東日本橋というより、両国橋の西詰交差点から程近いところと言ったほうがイメージしやすいだろうか。そんな場所のちょっと入ったところに更科丸屋さんはある。前回行った時は休憩時間中で食べられず、残念な思いで帰ってきたが、今回たまたま開店時間に近くにおり、これは是非寄らせてもらおうということで暖簾を潜った。
店構えも店内も普通の町の蕎麦屋さんって感じ。長年、営業してますって感じがそこここから感じられる。テーブルは写真の通り、切り株をテーブルにしたものもあり、ここに多くの客が入るところを想像すると、なんとなく時代劇のシーンになるなと思って店内を眺めていた。
夕方の開店時間は午後6時みたいだ(食べログでは5時半になっているので、最近の一時的なものかもしれない)。店内にはすでに先客がいたが、連れを待っていたらしく、料理が出てくる感じではなかった。
自分はと言えば、更科丸屋さんに来たらまずはこれを食べてみようという鴨せいろの大盛りを迷わず注文する。調理場ではご主人ともう一人、計2名で切り盛りしている。奥にそばを茹でる大鍋があり、手前でそば汁とか、他のものを整えてお盆に揃えて出す。
ちょっと待って出てきました。大盛りの鴨せいろ。だいぶ前から一度食べたいと思っていた鴨せいろ。鴨は冬場だから、季節外れといえば季節外れだが、こちらは一年中あるみたいなので、そういうものなのだろう。
最近はあまり見かけないうずらの卵がついていて、そのほかには刻みネギ、大根おろし、山葵というぐらいに薬味がつく。実は、鴨汁のあの独特のつけ汁なので、大根おろしはもう少しあってもよかったなとか後から思った。
そして大盛り蕎麦。もっとダイナミックかと思ったが、これなら普通に食べられると出てきた富士山をみて一安心。蕎麦自体は、二八蕎麦で、エッジが立って歯ごたえがあり、美味しい蕎麦だった。硬いのが苦手な人には合わないかも。
その蕎麦を下の鴨汁につけてバクバク食べる。ちょっとだけつけてツルッと食べると美味しいという紹介記事もあったが、自分はどうしてもたっぷりつけてしまう。でもそれでバクバウ食べるのが美味しい。
全体としてはこんな感じ。この大盛りの蕎麦を鴨汁につけ手繰る。濃厚な鴨汁の味が口の中に広がり、その中でエッジの効いた蕎麦が泳ぎ、あっという間に喉の奥に落ちていく。鴨せいろを堪能するこのひと時。満足満足。
最後は、蕎麦湯で鴨汁を割って飲むのだが、これがまた美味しい。あっという間、お店に入ってから、注文して、食べ終わるまで、それほど時間は要しない。今回は、開店直後だったので、料理が出てくるまでちょっと時間がかかったが、それでもそんなに気になるほどは待たされない。ささっと食べて、サッと出る。蕎麦屋はこうでないとね。
本来なら、お銚子一本とつまみを楽しんでから鴨せいろと行きたかったが、この日は時間の都合でお銚子は省略した次第。次回は是非、お銚子付きで頼みたいと思う。
ごちそうさまでした。