日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

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ジェームズ・W・ヤング著『アイデアのつくり方』:読めば分かるが、実践するのは難しい

※本ブログおよび掲載記事は、GoogleAmazon楽天市場アフィリエイト広告を利用しています。

この本を知ったのはとある大学の先生がつぶやいていたのを見かけたことがきっかけだった。何しろ薄かったので簡単に読めそうだったのが良かった。実際に簡単に読めたかというとどうだろうか。

60 pages of text, less than 90 pages thin including commentary

本文60ページ、解説含めても90ページ弱の薄さ

本文60ページは読むだけなら60分かからないで読み終えてしまうだろう。しかし、この本はサッと読むのではなく、じっくり考えながら噛み締めながら読みたい内容だ。書いてあることは、社会人なら多くの人が経験していることで新しい発想を得て、それをものにするための方法論をアイデアをキーワードに著者の経験に基づいてまとめてあるものだ。だから「あぁ、そういうの他の本でも読んだ」とか、「すでに知っていることだな」で終わってしまうこともできる。でもそれではもったいないのがこの本だ。それはこの薄さにある。

本文60ページだが、内容は厚い。短い文章で書いてあることは考えることの大切さを気づかせてくれるものだ。だからじっくり考えながら読みたい。そういう本だと思う。内容は以下の通りだ。自分の場合、竹内均氏による解説を読んだ方がすんなり頭に入ってきたりした。

  • 序ーウィリアム・バーンバック
  • 日本の読者のみなさんに
  • まえがき
  • この考察をはじめたいきさつ
  • 経験による公式
  • パレートの学説
  • 心を訓練すること
  • 既存の要素を組み合わせること
  • イデアは新しい組み合わせである
  • 心の消化過程
  • つねにそれを考えているきおと
  • 最後の段階
  • 二、三の追記
  • 解説ー竹内均
  • 訳者あとがき

解説を読んでから再度本文を読み返し、自分の思考過程は今までどうだったのかを振り返ってみるのがいいのではないかろうか。おそらく多くの人は知っている内容だろうが、実践できていたかというと、全てをこなせていないのではないか。5つの過程*1が示されているが、特に真ん中から後ろ・・・考えを無意識の中で熟成させる過程については気づいていない人が結構いるのではないかと思う。煮詰まってどうしようもなくなった後に新しい発想はふと訪れることがある・・・というあの過程だ。そしてそれを実際に使いこなすには実際に合わせて調整する必要があることが最後の過程として指摘されている。

新しいアイデアを得るためには、日頃の情報収集と整理、その理解の後が大切だということをこの本は改めて気づかせてくれる。この過程をわかって日頃の情報収集や整理を行うのとこの過程を意識せず行うのとでは結果は全く違うものになる可能性が高い。

考えに行き詰まったときにぱらぱらっとめくって読み返し、自分を冷静にするために本書は常に机の片隅に置いておきたい1冊だと思う。

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*1:5つの過程は、以下の通り。竹内均氏の解説での言い方であげておく。括弧内は本文での言い方。

  • データを集め(資料集め)
  • データを咀嚼し(資料に手を加える)
  • データを組み合わせ(孵化段階)
  • ユーレカの瞬間(アイデアの実際上の誕生)
  • イデアのチェック(具体化し、展開させる段階)

ジミー・ソニ著『創始者たちーイーロン・マスク、ピーター・ティール、世界一のリスクテイカーたちの薄氷の伝説ー』:分厚いが、あっという間の出来事だったペイパルの立ち上げ

訳者あとがきまで入れると653ページ・・・1冊の本としては最近はあまりない厚さだ。出典一覧が別にネットで公開されいてるのでいろいろ考え、工夫した結果がこの1冊での出版になったと想像される。

確かに600ページを超える内容だが、書かれている期間は、98年から02年までの4年間に過ぎない。本書に登場する人物は、その間にX.comとコンフィニティという会社を立ち上げ、さらにペイパルが生まれ、さらにさらにイーベイとの死闘などを経て、独立していく。まさにスタートアップとはこうやって成り上がっていくのだというストーリーだ。その数年間を一気に読んでもらいたいと考えたら、出版する側にいたら多少は厚くなっても1冊で出したいと思うだろう。

There's a reason it's one thick, heavy book.

厚くても重くても1冊にしたのには訳がある

何しろスピード感を持って読んでもらうことで、ペイパルやそれを作ったマスクやピーター、レヴチンらの目的に向かう必死さやそれを実現するための苦労を追体験でき、彼らと行動をともにしたその他のペイパルを支えた若い技術者たちの思いを理解できるということになるのではないか。

彼らは、あの短い期間に受け身で働かされていたわけではなく、自ら進んで激務をこなしていた。それはペイパルという一つの企業、スタートアップを成功させるためであり、そのためには激務も激務と思わなかったのではないか*1。そしてそこでの経験が後に彼らの財産となっていく。

終盤、創始者たちそれぞれは、イーベイとの競争に疑問を持つようになる。ペイパルというスタートアップで新しいビジネスを立ち上げようとして戦っていた時と、その内容が変質してきたことに気づく。そこが潮時だった。ペイパルはIPOを成功させ、イーベイに売却することになる。その後は、創始者とその仲間たちは自分らの道を歩むことになる。合併後のPayPalに残ったものもいるし、新しくビジネスを立ち上げたものもいる。ペイパルを去ったメンバーが立ち上げたスタートアップは、例えば、アファーム、リンクトイン、ユーチューブ、イェルプ、ヤマ─、キヴァがある。DXの申し子のような企業群を形作りつつあるように見える。

目次は以下の通り。

  • INTRODUCTION シリコンバレーの謎
  • 第1部 大胆不敵
  • Chapter 1 ウクライナの天才ーマックス・レヴチン西に向かう
  • Chapter 2 ビリオネア朝食クラブーピーター・ティールという男
  • Chapter 3 「正しい問い」は何か?ーイーロン・マスクの模索
  • Chapter 4 ネット上で最もクールなURLーX.com誕生
  • Chapter 5 ビーマーズーコンフィニティ、活路を見出す
  • Chapter 6 終わりだーユニバーシティ・アベニュー394番地にて
  • Chapter 7 鬼気迫るイーロンー空想を実現にする方法
  • 第2部 孤立無援
  • Chapter 8 「破産まっしぐら」の名案ーカネをもらうより配ってしまえ
  • Chapter 9  シリコンバレーの世紀の激戦ーX.comとコンフィニティ、ぶつかる
  • Chapter 10 狂気のクラッシュー捨てるより早くカネが消えていく
  • Chapter 11 ナットハウスのクーデターー新CEOビル・ハリスの苦難
  • Chapter 12 1億ドルの賭けー有料化の危険なミッション
  • Chapter 13 地獄のように働こうー波乱の「ペイパル2.0」プロジェクト
  • Chapter 14 ハネムーンを狙えーイーロン・マスク追放
  • 第3部 強行突破
  • Chapter 15 不正者イゴール、現るーペイパルは数人の不正で倒産する
  • Chapter 16 強制アップグレードー猛抗議に耐えきれるか?
  • Chapter 17 ハッカーたちとのおかしな関係ーオタクのスパイ大作戦
  • Chapter 18 巨人との死闘ーイーベイと果てしなく殴り合う
  • Chapter 19 世界制覇ー制服は戦略的に
  • Chapter 20 すべてを吹き飛ばすテロー逆風の中の「逆張り思考」
  • Chapter 21 5時まで粘れーIPOか強制終了か
  • Chapter 22 Tシャツ戦争ー「最後の戦い」の勝者は?
  • 終 章 ペイパルディアスポラーペイパルとは何だったのか?
  • EPILOGUE ペイパルマフィアの余波

本書にはその激闘の様子が23章にわたって書かれている。自分にとって、イーベイはAmazonが出てくる前にEコマースで成長してきたベンチャーとの認識だったが、それは少々ずれていたみたいだ。そしてペイパル・・・自分が最初使った時はカード決済や現金払い、銀行振込で不便を感じていなかったので、なんでわざわざこのようなサービスを使うのか分からなかったし、新たな手間として面倒くさいと思いながら使った記憶がある。当時の自分には、ペイパルが受け入れられるニーズがあったことがわからなかったのだ。そのペイパルが激しい競争の末、成長し、その時の社員たちが後の多くのスタートアップを立ち上げていたとは想像だにしなかった。

本書を読んでいると、自分が何をやりたいのか・・・目標の大切さ、それを実現するために何をしたらいいか緻密に考え、それを続ける継続性、機会を見つけたらそれを離さず、ものにしていく粘り強さ、そしてある時は一か八かのリスクを取る度胸、そしてそれらの苦労を共にしてくれる優秀な仲間、これらのどれが抜けてもペイパルはうまく行かなかったのではないか。読んでいて面白いし、色々考えさせてくれる物語だ。

600ページを超える大部であるが、一度読み始めると一気に読んでしまいたいと思うだろう。だからまだ読んでいない人は、数ヶ月後の年末年始の休みの際に読まれると良いのではなかろうか。新たな勢いをもらって新年を迎えられると思う。

創始者の一人である、ピーター・ティールの著作。

最近世界同時出版されたイーロン・マスクの伝記。これも分厚いが上下巻に分かれている。

これから年末年始に向け、読みたい本が目白押しだ。

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*1:バブル崩壊後の日本経済に決定的に欠けている点ではないかと思う。だからイノベーティブな企業が出ても、それが大きく成長することは限られてくる。世の中、楽して金儲けができるほど甘くはないということだ・・・FIRE!

退職して3ヶ月経過した・・・やはり未来を考え、迷うことなくそれに進むことだと思う

退職後3ヶ月が過ぎた。退職後というより、最近は無職になって3ヶ月という感覚だ。やはり毎月決まった収入がないというのが目に見えないプレッシャーになっていると思う。その繋ぎのために雇用保険をもらっているわけだが、これとてあと数ヶ月すればもらえなくなる。

Recent Secret Base

最近の秘密基地

次をどうするか・・・やりたいことをやる、それしかないだろうと改めて思っている。最近はそうするんだと腹を括れと自分に言い聞かせる毎日。以前、こんなことを書いている。

次の仕事をどうするか。これがまたなかなか難しい。ハローワークに行って相談することはできるが、自分が何をしたいのかをはっきりさせておかないといけない。シンプルに今までの仕事の延長線上で考えると、調査研究ということになり、公募書類は某官庁のシンクタンクだったりして、恐れ多いとなる。この辺りが一番のネックかと思う。

mnoguti.hatenablog.com

実際、中途半端にしてきた学術の世界に対し、自分なりにけじめをつけたいという気持ちが強い。これを実行するには、ペイパルを立ち上げたイーロン・マスクを見習えとは言わないが、寝る間も惜しんでやるぐらいの気構えが欲しい。そして自分のやりたいことやるんだろう、誰からも指示されないんだから自由にやればいいじゃないかとも思う。一方、それでは食っていけないのではないかと・・・どこか揺れてる。

mnoguti.hatenablog.com

食べていくために何ができるか。以前紹介した大杉氏の著書に、「希少性」で食べていく「藤原和博メソッド」について書かれていて、3つの専門性を重ねた時の希少性で食べていくとある。それに自分を当てはめると、分野としての情報通信、観察・分析手法としての実証分析がまず挙げられるが、どちらも学術の世界に対するのと同様、中途半端だということを突きつけられる(実証分析は学術の世界ほぼそのままだ。そして今は猫も杓子も情報通信って感じだから競争は激しい・・・)。今はそれらをどうにかしようともがいているところだ。幸いなことに今は主に情報通信に関する資格は色々あり*1、それらを目標にできる。(SIになるつもりはないが)ここを地道にやって、少しずつ実績*2を作っていくことだろうと考えている。そして希少性については3つ目が必要なのだが、3つ目って何だろうと・・・まだ探している。

こうやって書いてくると、3つ目をどうするか、自分の希少性で飯を食えるのかという課題はあるが、ここを進むしかないだろうとなる。自分のやりたいことでもあるから。

話はガラッと変わって、もう一つ、走ることに力を入れるということも考えないではなかった。こっちはもっと金にならないw・・・少し前話題になったSTEPNというランニング等をすることで暗号資産を稼ぐことができるMove to Earnという分野のNFTゲームがあり、こういうのが実サービスとして定着してくれば走ることで稼ぐことが自分にも可能になるが、どうだろうか。*3

mnoguti.hatenablog.com

以前の記事で還暦後の走ることについても書いた。そしてMove to Earn系のサービスの可能性を考えれば*4、現状の走ることに没頭できていない状況はもったいないことだ。稼ぐ手立てとして考えるならば、是非没頭するように修正すべきだろう。将来稼げるようになるかもしれないことを励みにし、短期的には走ることで健康を維持できるし、気分転換にもなるし、日々の取り組みの効率も上がる・・・動機づけとしては十分だ。これで再度走ることが生活の一部になることを着実に実現する。すでにこれまで走っていた方が体重が減ること、血圧も下がることは経験しているのだから無理なことではない。走ることについては7月で建て直したい。

以上、あまり書くことがないということは変化がないというということで改めて焦っている・・・無職になって3ヶ月経った現状の報告でした。

今度の1ヶ月で何がどうなっているでしょうか。それではまた1ヶ月後にお会いしましょう。

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*1:ITパスポート、基本情報処理技術者、応用情報処理技術者、統計検定、データサイエンティスト検定、G検定、情報セキュリティマネジメント、D-LIfe、さらにできれば中小企業診断士とか。

*2:この実績をどこでどのように作っていくか・・・ここも考えないといけない。

*3:Move to Earnの一種と言えるか、自分が色々な交通手段で移動することでポイントを稼げるANA Pocketというアプリも出てきている。この場合、ポイントが貯まると抽選ができて、マイルなどに交換できる。提供するANAからすれば、利用者の行動履歴が全て手に入るわけで、航空サービスを中心としたサービス開発に役立てられるということだろう。

*4:ここは自分からもっとビジネスとして積極的に関わってもいいかもしれない。まずは、Move to Earn系のNFTゲームの現状を調べるところからやってみる。

大杉潤著『定年ひとり起業ーマネー編ー』:先立つものは金だ!引退後の可能性を実現するのも金だ!・・・だから自分を見つめ直すことが大切だ

さて、退職後3ヶ月目に突入している毎日、予定していたことをいつも積み残しながら日々喘いでいる。1ヶ月ほど前に、『定年ひとり起業』という本を読んだ。この本を読むと自分もひとり起業を実現してみたいと思うが、読んだ後、じっくり考えると、誰にでも機会はあるがそんなに簡単なことではないことがじんわり分かってくる。再就職するにしても、ひとり起業するにしても、どう収入を確保していくかが一番のポイントとなる。

mnoguti.hatenablog.com

そこで次に読んだのが、同じ著者、大杉氏の次の本だ。先立つもの(生活資金)をどう確保するのか、定年後の人生をどう生きていくか、理想の生き方(衣食住)があっても、それを実現する先立つものがなければダメだし、先立つものがあっても生き方を考えていないと宝の持ち腐れ?になってしまう。先立つものと自分の生き方の交差点がどこにあるのか、それを考えることが大切だ。そこで前回の内容を忘れないうちに先立つものについて書いてある「マネー編」を読んでみた。

「マネー編」は、以下のとおり、「はじめに」と「おわりに」と5章からなる。

  • はじめに
    • 「定年再雇用」vs「定年ひとり起業」
    • そもそも老後の収入はどのくらい足りないのか?
    • 老後マネープランは「WPP」と「トリプルキャリア」
  • 第1章 月5万円をずっと稼ぎ続ける「理想の働き方」
    • 人生100年時代の長寿社会を先取りした先人たちに学ぶ
    • 「希少性」で食べていく「藤原和博メソッド」に再現性あり
    • 大杉潤が組み合わせた「三つの専門性」
    • コラム:3編:竹内氏、立花氏、船橋
  • 第2章 まずは年金を知ろう!
    • マネープランは「人生プラン」で三つのポイントがある
    • 「ジョブ型」雇用と「多様な働き方」で中高年は活躍できる
    • ねんきん定期便」と「ねんきんネット」が教えてくれる
    • どんなアドバイスより役に立つ日本年金機構の「窓口相談」
  • 第3章 銀行がすすめる投資商品がダメな理由
    • 銀行員がすすめるのは「手数料の高い」運用商品
    • おすすめは手数料の安い外貨建て「インデックス投信」
    • 「つみたてNISA」が優れた投資法になる理由
    • インデックス投信の王道は「米国株S&P500インデックス投信」
  • 第4章 老後ライフスタイルを決定づける「終の住処」
    • 大前研一氏が説く「人が変わる三つの方法」でライフスタイルを考える
    • 自宅での「看取り」が急増すると「終の住処」が重要になる
    • 大杉潤が目指す「終の住処」と」老後ライフスタイル
    • コラム:日下部氏
  • 第5章 老後資金の作り方年表と7原則
    • 老後資金の作り方
    • 「60歳から老後資金を作る」ための7原則
    • 「ライフステージごとの戦略」を考える
    • 老後資金で最も大切な「Work longer」と家計の収支
    • 生涯現役を目指すから「幸せ」で「健康」になる
  • おわりに

以上のような項建になっている。この中で最初の本を読んでいることを前提にすると大切なのは、自分の場合、2章と3章かと予測しながら読んだ。確かにそうであったが、読み終わってみると、自分にとっては、実は第5章の老後資金の作り方年表が一番大切だということが分かった。

Timeline of retirement fund building: learning new from the past is important.

老後資金の作り方年表:温故知新は大切だ

それはなぜか。60代になった自分にとって、それまでの人生(20代、30代、40代、50代)をどう生きてきたかを振り返っておく必要があることが分かったからだ。20代はまだ学生、30代が社会人になりたての10年間、40代は一番仕事が楽しかった10年間、50代は無為に過ごした10年間、この40年間を今振り返ることで、自分というものを考え直すことができる。また再就職にしろ、ひとり起業にしろ自分の専門性を検討することができるからだ。

老後資金の作り方年表を参考に自分はどうするのかを考える・・・これが軸になって、最初の本の内容(マネー編では第1章に要約されている。60歳以降の働き方、基本的な生き方をどうするか)を考え、このマネー編でマネープランを考えることになる。

そして具体的な各論に入る。まずは第2章の年金についてだ。「年金ネット」「ねんきん定期便」、日本年金機構の「相談窓口」という大切な情報源を利用することの大切さが分かる。そして年金を前提にしたマネープランをどうするかを具体的に考えるプロトタイプも示してくれている。ここでまずは誰でももらえる年金の受給をどうするかは一つのポイントだ。

年金について理解できたら次の第3章の投資法の検討だ。これはつみたてNISAを利用したインデックス投資が中心になるということで、具体的に銘柄名まで上げながら考え方を理解できるようになっている。つみたてNISAは2024年から新しい制度に移行する。23年に口座開設しておくと、自動的に新NISAにも口座ができ、両口座で限度額まで投資できることになる・・・が、実際、両口座の限度額まで使うのかは人それぞれだろう。新NISAからでもいいかもしれない。それよりはこれから10年、20年という投資期間を考えたとき、自分のライフプランはもちろんだが現在の世界情勢や環境問題などを考え検討することが大切だと本書を読みながら考えた。

第4章は、住む場所をどうするか。自分は、浜町に自宅が、北軽井沢に親が残した家が、そして徳島にも奥さんの自宅がある。その中でどこに住むか?最後の最後はやはり利便性を考えると浜町になるのではないかと考えている。北軽井沢は車の運転ができる限り利用することになるだろう。

そして最後の第5章で、大切な老後資金の作り方年表の話が出てくる。これは前に書いた通り、まず検討して、50代までを整理した後は、60代以降の部分については常に見直しながら更新していくことで、自分の事業計画書として機能することになる。

本書を読むと、60歳からでも老後資金を作ることは可能であることが分かる。ここが分かったことが一番大きい。そしてその具体的な方法がプロトタイプとして示されており、自分の状況に合わせて作り直していけばいいようになっている。

もうすぐ退職だけど何も考えてこなかった人がいたら、先立つもので慌てることはないことが分かるので、本書をまず読んでみるのがいいかもしれない。

大杉氏は3冊目を出している。「生き方編」だ。これは目次をざっとみたところ、これまでの著者の読書歴を存分に活かした内容になっているようだ。

こちらは少し時間をあけて読んでみたいと思う。

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CIAJ創立75周年記念パーティー・・・久しぶりの開催で参加者の熱気が伝わってきた

新型コロナ前は、例年、年次総会後の懇親会が行われていた。今回は、新型コロナが落ち着き、4年ぶりの開催となったが、それが75周年と重なり、単なる懇親会ではなく、設立75周年記念パーティーとして開催された。

Supporting domestic and international networks from the hardware side

国内外のネットワークをハード面から支えてきた

場所は、日本橋蛎殻町のロイヤルパーク。3階の大広間ロイヤルホールで行われた。過去の懇親会も参加し雰囲気は知っていたが、今回は多くの人が久しぶりのパーティーに集い、会場はいつにも増して熱気に包まれているように感じた(これからリスタートだ!って感じ)。来賓も大勢来られ、総務省経済産業省の両副大臣のスピーチなどが淡々と進む。

Dr. Morikawa giving a greeting

挨拶をする森川先生

パーティー前の総会で、会長の選出が行われ、昨年度に引き続き、東大教授の森川先生にお願いすることになった旨が会場に知らされ、会長としての森川先生の挨拶があった。森川先生が会長であるということで、アカデミアとの関係ももっと密になっていいのではないかと考えるのは自然だろう。実際、昨年度すでに新しい試みとして、若手による「未来をつくるネットワークを考える会」も立ち上げられているとのことなので、今後はさらに中堅若手の社員と中高大の学生との垣根を超えた産学交流(個別企業のインターン制度のではなく、CIAJが行う拡張版というイメージか)があってもいいのではないか。以前、CEATECに中高生を呼ぼうという記事を書いたことがあったが、それをさらに進めて、現役の開発者と中高大の若い人たちとの交流があったらいいなと思った。

mnoguti.hatenablog.com

今の情報通信産業は、ネットワークからコンテンツまでできることはいろいろありそうなことは誰でも感じるところだろう。だから多様な人の発想が必要で、発想の多様性やその量的な厚さはやはり関係者が多い方がいいのと、これまでの経験がない新鮮な感性を持った人がポイントではないかと思う。だから若い人たちややる気のある人、興味、関心のある人に少しでも関係してもらえるといいのではないか。森川先生が会長をやられている間に、発想を醸成し、実現の糸口を見つけられるようなプラットフォーム機能という役割を果たし、それを存在意義とするというのも面白いのではないか*1

電電公社と共に国内外のネットワークの構築に貢献してきたCIAJは環境変化の中で、産官学のステークホルダーに対し新たな役割を果たしていくための第一歩が今回の75周年記念パーティーなのだろうと、そしてこの集まってくれた会員企業等に対し、何を持って貢献すべきなのか。繰り返しになるが、色々な人、特にやる気のあるいろいろな考えを持った人たちが、学生から企業人まで集って自分たちの考えをぶつけ合い、将来のネットワークを構想する場所が提供できると面白いのではないか。技術的な困難はもちろん制度や慣習上の困難があったとしてもそれを乗り越えるパワーが生まれてくるような場ができると面白い。


www.youtube.com

その一つの機会を提供してくれるのが、NTTのIOWN構想だろう。これからサービス化が本格化し社会実装のフェーズに入る。新しい技術が出、それらの技術が融合し、新しいサービスや端末が出てくる時代、これまでにない発想が必要とされる。それにはいろいろな立場の人の交流が必要だろう。そうしたとき、CIAJの存在意義(今流に言うとパーパスということになろうか)はこれまで以上に重くなると思うのは私だけだろうか。

businessnetwork.jp

これからのCIAJの活動が国内のDX推進や世界へ向けてDXの先進国として再度浮上する際の鍵を握ることになる。

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*1:CIAJの会長メッセージにもそのようなことが書いてある。

www.ciaj.or.jp

退職して2ヶ月経過した・・・日々の生活はいいところもあり、迷うところもあり

早いものだ・・・3月いっぱいで退職してから2ヶ月が経とうとしている。その間、ハローワークに行ったり、健康保険の手続きしたり、証券口座の開設や、休眠口座の解約手続きをしたり・・・その他はプライベートでちょこちょこやることがあって、今日に至る(ちょこちょこやることはまだ終わっていない)。

感覚としては、もっと暇なのかなと思ったが、意外と忙しい。なぜかというと、今までできなかったことをやるようになったからなだけなのだけれど*1。それから孤独とは思わないが、普段はほとんど他人との会話は無くなった。まあ、新型コロナになってからのことを考えるとそこはあまり変わらないが・・・。

The secret base that I face every day... it's not unusual for me to sit there for several hours.

日々、自分が向き合う秘密基地・・・数時間座り続けるのはザラだw

プログラミングや計量経済学(経済学、統計学)をリスキリングし始めているが、これがかなり苦戦している。リスキリングではなく、ほぼ最初から学び直しって感じだ。プログラミングは当然そうなのだが、計量分析に関することも最後の10年はサボっていたということになろうか。さっさと進めればいいのに、これがなかなか進まない。

There are some slight rearrangements.

少し配置が変わったりしている

そして、リスキリングと関係するが、次の仕事をどうするか。これがまたなかなか難しい。ハローワークに行って相談することはできるが、自分が何をしたいのかをはっきりさせておかないといけない。シンプルに今までの仕事の延長線上で考えると、調査研究ということになり、公募書類は某官庁のシンクタンクだったりして、恐れ多いとなる。この辺りが一番のネックかと思う。

別の手段として、起業するということも考えられる。下記のようにひとり起業の可能性を解説してくれている書籍もあり、それを読むと可能性はあるようだが、自分の何を売りにするかという段になると(極端に言えば)何もない・・・やはりリスキリングというか、新たな学びが必要だとなる。

この本には、軌道に乗るまで3年ぐらいかかると著者の経験を元に書かれており、焦る必要はないようにも思えるが、著者には退職前から蓄積があり、それを活かしての起業なので、自分とはちょっと違うよなと考えたり。焦らず最初の目的に向かって日々やっていくことだと思うのだが、やはりどこかで焦る気持ちは消せない。

何が焦るって、家計簿を見ていて、インプットのフローが全くないのが怖い。30数年間、毎月決まって定額のインプットがあったことがこれほどありがたいことだったかと今更ながら思う。上記の書籍によれば、これからの生活は、年金を考慮すると、それほど多くの収入が必要なわけではないとのことなので焦らず目的に向かっていけばいいのだが、やはり焦る。焦ると手が止まる。漠然と考え事をしていることが多い。

こういう状況なので、自分の秘密基地に一日中座り続けてしまうこともままある。本当は適度に外出して散歩やランニング*2をすればいいのだろうが、ずーっと座り続けてしまうことが多い(昼食時は除く)。室内でも筋トレやストレッチをすればいいと思うが、忘れてしまっていることが多い。体を動かさないのは良くない。運動もそうだが、食事やその他の生活のいろいろな側面を見直し、行動を変えるいいチャンスなので気付いたら動くということはまめに実行したいところ。

外飲みの頻度は、新型コロナ以降、変わらないか、若干少なくなったかだが・・・ほぼ変わらないか。インプットのフローの問題があるので昔ほどお気楽に飲めないのは確かだ。けど飲みたい人とは飲めているし、行ってみたい居酒屋にもたまに出かけている。

以上、気付いたところを書き連ねると、退職後の状況はこんな感じになる。ここに書いていない点でいいところもたくさんあり、再雇用を選択しなかったことに後悔はない。今はただ焦らず進むということが大切なのだろうと思う。

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*1:自分の場合は圧倒的に活字を読む時間だ。仕事ではささっと読んで理解してって感じだったが、今は結構じっくり読んでいる。そうするとあっという間に時間が過ぎる。

*2:ランニングは、4月は午前中走るようにしてそれなりに走ったが、5月はそれを夕方から夜に走るように戻したが、最近はちょっと不調だ。

大杉潤著『定年ひとり起業』:機会を、時間を、行動を大切にしよう(長文)

この3月に定年退職した。何も考えてなかったわけではないし、やりたいことはあるが、具体的に次の一歩をどうするかは具体化できていなかった。それを今自分の中で考えている最中に出会った本だ。

第二の働く場をどう見つけるか・・・自分のやりたいことをやりたいという思い、これまでのノウハウ、スキル、そして人脈を活かすのはもちろんだが、すると自分には働く場として何があるのだろうか・・・いくつかの選択肢はある。大きくは、まずどこかの企業へ再就職、もう一つは自分で起業することだろう。自分の場合、再就職のうち多くの人が選択する再雇用は選択しなかった。そして職安に通って色々な選択肢を含め、検討しているというのが現状。

Starting a solo business after retirement is not a dream

定年ひとり起業は夢ではない

そんな時、大杉さんの著書「定年ひとり起業」がAmazonで目に留まった。自分で起業するのは恐れ多いという思いがあったが、これはこれで一つの可能性として知っていてもいいと思い読んでみた*1

章立ては以下の通り、7章立て、プラス、「はじめに」と「おわりに」に参考文献一覧が付く。ページ数は全部で300ページ弱だ。ちょっと長くなるが、目次を節まで載せておく。ここを読むだけで読んでみた方がいいのではないかと引き寄せられるのではないか。

  • 序章 70歳まで働く時代がやってきた
    • 70歳定年制で増える「新しい働き方」
    • 年金受給を75歳まで繰り下げる選択が可能になった意味
    • 50代は「定年後の新しい働き方」や生涯ライフプランを決める人生の最重要期
    • 定年のない「定年ひとり起業」という最強の選択肢
  • 第1章 「定年ひとり起業」とは?
    • 「定年ひとり起業」の定義
    • 「定年ひとり起業5原則」の深い意味
    • 「定年ひとり起業」に向いている仕事とは?
    • いつから「定年ひとり起業」の準備をするか?
  • 第2章 定年再雇用のワナ
    • 「70歳定年」に対する現役会社員の意識
    • 年金受給開始年齢は70歳、さらに75歳になる理由と時期
    • 70歳まで働く時代の選択肢は「再雇用」でいいのか
  • 第3章 「定年ひとり起業」のマネープラン〜老後資金不安がなくなる「年金戦略」とライフスタイル
    • マネープランは「人生プラン」
    • 老後マネープランのポイントは3つ
    • 大杉潤の年金戦略
    • 老後マネープランの革新は目指す「ライフスタイル」
    • 大杉潤の老後ライフスタイル
    • 大杉潤の「終の棲家」戦略
    • 「付き合う人」は仕事がベース
    • 家系のキャッシュフロー表とバランスシート(B/L)を作成
    • マネープランの仕上げは「資産運用」
  • 第4章 全公開!大杉潤「定年ひとり起業」への道
    • 「定年ひとり起業」というライフスタイル
    • 起業の成否を決める「ミッション」「ビジョン」「戦略」
    • 33年間続けた会社員から57歳で独立企業できた理由とは?
    • 独立企業のきっかけとなった3つの仕事
    • 起業の準備は2年間
    • 家族の大反対を乗り越える切り札になった「妻社長メソッド」
    • 起業が軌道に乗るのは3年目が多い
  • 第5章 「定年ひとり起業」ケーススタディ〜3人の企業ストーリーと成功の秘訣
    • 木村勝さん(60歳)〜大手自動車メーカーからの転身
    • 高橋和子さん(50代)〜専業主婦から片づけのプロへ
    • 高伊茂さん(71歳)〜「話力」を究めて終身現役
  • 第6章 「定年ひとり起業」という選択
    • 「70歳まで働く時代」の会社員にとってベストな選択とは?
    • 人生の勝負は後半にあり
    • 人生の幸福度を決める「思考法」と「習慣」
    • 仕事に対する思考法を決めるのは「自己決定感」
    • 習慣とは「行動の継続力」
    • 長く稼ぎ続けるための基盤は「健康」
  • 第7章 アフター・コロナは「幸福学」で働く〜なぜ長く働き続けると幸せになるのか?
    • 「定年ひとり起業」なら楽しく働ける
    • アフター・コロナ時代は、個人による情報発信を!
    • 働くから健康になる、健康寿命がのびる!

赤字は、気になったところ。最初の「定年ひとり起業」という書名にもなっているこの本の主題を表している言葉・・・これが現実にできるのか?出来たら面白いと思い手に取ったのだった。

2章と3章は、60歳以降の我々の状況を、働くという視点とマネーの視点から解説してくれる。その中では、「再雇用」が引っかかった。これはポジティブな意味ではない。現状の再雇用の中身を見ると、自分にとっても後に続く者にとっても組織にとってもよくないという自分の思いと、ここでの再雇用に潜むネガティブな側面を読むことにより、やはりこの選択肢は取らなくて良かったと思ったのだった。そして大切なマネープランの話。ここを読むことでひとり起業を実現するためのお金に対する考え方が分かるし、いろいろなやり方があることも同時に教えてくれる。自分の苦手な資産運用・・・やはりここはしっかり考えないといけないと改めて気づかせてくれる。お金の面での自分のやるべきことを把握できる。

4章、5章は実際の定年ひとり起業について、著者の大杉さんの実際とその他の例として3名の方のひとり起業が簡潔に述べられている。4章は「ミッション」「ビジョン」「戦略」を常に検討しながら、取り組むと3年後ぐらいに成果が出るのだと・・・本書はまずここから読んでもいいかもしれない。5章はそれの事例紹介だ。

そして6章は、これまでのまとめとも言える章で、実際に定年ひとり企業をする際の考え方が綴られている。勝負は人生の後半であるということ、思考法と習慣が大切ということ、そして健康。ひとり起業に対し、難しさを感じるかもしれないが、実はひとり起業であるが故にハードルはそれほど高くなく、チャレンジしてみるためのポイントが綴られている。

この『定年ひとり起業』は、著者の実体験に基づきながら、かつ、著者が銀行に勤めていたことからその面で信頼でき、ひとり起業についてわかりやすく解説してくれている。迷っている人はぜひ読むといろいろ気づきを与えてくれ、かつ、背中を押してくれるだろう。

自分は定年退職の年に本書を手に取ったが、本当に読んでもらいたい人は50歳前後の人たちだ。自分の場合、30歳代は社会に出て仕事を覚えた10年間、40歳は自分でいろいろ仕事を回せるようになった10年間、50歳は総仕上げと定年後を考える10年間として過ごすのが理想だったなと今振り返っている。実際は50歳でそういうことは全く考えなかったのが後悔だ。

50歳の時に仕事では総仕上げをしつつ、60歳以降の人生をどうするかを考えるのが理想ではないかと思う。50歳の皆さん、ぜひ本書をとって10年後どうするかを考えてほしい。

さて、定年ひとり起業の本は、これでは終わらない。3部作としてあと2冊出版されている。マネー編と生き方編だ。内容は確認していないが、マネー編は本書の第3章を、生き方編は6章、7章あたりをさらに詳しく述べた者ではないかと想像される。早々に読んでみたいと思う。

どちらも興味深い。

60歳は還暦で、一回りしてスタートラインに戻るとして、残りの人生をどう考えるか、具体的に示してくれているので、今、還暦の人も、まだまだ先と思っている50歳前後の人も読むといろいろ得るところがあると思う。おすすめ。

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*1:本音をいえば、まずは再就職するにしろ、最終目的は起業なのだ

一つの大きな仕事が終わった・・・程よい疲労感と達成感に包まれた夜

前半でもいくつかある山場の一つを超えた。他にもいくつかあるが、自分が主体的に関わっている中では最も重いプロジェクトだった。

今年で2回目だったが、どうしたら参加者みんなが満足してくれるかという点が最大のポイントだった。100点満点とはいかないかもしれないが、合格点には行ったか・・・というところ。多くの人の協力の上でのことなので、関わっている一人一人が個人個人の立場でベストを尽くし、その上での全体としての結果だった。まあ、SACというやつに近いかと。

Tokyo Tower at dusk

夕暮れの東京タワー

そして、最近のわれわれは疎遠になりがちなアカデミアの方々の交流の場を提供するという取り組みだったこともあり、彼らの議論の一端に触れることができたのはよかった。やはりシンクタンクの人間はこういう世界に身を置いて、切磋琢磨することも大切なんだということを改めて認識し、これからどうすべきか考えさせらた。一度、組織としてアカデミアから離れてしまうと、それを元に戻すには、個々人の意識改革から必要になるかも知れず、一長一短にはいかないだろう。それをどうするんだ?

Beautiful reflection in the windows of the building in the foreground.

手前のビルの窓にも映り込みが美しい

自分達に突きつけられた課題は、1つは、素人と専門家の違い*1を認めない組織になってしまっているところだ。その点を改善していくのは一長一短にはいかないだろう。2つ目は、一方、プロジェクトとして、今回の取り組みの来年に向けた反省と改善の方は着実に進めていけばいい。何しろ、この取り組みは、われわれがアカデミアの空気を吸う数少ない機会となっているので大切にしないといけない。

今回、いろいろな研究について自分も触れることができたのだが、中でもセキュリティについては考えさせられた。PPAP*2問題から見える技術の社会実装の難しさ、この場合は、安心ではなく、安全を追求しなければいけないのに、安心を追求するあまり、結果、安全が疎かになるという指摘・・・安心と安全は必ずしも両立しないという気づき・・・これからはこういうことに注意を払いながら技術の社会実装は考えなければいけないのだが、世の中はその辺りわかっていないという危機感。そこをどのように解決していくのかという新たな研究課題の提示・・・このような視点は、多面的な影響を与える技術の一側面であって他にもあるはずで、そういう点にアンテナ高く日頃の情報収集、整理、分析をしていくことの必要性を突きつけられた。そしてそれを分析するには、アカデミアの叡智を応用させてもらうのが必定だろう。

Tokyo Tower is the sexiest at this time of the day.

この時間の東京タワーのセクシーさはピカイチ

無事、イベントが終わり、ビルから出た時、夕暮れにライトアップされる東京タワーの鮮やかさは、その時の安堵感とともに忘れないものとなるだろう。

It was a year ago that I decided to try to climb the stairs this time. w

今度は階段を登ってみようと思ったのは1年前だったw

さて、来年はどのような交流の場を提供できるだろうか。楽しみだ。

参加していただいた研究者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございまいた。

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*1:それは、対立ではなく矛盾として存在し、お互いの立場によって逆転し、固定されたものではない点(beingとしての有り様の多様性)とそれがもたらす緊張感の大切さ。その先にWell-beingとしての解がある。

*2:「パスワード(Password)付きzip」「パスワード(Password)送信」「暗号(Angou)化」「プロトコル(Protocol)」の頭文字をとったもの

冨山和彦著「「不連続な変化の時代」を生き抜く リーダーの『挫折力』」:経験することの大切さとそこから何を学び取るか

仕事を進める上での判断をどうするか、自分で判断するか、周りに委ねるか・・・ここをどうするかでその後、その人の可能性は大きく変わる。その人の可能性が変わるということは、その組織の可能性も変わるということだ。自分は若い時にある人から、「どんなことでも自分で決めてきた」ということを教わった。上司に報告する時は、「どうしましょうか」ではなく、「こうする」と自分の考えを伝えたということだった。

The writing is plain and the content is simple, but there is plenty of food for thought scattered throughout.

文章は平易かつ内容もシンプルだが、考えるきっかけが散りばめられている

本書は、最終的に、どの立場にいてもトップという立ち位置を前提に行動することの大切さを述べており、そういう視点でいろいろな経験(挫折)をし、そこから学んでいくことが自分を成長させることになると言っている。挫折することに臆病になっては行けないということだ。

 

 

何でこの本を手に取ったか・・・自分の立ち位置を考えていたのかもしれないし、研究所としてのマネジメントのあり方を考えていたのかもしれない。多分、両方だったのだろう。読後感としては、自分の立ち位置をもう一度確かめ、その立ち位置で必要とされることを淡々とこなすということなんだなと当たり前の考えに至った。

本書は、6章立てで、他に「はじめに」と章ごとにあるコラムからなる全270ページの書籍だ。文章は平易で、書いてある内容もシンプル、早い人なら1日あれば読めてしまうだろう。

  • はじめに 厳しい時代を楽しく生き抜くリーダーになろう
  • 序章 「修羅場」の時代のリーダーシップ
  • 第1章 リーダーは「挫折力」を手に入れよ
  • 第2章 ストレス耐性を高め、失敗を笑い飛ばせ
  • 第3章 「人間関係の泥沼」を楽しみ、糧にする
  • 第4章 リーダーの仕事は「捨てる」ことである
  • 第5章 強力かつ危険な「権力」をリアルに使いこなす

ただし、淡々と読むだけではダメで、内容を自分なりに吟味し、自分の血肉にしないと役には立たない。そこをできるかできないかが大切なところだと思う・・・ということはそういう読み方、学び方ができる人が少ないということだ。

 

 

自分の仕事が今後10年でどうなるか、ほとんどの職業で見通しがつかない状況ではなかろうか。そんな時だからこそ、ならどういう仕事をしていたいのか、すべきなのか、それを実現するには今、何をすべきなのかを考えながら、行動していくことがポイントになる。それは、機会あるごとに見直されることになる。これまでであれば、PDCA、今はOODAを実践しながらということになる。

 

 

当然、新しい大海へ自らの見立てを信じて航海していくわけだから、失敗や挫折もいろいろ経験することになる。その度に悩んでいても始まらないから、その経験を前向きに捉えて自分の糧にして成長していくのだという著者のメッセージが詰まっていると思えばいい。

前半は、今がどういう時代か、そもそもリーダーとはどうあるべきかが著者自身の経験も含め、いろいろな例を挙げ説明してある。後半は、ストレスへの対処、人間関係への対処、判断のあり方についてどうすべきかが書かれている。

 

 

自分の今後をどうすべきか考えている人には一読する価値はあると思う。

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孤独感を緩和する映像の常時相互共有・・・相互に配信視聴するサービスはどうだろうか?

先日、下記の記事を書いたのだが、映像の相互共有で孤独感がかなり緩和されるということで、こういうサービス、誰かやらないかなとか、今でもできちゃうかなとか・・・ならば自分でやるかとか考えてみたり。

I wrote the following article the other day, about how mutual sharing of images can alleviate loneliness to a great extent, and I wondered if anyone would be willing to provide such a service, or if it would even be possible now... If so, I wondered if I could do it myself.

mnoguti.hatenablog.com

何がいいかというと、映像だと必ずしも会話なくてもいいことだ。音声のみだとそういうわけにはいかない。メールだと文字を書かないと意味がない。映像の場合は、本人が映ってなくても、相手がいる空間の映像が流れているだけで、相手の気配がしていればいいのだ。無料だから時間を気にしなくてもいいし・・・。

これに気づくのにしばらくかかったが、映像で繋がっていれば、本人が映ってなくてもいいし、しゃべっていなくてもいい・・・それで気が休まるのだから、逆に会話をするのが億劫に感じるようになる。今更音声だけのコミュニケーションには戻れない。

今、新型コロナ感染症で行動がままならない人が多くいると思う。それで孤独感に苛まれている人がいるようだけど、こうやって映像サービスを流しっぱなしで誰かと繋がっている状況を作るだけでかなり改善される・・・少なくとも自分は。

I think there are a lot of people who are unable to act on Covid-19 right now. It seems that some people are feeling lonely because of it, but it can be improved a lot just by leaving video services like this running and creating a situation where you are connected with someone...at least for me.

 

自分の場合、記事の通り、iPadでLINEのビデオ通話を利用してできるわけだが、これだとiPadのカメラを使うのが不便だ。要するに出力端末と入力カメラを分離できればいいということか・・・で、調べてみると、すでにペットや老人の見守りようのカメラはあるので、これを活用すれば出来そうと思うのだが、どうネットワークを作るか・・・が、イマイチわからん。

映像共有時代

空間の相互共有で映像をもっと使う

一番簡単なのは、自分の場合は、エミさんと自分でお互いカメラを居間に据え付けて、iPadにソフトをインストールすればできそうな気がする・・・でやってみるか・・・プライベート空間を映像で家族と常時相互共有する。結構救われる人いるんじゃないのかな・・・。すでにやっている人いるんじゃないか?

自動追跡機能はオフにしておいて、常に自分が映ることはないようにすれば、映像で伝わるのが気配やたまに移動することぐらいにしておけば、映像を送る側は監視されてる感もないだろうし、見る側は映ってないけど気配は感じるということでいいのではないかと思う。

 

meetingowl.jp

できることがわかればこういういいカメラ使ってやるってのもあるかと思う。それならということで、テレワーク、在宅勤務をやっているみんなで繋がって空間を共有すれば、孤独からくるストレスも緩和されるだろうし、生産性も上がるのではないか。 

棒茄子出たら、カメラ買ってチャレンジしてみるか・・・その前に秋葉原行って、カメラをみつつ、店員さんに質問してみるか・・・。

yonoi.com

動画配信サービスの同時視聴というのはあるみたいだけど、自分が考えているような自分の映像と相手の映像を同時に共有し、視聴し合うというサービスはないみたいだ。

 

誰と繋がるかとか、そもそも繋げる人がいないとか、当然、不適切な利用をする輩が出てくるとかあって、サービスとして第3者に提供するハードルは高いかもしれないが、個人的にできるならばやってもいいだろうと考えたり・・・ちょっと考えてみる。

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