外でお酒を飲めないということがこれほど苦痛に感じるとは思わなかった。何とも言えない緊急事態宣言下での日々の生活だった。その解禁された初日、当然、飲みに行った。足は自然と八重洲方面へ、そして引き戸を開けて入ったお店がふくべさん。
カウンター中程に座らせてもらった。右隣は地元のおじさん、僕より一回りぐらい上だろうか。左隣は僕と同い年ぐらいのサラリーマンのお兄さん。最初は寡黙に飲んでいたが、徐々におじさんと話すようになる。お店のことを色々心配していて、どうなんだろうねえなんて言いながら飲んでいた。八重洲の扇子屋さんで落語扇を買ってきたんだよなんて話もしていたっけ。
おじさんが帰った後、酔った勢いもあって左隣のお兄さんと話し始めた。これがびっくりだった。同い年、正確には早生まれだったので1学年上なのだが、文字通り、お兄さん。そして住んでいるところが板橋、大山の方と言っていた。自分の生まれは板橋だし、就職した時最初に東京で住んだのも板橋だ。そしてこのコロナ禍のご時世でシクロスポリンという免疫抑制剤を飲んでいるのも同じだった。何とも共通点が多過ぎで二人でびっくりしながら酒を飲んだ。
普段はあまり話さない自分だが、この時は饒舌だった。
さて、この日の肴は、ちょっと豪華なマグロブツから始まった。美味しいところが並んでいて、見た目も美味しそうということでお酒も進む。
二品目は、定番の鯵の干物・・・ふくべさんにきたらこれは外せない。
さらにこの日は、焼きたらこも頼んで、肴も堪能させてもらった。
これだけ肴を頼んだということは、それだけ飲んでいるということで、呉春、開運、群馬泉、菊正宗樽酒、白鷹と5本も飲んだのでした。
美味しくも楽しいひとときでした。
ごちそうさまでした。