今となっては東京の真ん中にこういう雰囲気が残っているのは奇跡か・・・と思わないではいられない。谷根千と通称される地域だ。
先日、そこの千駄木駅近くの団子坂から谷中霊園の手前までの三崎坂辺りを歩く機会があった。この千駄木から谷中霊園までの道がいい雰囲気が残っているらしい。昨年も今頃、ここに来る機会があったのだが、実はその時が初めてこの谷根千と通称される地域を経験したのだった。
その時は夏のような日差しの中、汗をかきながら三崎坂を登って行った記憶があるのだが、今年は全く逆の肌寒く、帰りは雨に降られる天気だった。一年前の真夏のような時もそうだったが、今回もここを久しぶりに歩いてみて、昔が残っているなと思いながら歩いた。
そして今回は、お昼の少し前だったこともあり、街の朝の顔が少し覗けたような気がした。家々ではまだ午前中の家の中の家事が行われているところもあり、ご近所さんで回覧板を回すのか会話をする姿などもみられた。
午前中だったので、まだ観光客も居らず、本当に下町のひと時を味わえた感じだ。これがお昼頃になるとこの辺りを散策する人たちが行き来するようになる。日本人は年配の方たちを中心に散策しているし、昨今の海外からの観光客は当然このあたりにも訪れる。
そういう人たちが来るのは分かる。これが山手線の内側に位置しているにもかかわらずのんびりしたというとちょっと違うんだな・・・昔の東京の雰囲気?があり、何処と無く昭和というよりもっと古い雰囲気を残し、なんとも言えない雰囲気を味わえる。
自分が暮らす浜町や人形町界隈も昔は結構古い建物が残っていたものだが、最近急速に建て替えが進み、多くはマンションになってしまった。それでも人形町、浜町もまだ昔が残っている。ことによっては、江戸が残っていたりする。おそらく谷根千のこのあたりは、人形町や浜町には無くなってしまった古い東京が残っているのだと思う。
時間のある時にゆっくりこの辺りを散策して、鍵屋さんあたりで一杯やってみたいものだ。