながら読み進めた。

mnoguti.hatenablog.com

やろうとしたことはシンプルで、4つの市場に対し、ベストと思える製品・サービスを提供していく。「洗練を突き詰めると簡潔になる」、「すべてが一体となって機能する」を体現するアップルの製品・サービスが出てくる背景がよく分かる。

アップルやジョブズのやったことの凄さを知るにつけ、アップルの凄さをもっと知りたい、そしてジョブズ後のアップルがどうなるのかということを知りたいと思った。それを考えさせてくれたのが、アップルでインダストリアル・デザインを担当していたジョニー・アイブについてだった。

mnoguti.hatenablog.comジョブズと多くの考えを同じにし、最近の製品をデザインし、アップルを体現しているとも言える人物だろう。一言で言ってしまえば、デザインの大切さ。ハードはそのデザインを実現するためにある。デザイン主導の製品開発・・・目指すものを明確に意識することの大切さを気づかされる。

そのアイブがアップルを辞めて、独立するというニュースに接した時はそれはそれで納得するところがあった(発表した後、どうなったかは分からない。まだ辞めてないのではないか?)。

 

ジョブズやアイブの本を読み、アップルの凄さが分かったところで、ジョブズがアップルを離れていた期間に何をやっていたのかが気になリ始めた。それを知るために読んだのが、PIXARについての本。

mnoguti.hatenablog.com

この本は、あくまでもPIXARについてのことでジョブズについてではないが、それでもジョブズが出資して、最初の作品を出すまでの取り組みについては考えさせられるものがあった。3Dアニメという新しい技術で市場を創出することの困難さを考えた時、それを可能にするものは何なのかということを考えずにはいられない。

新しいビジネスはこうやって育て、大きくしていくものだ・・・とは簡単に言えない営みが書かれている。ラッキーだった面もあるだろう。でもそれはその時点時点で最善を尽くした結果だということに思いいたる。

 

そして最後、アップルの今後を考える際に最も注目すべき人物、現社長クック。タイミングよく、クックに対する本も出版されたのだった。

この本に書かれていることは、クックが単にジョブズからアップルを引き継いだだけでなく、アップルの使命を時代とともに、状況とともに変化させていること。労働やプライバシーや自然破壊に対するアップルとしての取り組み、そして製品・サービスの行方など、勉強になることがいろいろ書いてある。
mnoguti.hatenablog.com

mnoguti.hatenablog.com

具体的に内容を知りたければ、この4冊品を読んでいただくのがいいと思う。単純に字面を追うのではなく、行間をしっかり読むことが、考えながら読むことが大切だ。

これらの4作品は、自分のビジネスを伸ばすためには、目標の設定とそれを実現するためのストーリーをよく考えることが大切だと明白に意識するきっかけをくれた・・・大きく影響を受けた4作品であった。

さて、2020年はどんな本に出会うであろうか。楽しみだ。

 

慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科主催:Sports X カンファレンス2019に行ってきた

夏のことなので時間が経ってしまったが、慶應大学大学院システムデザインマネジメント研究科が主催するカンファレンス、Sports Xカンファレンス2019に行ってきた。以下はそのカンファレンスでのメモを中心に頭に残っていることを書き連ねた記事だ。

 

大学院システムデザインマネジメント研究科とは?

このシステムデザインマネジメント研究科はその研究科の名前が示す通り、システム思考+デザイン思考で社会事象を捉え、問題点、課題を解決していこうという大学院だ。

まずは社会をシステムとして捉え、状況を整理認識し、デザイン思考で分析する・・・多様なステークホルダーがいろいろな課題を抱えているので、アプローチは学際的になる。最近、文系理系というわけ方や学部という壁が学問や科学の世界で問題視しされているが、その点を超越したアプローチを実践している大学院だ・・・と自分は理解した。この研究科を知りたければ以下の2冊の書籍が役立つ。

こちらは入門編だ。

システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」

システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」

 

そしてこちらはより専門的にシステムデザイン・マネジメントについて書かれている。自分の出身大学の出身学部は創設の時、行動科学として学際的アプローチを取り入れることを念頭に考えられた学部だった・・・なんてことを思い出した。

システムデザイン・マネジメントとは何か

システムデザイン・マネジメントとは何か

 

そしてここで入院生活をおくってみたいと思ったのでした。

 

 

Sports Xカンファレンス

さて、Sports Xカンファレンスは、このアプローチで現在日本のスポーツ業界を産業として成長軌道に乗せるには何が必要なのか、それをどのように実現していくのかを考えようというカンファレンスだ。

events.nikkei.co.jp

いくつかのセッションを聞いたが、メモや頭に残っているキーワードをもとに当時を思い出しながら以下、書いていく*1。当然、自分流の解釈が入っている前提でお読みいただきたい。

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A new age in sports (スポーツ新時代)

カンファレンスが始まって最初の印象が、「プレゼンテーションが上手い!」ってことだった。基本、スクリーンは見ないで語りかけるように話す。会場との一体感、引き込まれる。

内容としては、ライブ(生)に価値を見ているということ。見る人のためにいろいろな形のコンテンツやプラットフォームの拡大の拡大があり、スポーツ観戦をめぐる環境は大きく変化している。そしてそれらをうまく利用したユーザを広げる取り組み。これによりスポーツのビジネスとしての可能性が変わる。

このような状況からさらに将来も伸ばすにはどうするか?エンターテイメント業界との関係構築、つまりスポーツ≒エンターテイメントの一部として再構築。見方を変えれば、Attenstion Economyという視点で時間を何に使ってもらうのか、見る方からすると時間をどう使うか・・・時間を取るための競争が始まっている。そのような中、若者の参加率が下がっている。他のエンターテイメントとの関係がどうなっているのか。

テクノロジーの可能性ないし影響。例えばNetflixの台頭。米国ではケーブルの脅威になっている。最近は日本でも存在感を示し始めている。

一方、ファン層が多様化している。ローカルでありグローバルな立ち位置。Fluidな(移ろいやすい)ファンををどう取り込むかのか。今のファンは、自らがコミュニテイを作りたいという思い。例えば、イチローのファンという存在は、チームのファンではないということ。

スポーツとしてのビジネスでファンをどのように獲得するかは、メディアの使い方が鍵になる。没入型メディアを利用して、ファンが主体的に選べるようにする。さらにソーシャルメディアをどのように使っていくか。多様なメディアを全体としてどのように連携させ、ファンを獲得していくか。メディアを含め、ビジネス全体のエコシステムをどう考えるかという視点。

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スポーツを科学的に管理する:100球制限や如何?

誰のためのスポーツか。個人差がある身体能力、肩や肘の耐久力・・・50球以下でも痛むし、100球以上でも痛まない。選手によってその差は大きい。そのような中でまずは100球を暫定的に定めて高校球児、投手を守る。本当は個別に上限投球数を決められるのがベスト。でもそれをしているだけの時間や人の手当ができない現実。

そもそも個人差が大きいということを認識する必要。多様性を前提にした指導が必要なのだが、日本はそのようになっていない。例えば、投げ方の問題でみると、バイオメカニクスというアプローチで明らかになったのは、速度と力は一致しないというようなこと。

具体的には、内側側副靱帯の損傷がなぜ発生するかというと、内反トルクが原因だ。そして内反トルクは個人差が大きく、そこを考慮して投球数を決める必要があることが分かってきた。このように科学の進歩はあるのに、一方で故障者は減らない現実。なぜか?

監督への啓蒙活動を進める必要。上手投は人間にしかできない。それが肘への負担を高める原因の一つなので、その負担がどのくらいになるか計測する必要があるが、そこまで手が回らないのが現状。そこで、予防するためのセルフトレーニングができる。そういう情報、知識をどう広めるか・・・ その役割を担うのが指導者である監督。そしてそれは選手の意識改革に繋がっていく。正しいトレーニングの必要性とその実行を早急に進める必要がある。

骨格、筋肉の強さは人によって、場所によって異なるとすると全体のデータよりやはりテーラーメイド型のデータが必要になると考えれれる。このように考えると、100球問題といて顕在化した野球における選手の育て方の問題は、単なる投球数制限の話ではないことになる。

野球のあり方そのものを考え直す必要があるように感じた。最近の高校野球での動きはそういう大きな問題提起の一環だと考える必要。例えば、試合が土日に集中するのは、大人の事情に過ぎない。100球制限は一つのきっかけに過ぎないのであり、そこに一歩を踏み込んだ新潟高野連の試み(100球制限)はベースボール革命の始まりと言える。

 

Sports X Initiative〜スポーツ経営人材の育成とR&Dセンター構想〜

Sports Xとは・・・人材育成とR&Dの視点。

MITスポーツanalyticsに参加してアメリカの現実を見ることで、スポーツ産業・ビジネスの盛況を目の当たりにした。アメリカがこのように大きくスポーツ産業が成長した背景・・・イニシアティブの存在がある。そして大規模複雑な世の中、複雑なシステムを研究する必要があるとの認識。

日本のスポーツ界は、95年までは米英と同じ規模だったが、その後、両国のパフォーマンスは大きく開いた(実は日米の差はスポーツだけでなく、あらゆる分野に及ぶ。日本の相対的な凋落という現実)。

その原因を明らかにするためには、 95年以前を見る必要がある。日本周辺を見ると、そこには、伸びるアジア諸国が存在する。一方、スポーツだけのことを考えているだけでは日本の状況を大きく変えられないという認識。

ならばどうするか?全体構造を作るというところから始めないといけないという問題意識。Sports Xの名前の由来は、Xという何かで大きくすることを考える。つまりは社会課題解決の一助としての位置づけ。このような見方をすると、スポーツはあらゆる差異を超えていく共通言語たりうるという視点。

 

カンファレンス、人材育成、R&D の3本柱

人材育成:日米の違いのきっかけはなんだったのか? ー米国4大スポーツの設計者にヒアリング(野球、バスケ、アメフト、アイスホッケー、+ サッカー)して課題を抽出。 ガバナンス、組織設計のイニシアティブは弁護士、投資銀行

ビジネスの第一線での進め方は、まず弁護士等でコンセプトを作利、雛形ができて、勝ちパターンが見えてから、スポーツビジネス系の人たちが入るという点がポイントになる。

構造そのものを成長させる構造をどう作り上げるか。構造を変えていける人材を育成するとともに、社会に対する自分たちの立ち位置をはっきりさせる。

まず必要とされる基礎能力は、多視点化、構造化、可視化をする能力だが、それを可能にするためにも、デザイン思考(価値創造)とシステム思考(全体構想総出力 総合思考 物の見方)が必要だ。その2つの視点から、考え方を鍛えることになる。

なるべく多くの経験を積むためには国内に閉じていてはダメで、Plain Englishは必須ということになる。そして学際的なアプローチが必要になり、そのための横串の差し方を考えなければいけない。つまりは個別ディシプリンでコミュニケーションできるように共通言語としてのシステムズ・エンジニアリングを収めた上での多様な学問を取り入れていくことになる。

そこではナブラ型人材が求められ、課題と価値の構造化によるソリューションの構築をしてくことになる。T型人材ではこれに対応することはなかなか難しいというか、ほぼ不可能だろう。人材の厚みが増すことで、R&Dをできるようになる。そして結果、科学とビジネスの間をつなぐ活動が可能になり、新しい姿を表すことになる。

今後の展開としては、仲間づくりがポイントであり、それは多様性を高めることに他ならない。

 

*1:当然、記憶が定かでなくなっている部分もあり、またその後、自分の考えで上書きされているところもあると思う。そのような内容だということで理解して読んでほしい。

NTT R&Dフォーラムに行ってきた:5GとIOWNをめぐるが主役になるのは15年後か?!

以前は年明けの2月ごろに実施されていたNTT R&Dフォーラム、最近は秋に開催されるようになった。

 

開催場所はこれまでと同じ、三鷹にある武蔵野通研だ。最近ご無沙汰だったのでしばらくぶりに行ってきた。

labevent.ecl.ntt.co.jp行こうと思った背景には、久しぶりにNTTが長期の技術戦略とも言える構想・・・IOWN構想を発表したからだ。さらに言えば、5Gの商用化が来年に迫り、すでにプレサービスも開始されていて、それに関してどのような展示があるのかということにも関心があった。

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IOWNはそもそもどのような構想なのか、5Gは来年の商用化だが、どのようなサービスが出てくるのか、将来を考える上でインパクトのあるIOWNと5Gを同時にチャックできるまたとない機会だった。

IOWN構想 ―インターネットの先へ

IOWN構想 ―インターネットの先へ

 

開催は、11月14日、15日の二日間がNTTグループ内覧会で、そこに参加した。実際に参加してからかなり時間が過ぎていることもあり、印象に残っていることだけ書き残しておこう。IOWN構想の全体やその考え方は上記の書籍を参考にしてほしい。

 

IOWN構想には大きく3つの柱がある。一つは、オールフォトニクス・ネットワーク、二つが、デジタルツインコンピューティング、そして、三つは、コグニティブ・ファウンデーションの3つだ。

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オールフォトニクス・ネットワークは、発信から着信まですべて光技術で伝送しようというもの。現在は光ファイバを使っているものの、電気信号へ変換する部分が残っているがそこも含めて光技術で伝送できるようになる。

デジタルツインコンピューティングは、現実空間をサイバー空間に再現しようというもの。イメージとしては、映画のマトリックス攻殻機動隊、あるいは数年前に話題になったセカンドライフが近いと思う。

 

そしてコグニティブ・ファウンデーションは、将来の高度化、多様化したネットワーク技術を自分の用途に合わせて自在にサービスを作り上げる仕組みとでもいえばいいだろうか。

詳細は下記の書籍を読んでほしい。

IOWN構想―インターネットの先へ

IOWN構想―インターネットの先へ

 

武蔵野通研の会場に所狭しといろいろな技術が展示してあり、その一つ一つに説明員がついて、現状と将来について説明してくれる。一日かけてじっくり見、そして話を聞きたいところだが、実際はそうは許してくれないというところだ。

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そんな中、自分の印象に残っている技術の一つはオールフォトニクスネットワーク。IOWN構想の3つの柱の一つだ。8Kを無圧縮で送れるという高速大容量のネットワークで、そのデモを見た。8K画像のすばらしさ、これを無圧縮で送れるというネットワークの性能・・・いろいろ説明を受けたがただただすごいという印象だった。

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もう一つ、5Gについては、着々とサービス開始に向けて進んでいるという印象の一方、5Gを特徴づける3つの技術、高速大容量、多数同時接続、低遅延の内、標準化が済んでいるものは、高速大容量のみで、他の多数同時接続と低遅延は、標準化にまだ1年程度かかるのではないかとのことだった。

5Gのサービスの見通しについては、まず高速大容量は、現状、我々が使っているLTEサービスでその方向性は見えているような気がする。動画や高画質を前提としたサービスやアプリケーションがさらに増えるのではないか。多数同時接続と低遅延については、モバイルサービスで本格的に法人市場がターゲットになると期待される。特にローカル5Gの法人市場としての可能性は大きいものがあると考えられる。それを左右する多数同時接続と低遅延の標準化動向は気になるところだ。

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そのような中でドコモのマイネットワーク構想は興味をひかれた。携帯電話は、これまで3G、LTEとネットワークの高速大容量化とともに、あらゆるサービスやコンテンツを端末の中に取り込み、All in Oneの端末を志向してきたが、マイネットワーク構想は、その逆、One in Allの方向を示すものだった。

 

現状では、スマーフォンを中心にウェアラブル端末などを接続し、各種サービスを利用するように描かれていたが、これが進めば、スマートフォンは今の形である必要はなく、今後、どのように端末が変化していくのか、そこに5Gのマス市場のビジネスの商機が出てくるという匂いが立ち上っていた。

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最新技術に触れた後は、武蔵野通研に併設されているNTT技術史料館を見学してきた。こちらは、通信技術の歴史が端末、ネットワーク、交換機などのネットワーク要素ごとに展示され、過去を振り返りながら未来を構想できるようになっている。

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通信技術の開発史をここでじっくり見るのも、将来を考える際の刺激をもらうということで貴重な時間であった。

是非、一度、訪れてみることをお勧めします。

そして技術開発の歴史を振り返りながら世の中への普及を考えると、商用化された後、すぐに普及し、普通に使われるようになることはほぼなく、ある程度、イノベーターやアーリーアダプターに揉まれて、機器やサービスが洗練しかつ値段がこなれてきてやっと世の中に行き渡るということに気づく。

つまり5Gは2020年に商用化されるけど、それを世の中で普通に使い、5Gならではのサービスや機器が使われるようになるのはやはり5年程度は最低かかるだろうと。さらに、今回は多数同時接続と低遅延という2つの特長が加わるのでこれが普通に使われるのはさらに先になるかもしれない。

一方、オールフォトニクスネットワークは、10年後の商用化を目指すということだったので、実際、多くのユーザが利用したり、恩恵を受けるようになるのは15年後ぐらいかなと感じたのでした。

 

こちらも限界突破・・・限界突破WiFi・・・お安くモバイルインターネット

ネットとの距離が一段と近くなる今日この頃、その距離が11月からさらに近くなった。

 

Xモバイルさんの限界突破WiFiなるモバイルWi-Fiを使い始めた。中国製の安価なモバイルWi-Fiルーターを使っているもので、極限までハードなどのコストを削って料金の安さとサービス水準を維持しているのだと思う。

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こちらが公式HPになる。

lp.xmobile.ne.jpこれからは、走る方の限界突破の黄本に加えて、モバイルWi-Fiの限界突破WiFiにもお世話になることになる。限界突破を名乗る理由は複数あるが、それはHPをご覧いただければと思う。

 

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キャリアは、3キャリアを使い分けているそうだが、実態がどうなのかは確認方法しらないので分からないが、使用感はまったく問題ない。

これで、iPhoneとこのモバイルルーターの2台持ちになるわけだが、モバイルルーターiPhoneやパソコンが接続できる距離にあればいいので、ほとんど手にすることはなく、2台持ちのわずらわしさなどはない。

 

自分としては、容量無制限でモバイルインターネットが使えるということで、常に音楽かラジオを聴くようになった。Youtubeの動画もモバイルで見ている。何しろ、モバイルインターネットの容量を気にしなくていいので非常に便利だ。

これがあれば、ノマドワーカーで、いろいろなところでパソコンを開き、ネットで調べものをして、文章をまとめるという活動をもっと活発化させてもいいのではないかと思う。

より付加価値の高い仕事をするためにどのように使うか・・・これが今後の検討課題。

いいですよ!限界突破WiFi!!

 

note:これをどう使うか・・・自分にとっての結構大きな課題

noteというSNSがある。

 

ブログみたいなものだが、そこのアウトプット(コンテンツ)は文章から漫画からデジタル化できるものはあらゆるものが掲載されているといっていい(言い過ぎかw)。

note.com有名人から無名のそのあたりにいる市井の民、老若男女、硬軟合わせて、執筆者がいろいろなことを書いている(SNSはみんなそうなのだが・・・それでもこう書きたい理由は後段で読み取れると思う)。

ある文章は筆者の思いを、ほかでは身近な話題を、他の漫画では哲学的なことを描写して公開していたりする。当然、挑戦的な、挑発的なものもあり、くだらないコンテンツもある。

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ごちゃ混ぜなんだけど、それがそういうごちゃ混ぜがいいのか、いろいろ興味を引く記事、面白い記事、仕事に役立つ記事などが多く、結構読んだり見たりしている。はまるまではいっていないけど。

 

そしてこのnoteの一つの大きな特徴が自分のコンテンツに値段を付けられることだ。自分のコンテンツに自分で売値を付けられる。魅力的だ。

自分はいろいろなSNSを使っているけど、自分のコンテンツに値段を付けたことはない。そもそも自分の駄文に価値があるのか?と思うこともしばしば。でも、その記事を読んでくれる人はいるし、はてなブログではスターマークを押してくれる人もいる(少ないけどね)。読者も100ぐらいはいる(実働はどのくらいか不明だけど)。twitterだって、フォロワーは300人以上だ。

だれでもかんたん「売れるnote」のつくりかた

だれでもかんたん「売れるnote」のつくりかた

  • 作者:yoshie
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ株式会社
  • 発売日: 2018/08/31
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 

これまではアフィリエイトをするぐらいだった。年間で1回分の飲み代にもならないぐらいしか稼げていないがw

 

そこでこのnote。そういう自分のコンテンツに自分で値段を付けられる・・・今までの経験からして、値段・・・つけられないorz ひと様からお金をいただいて読んでもらうような姿勢で記事を書いているわけではなかったから。

そうすると値段付けないで記事を書けばよいではないかとなるが、それなら今のSNSで十分なのだ。すでに利用しているSNSとの差別化が、価格をつけるということになるのだが、価格をつける、つけられるコンテンツというのはどういうものなのか、自分の中で描けていない。

・・・ということで、アカウントは持っているけれど、いまだに記事を書けていないのでした。

どうしようか・・・と悩み中・・・誰か、ヒントください。

よろしくお願いしますm(_ _)m

 

新聞の宅配をやめた・・・電子版に一本化(今更かな?)

新聞が自宅に届く・・・ごく当たり前の朝夕の儀式みたいなものだった。小さい頃から新聞が居間にあるのは普通のこと。

 

その例外がある地域があると知ったのは北軽井沢でアルバイトをした時・・・僻地にあったため、夕刊は翌日配送されることになり、結果朝刊と一緒の配達。だから夕刊はなかった。配達店は委託され、そこに各家から取りに行くシステム。夕刊がない!?そのとき以外では学生の時に新聞は取らないという学生がいたのもビックリしたが大概の家は朝夕刊を宅配でとっていた。

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自分が東京に出て独立した時も、朝夕刊の新聞はとっていた。それは30年近くになる。数年前から電子版と紙媒体とセットで購入するようにし、それを今回、電子版に一本化した。

 

だいぶ前からだが、電子版の使い勝手がかなり良くなり、紙媒体をほとんど利用しなくなっていた。紙媒体をとり続けた理由は、中央区や地域のお知らせが入っていること、それと極々たまにチラシを見て、近所のスーパーの特売情報などをチェックするためだった。実質、ほとんど見ない日々が続いた。

小さい頃からの習慣で新聞を見るときは、まずテレビ番組表をチェックするのが常だった。親からは「新聞は一面から読むようにしないといけない」と何度も言われた記憶があるが、その習慣は直っていない。だからテレビ画面上で番組表が見られるようになったことで自然と紙媒体を手に取ることがなくなった・・・紙媒体の新聞を読まなくなった一因になっている。

 

電子版の便利なところは、

  • 持ち運びが便利
  • キーワード登録でおすすめ記事が配信される
  • 記事を保存しておくことができる
  • 紙媒体の紙面をチェックできる

というところだろうか。ここが改善されたらという点は、

  • 過去1ヶ月ほどしかアクセスできない紙媒体の画面

これが今後の分に関して過去に渡りチェックできるようにしてもらえれば完璧だと自分としては思う。

これからの新聞のあり方として、新しいやり方や情報提供方法があるかもしれない・・・否、それを進めていくと、新聞は新聞でなくなるかもしれない。

10年後どうなっているのか?

とりあえず我が家では電子版に一本化しました。これも巷のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一つと言えるのだろうか?w

 

リーアンダー・ケイニー著『ティム・クック:Appleをさらなる高みへと押し上げた天才』:ジョブズ後のAppleは何を目指したのか?

これからのAppleというか、これからのデジタル経済を、ビジネスを考えるために読んだ書籍・・・この本を含めて4冊*1

 

いやぁ〜、いろいろ教えられました。

とすれば、

ということになろうか。

ジョブズが亡くなってからすでに8年が過ぎ、その間、CEOとしてAppleを新たな高みに導いたティム・クック。その彼の幼少時代から学生時代とAppleに入社するまで、入社後、そしてCEOになってからを関係者へのインタビュー等を行って描き出している。

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ジョブズやジョニーに比べればやはり地味に見えてしまう。特に前半のアウトソーシングAppleの経営を大きく改善したところなんかは縁の下の力持ちって感じだ。派手さはないがなくてはならない役割を果たしたという言えるだろう。

 

そしてCEOになってからのティムは、非常に大きなことを着実に進めてきたと言える。その代表が、プライバシーに関する政府機関との向き合い方だし、顧客に対してその考え方を貫徹したところだろう。それともう一つが多様性についての取り組みだ。製品についてもApple Watchを出すなどこれまでのAppleの革新性を失うことなく展開している。

ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才

ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才

 

本書の中にも書いてあるが、ティムの時代になり、Appleはその革新性をジョブズという天才に代わり多様性で維持しようとしている。それは今後も強力に推し進められることだろうことが本書を読むと分かる。

それからプライバシーに関する考え方・・・これは非常に大切な取り組みだったのではないか。一つの例外を作るとそれは例外ではなくなるということで、iPhoneバックドアをつけることを徹底的に拒否したその考え、プライバシーのあり方・・・これは今後のデジタル経済が進展した情報が経済財になる時代においてその意味がより明確になるのではないか。

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本書は、序論と12の章からできている*2。各章は以下の通り。

  • 序論 うまくやってのける
  • 第1章 スティーブ・ジョブズの死
  • 第2章 アメリカの深南部で形作られた世界観
  • 第3章 ビッグブルーで業界を学ぶ
  • 第4章 倒産寸前の企業に加わる、一生に一度の機会
  • 第5章 アウトソーシングでアップルを救う
  • 第6章 ステーブ・ジョブズの後を引き継ぐ
  • 第7章 魅力的な新製品に自信を持つ
  • 第8章 より環境に優しいアップル
  • 第9章 クックは法と闘い、勝利する
  • 第10章 ロボットカーとアップルの未来
  • 第11章 アップル史上最高のCEO?

第2章までが導入、第3章から第5章がCEO前の貢献(アウトソーシング)、第6章から第7章がCEOの新製品の開発、そして第8章、9章、10章でCEO後のティムを象徴する3つの取り組みが紹介される。すなわち、環境、プライバシー、多様性。

ティム・クック?アップルをさらなる高みへと押し上げた天才

ティム・クック?アップルをさらなる高みへと押し上げた天才

 

 

本書を読んでいるとAppleというジョブズなしでは考えられなかった企業がティムというCEOによって、ジョブズ亡き後、いかにうまく経営されているかが垣間見える。そしてそれが非常に上手く回っているように見える。ジョブズが作った荒削りの企業、新しい製品・サービスを世に送り出すのに精一杯であった企業をさらなる高みに押し上げつつある・・・これまでは少なくとも上手く行っているようだ。 

Tim Cook: The Genius Who Took Apple to the Next Level (English Edition)

Tim Cook: The Genius Who Took Apple to the Next Level (English Edition)

 

ティムがCEOになってからしばらくは、「Appleは大丈夫なのか?」という視点で見られることが多かったが、本書を読むと、「これからのAppleの取り組みはデジタル社会、デジタル経済を切り開く尖兵として、新製品やサービスを出すだろう」と思える。そのような見方に変わっている自分を見つける。

この本を購入する前に、ジョニー・アイブが退社するという報道があった。これはAppleが次に一歩を踏み出したことを暗示するものなのか・・・どうなのか。

これからのAppleがティムを中心にどのように成長していくのか注目される。

編集者、出版社の方へのお願い

予算の都合とか、本の厚さとかいろいろあるとは思うが、脚注を省略するのはやめてほしい。一応、HPにpdfファイルで公開しているけど、あれでは見辛いし、一冊の作品として見た時、なぜわざわざその作品を壊すようなことをするのか・・・と思わずにはいられない。本を読むものとして悲しい処置だったと思う。

今年15冊目読了。

 

*1:ジョブズの本は上下2巻なので、各々カウントすれば5冊。

mnoguti.hatenablog.com

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*2:本書を読んでいて、たまに英語の構文が頭に浮かぶことがあった。数カ所だけど・・・もう少し文章を日本語として洗練させて欲しかったなと思った。

新井紀子著『AIに負けない子供を育てる』:水は易きに流れる・・・人はもっと易きに流れる(長文)

前著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の中で明らかにされた現代人の読解力の低下。教科書が読めないのは子供だけではなく大人も同じだということ。東ロボのプロジェクトを通しそれに気づかされた著者。

 

本書はその続編にあたるものだ。著者が中心となって、このままでは読解力の低下を解消することは難しく、まずは読解力を自ら確認できるリーディングスキルテスト(RST)の開発(本書にはその簡易版の掲載されている)について特色と利用方法も含めて解説している。さらにその実施から得られた解答を分析し、読解力の構造を明らかにし、教科書の読めなさ加減を6つの項目で定量的に把握し、分析。

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本書の構成は以下のとおり。

  • はじめに
  • 第1章 AIの限界と「教科書が読めない子どもたち」
  • 第2章 「読める」とはなんだろう
  • 第3章 リーディングスキルテスト、体験!
  • 第4章 リーデイングスキルテストの構成
  • 第5章 タイプ別分析
  • 第6章 リーディングスキルテストでわかること
  • 第7章 リーディングスキルは上げられるのか?
  • 第8章 読解力を培う授業を提案する
  • 第9章 意味がわかって読む子供を育てるために
  • 第10章 大人の読解力は上がらないのか?
  • おわりに

 

「読む」ということは、「意味を理解する」とは、どういうことかについて、読者が簡易版RSTを実際に体験してみて、下記6点について採点した結果をみることにより理解できるようにしてある。

  1. 係り受け解析*1
  2. 照応解決*2
  3. 同義文判定*3
  4. 推論*4
  5. イメージ同定*5
  6. 具体例同定(辞書・理数)*6

この6つのスキルを持っていないと教科書を正確に読み、理解することはできない。自分でも試してみたが、具体例同定がほぼ全滅だった。一応、研究者を自称している自分にとってこの結果は致命的なものだ。

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本書にはこの6つのスキルのあり方をいくつか類型化している。

  • 前高後低型:理数系が苦手
  • 全分野そこそこ型:自力でもっと伸ばせる
  • 全低型:中学生平均レベル
  • 前低後高型:知識で解いてしまう
  • すべて10点満点型:読解力ばっちり

当然、自分としては「すべて10点満点型」に近いものになるだろうと思っていたが、採点してみると、見事に前高後低型だった。考えることを避け、安易な方法に流れたツケが今の自分ということだ(水は易きに流れる)。

 

勉強をどのようにしてきたかということを思い出し見ると、小学校高学年の頃、蛍光ペンが流行り出し、それを使って教科書の重要と思えるところをマークしまくり、テスト勉強はその部分を丸暗記するやり方だった。それは中学になっても、高校になっても基本は同じ(おまけに高校はあまり勉強しなかった)。

丸暗記でテストに臨むという姿勢。テストも文章を読ませて考えさせ、解答を簡潔に記述させるものもあったが、多くは穴埋め式だった。僕らの1年前から共通一次試験がマークシート方式で実施されている。知識偏重、思考力軽視だった勉強の仕方。それで済んでしまう穴埋め式、マークシート方式の試験。後悔してもすでに遅い。 

AIに負けない子どもを育てる

AIに負けない子どもを育てる

 

こんな勉強の仕方だったので、理数系の科目、理科(物理・化学)、数学は高校生の時にはすっかり苦手科目、嫌いな科目になっていた。おそらく社会(政経、公民、地理、歴史)も論述型の試験が主流だったら不得意科目になっていただろう。その時自分は文系に進んだのだろうか・・・。

 

今でも覚えているのは、多分、高校の世界史の先生だったと思うが、最初の中間テストが暗記で答えられるテストだったのだが、その先生がその答案用紙を返すとき、「テストは問いに対する考えを論述で答えるものなので、今回のような穴埋め式テストでいい点とってもあまり意味ないよ」ということを言われた覚えがある。あの時先生の言われた言葉が今になって後悔と共に思い出される。気づくのが遅すぎる。

読書についてどうだったかというと、精読するというよりは速読することで短時間で読めることがいいと思い、そうしていた。精読は苦手だった。だから読後感を人に話す時もかなり大雑把な、不正確な内容の紹介をしたし、理解が浅いので自分で考えたことをうまく伝えられないという認識もあった。

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読解力を培うという点で自分のやってきたことはすべての点で真逆であった。そして今現在、抽象レベルの高い議論や新しく定義が出てきた時の理解と応用、それを使って議論することが苦手な自分がいる。それはまさしく具体例同定が弱いことを表すもので、今回の簡易版での体験は日頃薄々感じていた自分の文章を読む上での弱点を見事に明らかにしてくれた。 

AIに負けない子どもを育てる
 

本書の中には、読解力が低い大人も諦めることはないと、見事に読解力を鍛え直した例も出ている。自分も問題点が明らかになった今、それを意識しながら日々本を読み、文章を書けば徐々に読解力、特に具体例同定が改善してくるのではないかと思う。そこは楽観的に考えたい。

さて、本書を読み進めることで、自らの読解力を認識すると、その流れの中で、国語教育についても考えさせられる。著者は、国語教育についてもその改善すべき方向を示し、授業例も示し、具体的に今後について述べている。著者が取り組む教育改革はこれから本格化し、本書が多くの人に読まれることによって、その輪は広がっていくだろう。

 

本書は単なる啓蒙書ではなく、日本の国力の基礎の基礎となる読解力の改善が喫緊の課題であることをRSTの結果で具体的に示した問題提起の書だ。

政府も手をこまねいているわけではなく、人材育成をどうすべきか日々議論が行われている。

www.mext.go.jp

最後に日本の情報通信産業は今、部材では世界有数のメーカーがいる一方、スマートフォンなどの完成品では多くの企業が撤退し、勢いがなくなっている。この現実について、もしかしたらこの読解力の話がつながっているのではないかと思い始めている。それについては別途書いてみたい。

今年14冊目読了。

*1:文の基本構造(主語・述語・目的語など)を把握する力。

*2:指示代名詞が指すものや、省略された主語や目的語を把握する力。

*3:2文の意味が同一であるかどうかを正しく判定する力。

*4:小学6年生までに学校で習う基本的知識と日常生活から得られる常識を動員して文の意味を理解する力。

*5:文章を図やグラフと比べて、内容が一致しているかどうかを認識する能力。

*6:言葉の定義を読んでそれと合致する具体例を認識する能力。

【霞ヶ関合同庁舎2号館】ドトールコーヒーショップ霞ヶ関第2号館店:久しぶりのノマドワーカーで束の間のコーヒーを

ここは総務省1Fの喫茶コーナー・・・正面入口から入ると奥の方にある。DOUTORコーヒーが入っている。某省まで御用聞きに来た帰り、急いでお昼を食べて出てきたので、ちょっとここで一息ついたところだ。

 

いつのまにかWiFiが使えるようになっている・・・これは便利。結構速くて、快適に使える。情報通信を所管する官庁が入るビルだからね、このくらいの快適さは当然というところだろう。

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飲むのは普通のブレンドコーヒーのM・・・これで結構美味しい。量も多からず少なからずでちょうどいい。テイクアウトにすれば消費税8%だったのだろうが、店内召し上がりにしたので10%。庶民としては少しでも安いほうがいいけれど、税金だからね。税金はちゃんと納めましょうという意識を醸成しないといけないと思うのだが、ゴネ得という感じがしないでもない・・・消費税の軽減税率。

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こういうちょっとした隙間の時間は、ぼーっとしていながら色々なことを考えて思いついたりする。そういう点では貴重な時間だ。

 

例えば、やさしい日本語、日本語をだれにでもわかりやすく表現するというのは、日頃使っているわれわれには結構難しいことではないのかとか。あるいは「AIに負けない子供を育てる」に書いてあることは、日本の経済社会のこれからに対してかなり怖いことが書いてあるのではないか。

今回のノーベル化学賞受賞はよろこばしいことだが、受賞者が育った教育環境と今の教育環境・・・比較してみたら、基礎的読解力についてはどちらがより鍛えられるのか・・・それを考えるとマークシート世代はノーベル賞級の研究成果を出す人材がどれだけでてくるのかとか。

 

そして半導体で一時は世界を制覇した産業、ウォークマンで世界中を驚かせたような消費財、最終製品を出したデジタル産業から、もう一度そのような製品/サービスを世に送り出すのはマークシート世代以降はできるわけがなかったと妙に納得したりとか。

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一杯のコーヒーで多くのことを妄想する自分がいたりする。喫茶店でノートパソコンやiPadを叩きながら、さらに妄想を膨らませていく・・・ノマドワーカーになることは自分自身の思考をリフレッシュするためには非常に役に立つ。仕事と仕事の隙間を埋められるこういう立地のお店は貴重だ。

美味しいコーヒーで妄想を楽しもう!

ごちそうさまでした。

 

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