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攻殻機動隊ARISE〜眠らない目の男(6):いよいよ攻性組織の設立だ!

 この漫画「攻殻機動隊ARISE」の眠らない男シリーズもそろそろ終盤にかかってきたようだ。最初に刊行されたのが2013年6月・・・それから2年半、早いのか遅いのか、長いのか短いのかよく分からないが、やっとここまで来たかってのが今回の第6巻を読んでの素直な感想。

逸話5:冬のウイザード・・・って直訳だが、これがこの巻のストーリーなのだろうが、読んでみてもよく分からないw・・・内容自体はなんかニューロマンサーを読んでるみたいだ・・・けど、この巻で公安9課につながる「独立した特殊部隊」が成立する。

話は、国家と大企業という自分たちの利益優先で世の中を仕切ろうとする今でもありがちな企業社会の話がある一方、それに対する市民運動が描かれる・・・どこか無力感が漂う中で、機動隊がハッキングされてデモに参加する市民を無差別に射殺するという事件が起きる。ハッキングの大元にいると考えられるファイア・スターター・・・正体が分からないハッカーを今回で仕留めることを目的に草薙以下が動き出す。

攻殻機動隊ARISE ~眠らない眼の男Sleepless Eye~(6) (KCデラックス ヤングマガジン)

攻殻機動隊ARISE ~眠らない眼の男Sleepless Eye~(6) (KCデラックス ヤングマガジン)

 

 そこに現れる天才ハッカー、エマとブリンダ。二人は同じ病気に蝕まれて「少しずつ脳をニューロチップに置き換え体を義体化せねば生きられない」という2人。この二人が今回のキーになる役割を果たす。

その他、501機関時代の同僚や教官などが登場する。いつものメンバーも登場するが、トグサがハッキングされちゃったりしてね。バトーやイシカワ、ボーマがそれぞれの立ち位置の役割で描かれているわけだが、やはり気に入らないのがサイトーだ。このARISEの中で最後まで気に入らない・・・サイトーの描かれ方だけはw

物語が終盤に近づいているなと感じさせるのは、かつての仲間や上司がいろいろな形で登場する。それぞれの立場であるものは活躍し、あるものは抹殺され、あるものは滅びていく・・・けじめをつけているようにも感じる。そして最後に「独立した特殊部隊」の成立で締めくくられる。荒巻のセリフ・・・「どんな組織も未来永劫お前のゴースト侵入キーなど持つことはない。それがお前の上司だった男との約束だ」・・・これがある意味締めくくりの言葉だろう。

 物語が進展していく中で描かれるのは、神山作品の懐かしいシーンの幾つかだ、今までもそうだったようにそれが入っている・・・お約束のようなシーンだが、こういうシーンを見るたびに押井、神山作品の延長線上にあると思ってしまう。それは物語、ストーリーの描き方もそうと言えないだろうか・・・というよりは原作の士郎さんの延長線上で作品を描くのはやはり不可能なのだろうと改めて感じさせてくれた。

攻殻機動隊 (1)    KCデラックス

攻殻機動隊 (1) KCデラックス

 

最後はやはり最初の一冊に戻るのでした。