日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

料金政策の変更は高速道路の交通量にどのように影響したか??

NexCo東日本のデータを使いシンプルに回帰分析をしてみた。
モデルは以下の通り。
NexCoEast = f(trend, m01, m02, m03, m07, m08, m09, m10, m11, d201103, d201402)
各変数は

  • NexCoEast:NexCo東日本の1日あたりの平均利用台数(単位:1000台)
  • trend:トレンド変数
  • mXX:XX月ダミー(11ダミーを入れて有意でないものは落とした)
  • d201103:2011年3月に発生した東日本震災の影響を取り除くダミー
  • d201402:2014年2月の何が原因だかわからないけど影響を取り除くダミー

推定結果は以下の通り。計算にはStata(ver.12)を使用。

決定係数が0.81と低いのはやはり料金指数などを入れていないからだと思う。符号条件はtrendが+が期待され、その通りになっている。各変数のt値も十分な値である。
さて今回の推定を視覚化してみよう。

折れ線グラフが推定値。赤いマーカーで表しているのが実績値。棒グラフは残差だ。残差をみれば明らかなように、残差に一定の傾向がみられる。2007年7月から2010年4月まではオーバーエスティメイトとなっている。2010年7月から2012年3月までは逆にアンダーエスティメイトだ。実際、DW比を計算してみれば、系列相関ありという判定になるだろう。
赤い枠(実際は茶系のいろなのだが・・・)で示したのは民主党の1000円政策の時期だが、前半はオーバーで、後半はアンダーエスティメイトとなっている。これをどのように説明したものか。民主党の料金政策の前後も含めて考えてみると、明らかにこの時期は残差が大きくなっているので、何らかの影響がやはりあったと考えてよいのではないかと思うが、どうであろうか。
それから一番新しいところの2014年4月の推定結果が一応オーバーエスティメイトになっているので、消費税や料金割引の終了で負担が増えた分の影響として利用量が減ったと推測できなくもないか・・・
使っていない変数としては、政策ダミーとして、民主党の料金政策期間にダミー変数を入れることが考えられる。ただ今回の残差の状況を見るとどうもこの変数は有意にならないような気がする。
また最近気づいたのだが共用延長というデータがある。これは供用部分の高速道路の総延長距離を示しているデータと考えられるが、これが入手できないか現在問い合わせ中。この共用延長というデータが総延長距離を表しているとすると、これを変数としてモデルに加えれば新しい区間の開通で利用量が増える効果は吸収できると思う。
さて他の路線(会社)についても、東日本と同じような結果になるのか試してみたいと思う。
結果が出たらまた報告します。