賭けだったのか?と・・・「ある意味」ってどういう意味だよって思う。選挙後の前原氏がマスコミのインタビューで、民進党の希望の党への合流について以下のように伝えている。
希望の党への合流は・・・
「ある意味、賭けのようなものだった。みんなで合流したいと思っていたが、約束を守れなかった」
自身が主導した合流について「詰め」が十分でなかったことを認めた発言
(上記ロイターの記事からの引用)ということなのだが、「詰めが十分でなかったことを認めた」って・・・最悪のリーダーに民進党は託したということになるのだろう。そこは博打を打つところだったのだろうか?・・・というか、博打を打っていいのか?って思う。
博打を打つほど、民進党はそこまで追い込まれていたのか?合流は選挙後の結果を見てからでも遅くはなかったのではないかったか。それ以前にやるべきことをやっていなかったのではないか・・・と。やるべきことをやらずに来て、窮余の一策としての選択が賭けだったということか・・・。
自民党と政策上あまり違いがない中で、希望の党が現れてますます政策で差別化するのは難しいと考えたのかもしれないが、でも政策についてやはりもっと語って欲しかったね。政党に取っての政策ってのは、企業にとって見たら、自社の売り物だろう。それが競合他社と同じようなものなのなら、差別化戦略が必要だろうし、本来そこでもっといろいろあってよかったと思う。有権者としての自分にはそこが見えなかった、伝わってこなかった。
企業にしろ、政党にしろ、その経営(運営)においては、自分の商品をより多くの消費者(有権者)に買ってもらうかが勝負なわけで、政党でいえば、候補者に体化する政策がそれに当たると思う。今回の選挙では、希望さんや民進さんの商品がどこまではっきりしていたかが勝敗を分けたのではないかと・・・逆だったのが立憲民主だったのではなかったか。
そして商品を売るにあたっては、賭け(不確実)の要素をいかに少なくするのかが基本だと思う。できれば経営者から商品を売るにあたって「これは賭けだ」なんて言葉は聞きたくないだろう。かつ今回は、商品をきちっとショーケースに並べないうちに、他社との合併を決断してしまったということで、土俵に上がることもしなかったと思われてもしょうがなかったのではないか。
企業経営を考えれば、Going Concernとして、企業を存続成長させることを前提に、事業計画を立て、その進捗を定期的に管理・チェックしてやるべき行動を取っているのか、計画の消化は順調かを確認する・・・事業計画が計画通りでない場合はその原因を探り、営業面とか商品面とかテコ入れをする。そのような営みをするのは、事業計画の達成(存続に対する賭けの面を最小にし、最終的にはゼロにする)を1日も早くするためだ。それが企業として株主、顧客、社員、社会に対しての責任を果たすことになる。
要するに、企業の経営ってのは、商売上の不確実性を如何に取り除いていくか、その作業の積み重ねだということになる。自分たちの仕事(調査研究)も同じで、自分が立てた計画に対し、十分達成可能な商品や販売チャネルを持っているか、それも持ってすれば事業計画に対し責任を持って、他をあてにせず、達成できるかが非常に大切になる。「他をあてにする」というところが、賭けの部分だ。
賭けの部分がない方がいいことは誰でも分かるだろう。賭けの部分が残っている場合はそこに対して、短期的にどうやって対処するのか、来年度以降の対処を考えることになる。そこを対処しないと毎年同じことを繰り返し、いずれは市場から葬り去られるのは明らかだ。やはり賭けはしない方がいい。