日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

料金政策の変更は高速道路の交通量にどのように影響したか??

前回、高速道路の交通量についてその時系列変化を眺めてみたが、いくつかのことが分かった。それを再度箇条書きにしておくと・・・

  • 季節変動の存在(8月がピーク、1月がボトム、ピークは8月の他に3月と11月にもある)
  • トレンドとしては微増だけれど毎年増加している(毎月少しずつだが前年増となっている(例外あり))
  • 2010年5月6月あたりで断層があるように見える(民主党の1000円政策の期間は09年3月から11年6月まで)
  • 2009までと2010年以降は明らかに交通量が異なっている
  • 季節変動の形はほぼ変化ない

まあこんな感じだ。そして高速道路というネットワークサービスの分析をするということでの注意点としては、以下の通り。

  • 高速道路は交通網の一部分だということと、他の道路からの影響から独立はしていないので、その影響を考えながら分析する必要がある。
  • 毎年少しずつ交通量が増えているのは、供用区間が増えていることに比例してるのかもしれない。供用区間が増えれば、景気などとは関係なく、その部分のICを利用する車が増えるわけだから、月毎の1日の平均交通量も当然増えるだろう。

供用区間は実際毎年どこかで拡張されている。下記の図は、独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構のHPから入手した全国高速道路路線網図だ。

NEXCO3社では、青い部分は供用済み区間、赤い部分が工事中の区間だ。首都高速等でも色は若干違うが供用済み区間と工事区間が確認できる。現在でもこれだけの工事区間があり、このうちのいくつかが毎年開通しているのだから、交通量への影響もそれ相応にあるであろう。
このように下記に再掲したNEXCO3社の交通量は、単に保有自動車数とか料金や景気とかの影響だけでなく、様々な要因で交通量を変化させている。そしてその影響の出方も全国均一ではなく、地方地方で異なるだろうということは容易に想像がつく。

よって今回の当初のような3社の集計データだと各地の個別要因もこの中に含まれることになり、データの背景にある要因が複雑になるので、個別要因が特定しやすいように個社別に分析した方がいいかもしれない(本当は路線別にやるのが正解なのだろうが、データがない)。そこでまずは東日本、中日本、西日本、首都高速阪神高速、本四高速別に分析してみることにする。当初から少々方向転換。
まずはこの6社について、トレンドと月次ダミーでどれだけ説明できるものなのか推計してみることにする。
本来の目的からすると、各会社別に料金指数を作成してモデルの中に入れるべきなのだが、料金改定を調べてみたら結構行われていたり、車種別に料金が異なるのでそれも加味しないといけなかったり、時間帯割引もあるし等々、かなり面倒なことが分かった。ネットを検索したら総務省統計局から高速道路無料化等における高速自動車国道料金の指数作成方法という資料まで見つかったりしてかなり厄介なのでとりあえずその他の部分を計測してみてそれで何が分かるかをまず確かめることにする。
本日はここまで。計算結果が出るまで少々お待ちを。