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冨山和彦著「「不連続な変化の時代」を生き抜く リーダーの『挫折力』」:経験することの大切さとそこから何を学び取るか

仕事を進める上での判断をどうするか、自分で判断するか、周りに委ねるか・・・ここをどうするかでその後、その人の可能性は大きく変わる。その人の可能性が変わるということは、その組織の可能性も変わるということだ。自分は若い時にある人から、「どんなことでも自分で決めてきた」ということを教わった。上司に報告する時は、「どうしましょうか」ではなく、「こうする」と自分の考えを伝えたということだった。

The writing is plain and the content is simple, but there is plenty of food for thought scattered throughout.

文章は平易かつ内容もシンプルだが、考えるきっかけが散りばめられている

本書は、最終的に、どの立場にいてもトップという立ち位置を前提に行動することの大切さを述べており、そういう視点でいろいろな経験(挫折)をし、そこから学んでいくことが自分を成長させることになると言っている。挫折することに臆病になっては行けないということだ。

 

 

何でこの本を手に取ったか・・・自分の立ち位置を考えていたのかもしれないし、研究所としてのマネジメントのあり方を考えていたのかもしれない。多分、両方だったのだろう。読後感としては、自分の立ち位置をもう一度確かめ、その立ち位置で必要とされることを淡々とこなすということなんだなと当たり前の考えに至った。

本書は、6章立てで、他に「はじめに」と章ごとにあるコラムからなる全270ページの書籍だ。文章は平易で、書いてある内容もシンプル、早い人なら1日あれば読めてしまうだろう。

  • はじめに 厳しい時代を楽しく生き抜くリーダーになろう
  • 序章 「修羅場」の時代のリーダーシップ
  • 第1章 リーダーは「挫折力」を手に入れよ
  • 第2章 ストレス耐性を高め、失敗を笑い飛ばせ
  • 第3章 「人間関係の泥沼」を楽しみ、糧にする
  • 第4章 リーダーの仕事は「捨てる」ことである
  • 第5章 強力かつ危険な「権力」をリアルに使いこなす

ただし、淡々と読むだけではダメで、内容を自分なりに吟味し、自分の血肉にしないと役には立たない。そこをできるかできないかが大切なところだと思う・・・ということはそういう読み方、学び方ができる人が少ないということだ。

 

 

自分の仕事が今後10年でどうなるか、ほとんどの職業で見通しがつかない状況ではなかろうか。そんな時だからこそ、ならどういう仕事をしていたいのか、すべきなのか、それを実現するには今、何をすべきなのかを考えながら、行動していくことがポイントになる。それは、機会あるごとに見直されることになる。これまでであれば、PDCA、今はOODAを実践しながらということになる。

 

 

当然、新しい大海へ自らの見立てを信じて航海していくわけだから、失敗や挫折もいろいろ経験することになる。その度に悩んでいても始まらないから、その経験を前向きに捉えて自分の糧にして成長していくのだという著者のメッセージが詰まっていると思えばいい。

前半は、今がどういう時代か、そもそもリーダーとはどうあるべきかが著者自身の経験も含め、いろいろな例を挙げ説明してある。後半は、ストレスへの対処、人間関係への対処、判断のあり方についてどうすべきかが書かれている。

 

 

自分の今後をどうすべきか考えている人には一読する価値はあると思う。

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