スティーブ・ジョブズの本を読んでいる最中にこの本の存在を知った。当然、ジョブズの本を読んだ後、次に読む本はこの本と決めていた*1。
アイブのこの本を読んでいる最中に当の本人がアップルを辞めるというニュースに接した。なぜなのだろう?と思った訳だが、本書を読んでいると、アップルという会社、アイブのアップルでの立場、物作りにおけるデザインの役割を考えた時、辞めるというのはそんなに不自然でないなと思ったのは自分だけだろうか。
ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー
- 作者: リーアンダーケイニ―
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2015/01/09
- メディア: Kindle版
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いろいろ考えながら読まされた本である訳だが、章立ては以下の通り。
- 日本語版序文
- 主な登場人物*2
- まえがき
- 第1章 生い立ち
- 第2章 イギリスのデザイン教育
- 第3章 ロンドンでの生活
- 第4章 アップル入社
- 第5章 ヒット連発
- 第7章 鉄のカーテンの向こう側
- 第8章 iPod
- 第9章 製造・素材・そのほかのこと
- 第10章 iPhone
- 第11章 iPad
- 第12章 ユニボディ
- 第13章 サー・ジョニー
- 謝辞
- 守秘義務と情報源
- 注記
読み終えてしまうとあっという間、興味深いという意味で非常に面白い内容だった。
ジョブズの本を読んだ後だけに、頭の中で比べながら読むところもあり、ジョブズもアイブも父親の存在が大きかったのかと思ったり、環境ってやっぱり大事よねと思ったり、デザインに対する考え方、捉え方で二人は通じ合うものがあった訳だけれど、奇跡のような取り合わせだと思ったりといろいろある。
Jony Ive: The Genius Behind Apple's Greatest Products (English Edition)
- 作者: Leander Kahney
- 出版社/メーカー: Portfolio
- 発売日: 2013/11/14
- メディア: Kindle版
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この本は、アイブについて書かれているが、アイブの考え方を通して、デザインというものの大切さが描かれているとも言えないだろうか。デザインから考える・・・まずデザインがあり、それを可能にする内部機器のあり方が決まる。そしてそのデザインそのものは、ユーザが意識しないようにすることが究極の目的だとして描かれている。
ひたすらシンプルさを追求し、追求することで、そこから出てくる様々な課題をあるものはクリアし、あるものは諦め次善の策をとる。それは妥協のない取り組みの繰り返しだった。
そういう努力の賜物がアップルの製品だ。同業他社が作る製品とは使い勝手が全く違うと感じさせるのも、デザインという視点で、表面だけでなく、内部までこだわり、また製品を作る思想についても「シンプル」を貫徹して突き詰めるというその姿勢・・・ただただすごいと思った。
この本を読むとますますアップル製品を使いたくなってしまうと同時に、アイブが外に出た後のアップルがどうなっていくのかも見守っていきたいと思うのでした。
今年11冊目読了しました。
*2:この種の本で主な登場人物が乗せられているのは珍しいと思うのは自分だけ?