攻殻機動隊、マトリクスを合わせて割ったような感じを受けた・・・実写版攻殻機動隊、ゴースト・イン・ザ・シェル。今回、Amazonプライムで無料で見られるようになったので早速見させてもらった最初の印象。
当然と言えば当然なのかもしれないが、第一印象は上記の通り、そして原作の士郎攻殻や押井攻殻、神山攻殻の印象的なシーンをつなぎ合わせているなというようなものだった。そのためか、士郎正宗が描いたデジタル化された社会の根本的な問題提起が薄まってしまっているように思えた。
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脚本家や監督は原作の漫画やこれまでの攻殻機動隊を扱った映像作品に対して、この作品をどのように位置付けたかったのか。その辺りがよくわからなかったというのが正直な感想だ。そのためか、ストーリも分かりづらかった・・・それはこれまでの攻殻のストーリが自分の頭の中にあり、それが映像の理解、ストーリの理解に影響していたからだと思う。またこれだけの大きな世界を、これまでの作品を意識しながら1時間40分程度に収めるのはやはり無理があったのではないかとも思う。
一方、映像はなかなかの出来だったと思う。義体化された登場人物、ロボット、それからデジタル化された社会の情景はこんな感じかなと思わず頷いてしまう部分もあった。
デジタル化された社会、現代から見たときその社会がもたらす矛盾、その矛盾に対する問題提起・・・この辺りは今までの攻殻でも問われていることだと思うが、この作品ならではの切り口で作製して欲しかったなと・・・全体的にもう少しどうにかなったのではないか・・・これまでの作品からもっと脱皮することを考えても良かったのではないか・・・と思うことは尽きない。そして、やはり原作に戻り、押井作品に戻り、神山作品に戻って行く。そこでそれぞれ描かれていたことは何なのかをもう一度自分で見直したいと。
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原作が描かれてから、25年、世の中はやっと攻殻の世界が決して想像の世界ではないというところまできた。
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そう考えると、この作品はこれからも様々な角度から作品化が試みられていいと思うし、そういう作品なのだろうと。
士郎正宗おそるべし。そしてこれからの若い人たちが原作からこの一連の作品をどう解釈して、現実の世界との接点としての作品を描いて行くのかが楽しみだということを感じさせてくれたのは今回の実写版の価値なのかもしれない。
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