前半でもいくつかある山場の一つを超えた。他にもいくつかあるが、自分が主体的に関わっている中では最も重いプロジェクトだった。
今年で2回目だったが、どうしたら参加者みんなが満足してくれるかという点が最大のポイントだった。100点満点とはいかないかもしれないが、合格点には行ったか・・・というところ。多くの人の協力の上でのことなので、関わっている一人一人が個人個人の立場でベストを尽くし、その上での全体としての結果だった。まあ、SACというやつに近いかと。
そして、最近のわれわれは疎遠になりがちなアカデミアの方々の交流の場を提供するという取り組みだったこともあり、彼らの議論の一端に触れることができたのはよかった。やはりシンクタンクの人間はこういう世界に身を置いて、切磋琢磨することも大切なんだということを改めて認識し、これからどうすべきか考えさせらた。一度、組織としてアカデミアから離れてしまうと、それを元に戻すには、個々人の意識改革から必要になるかも知れず、一長一短にはいかないだろう。それをどうするんだ?
自分達に突きつけられた課題は、1つは、素人と専門家の違い*1を認めない組織になってしまっているところだ。その点を改善していくのは一長一短にはいかないだろう。2つ目は、一方、プロジェクトとして、今回の取り組みの来年に向けた反省と改善の方は着実に進めていけばいい。何しろ、この取り組みは、われわれがアカデミアの空気を吸う数少ない機会となっているので大切にしないといけない。
今回、いろいろな研究について自分も触れることができたのだが、中でもセキュリティについては考えさせられた。PPAP*2問題から見える技術の社会実装の難しさ、この場合は、安心ではなく、安全を追求しなければいけないのに、安心を追求するあまり、結果、安全が疎かになるという指摘・・・安心と安全は必ずしも両立しないという気づき・・・これからはこういうことに注意を払いながら技術の社会実装は考えなければいけないのだが、世の中はその辺りわかっていないという危機感。そこをどのように解決していくのかという新たな研究課題の提示・・・このような視点は、多面的な影響を与える技術の一側面であって他にもあるはずで、そういう点にアンテナ高く日頃の情報収集、整理、分析をしていくことの必要性を突きつけられた。そしてそれを分析するには、アカデミアの叡智を応用させてもらうのが必定だろう。
無事、イベントが終わり、ビルから出た時、夕暮れにライトアップされる東京タワーの鮮やかさは、その時の安堵感とともに忘れないものとなるだろう。
さて、来年はどのような交流の場を提供できるだろうか。楽しみだ。
参加していただいた研究者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございまいた。