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評判になる直前ぐらい、本屋に平積みになった直後からなんとなく目についていた。それから程なく、評判が広がり、あまり興味なかったのだが、気分転換にちょっと読んでみようと手にしたのだ。なんか疲れていた自分は、成瀬に清涼飲料水的な読後感を期待していた。
読み始めた最初の印象は、ブログのような文章だなと思った。著者の方には失礼な言い方かもしれないが、スラスラ軽い気軽に読める文章ってことでどこかのブログ記事の一端を読んでいるような感覚。
そして成瀬あかり、彼女は涼宮ハルヒの生まれ変わり、現実投影。だから実際にはいないキャラクターってことになる。発想の唐突さ、実行力、それを可能にする頭の良さ、ドライな性格・・・ハルヒに似てると思ったのは僕だけか?
物語は、6篇の短編からなっている。最初はTVカメラの前に連日立ち続ける彼女(たち)、次は漫才に挑戦する成瀬と島崎、そして突然、視点が変わり中年サラリーマンの幼い思い出と今になった時は還暦オーバーの親父たちは考えすぎるんだ。さらに物語は普通に進む・・・成瀬の行動力と成瀬の周りの人間模様、そして成瀬に恋する奴もいる、最後は人間成瀬の一面が垣間見える。
どうってことない内容だと思う。でも読んでるとなんか違うんだよな。日々の生活のちょっとしたことだけど、そこに意志を持つ人間がいるとこうも景色は変わるのかってことか。
日々、閉塞感を感じながら生きている我々に成瀬はその閉塞感を見事に突き抜ける行動をする。そしてその行動に迷いはない。何事にもストレートだ。一見、KY中のKYと言ってもいいかもしれないがそれはそうではなく、それは怜悧な頭で判断された成瀬にとっては至極自然な行動なのだ。そこに読者は何かを惹かれるのだろう。
気づいたら最後まで読まされたって感じだ。
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天下なんて取りにいきやがって・・・今後の展開を読みずらい、読んではいけない類の小説かもしれない。
続刊である「信じた道をいく」はしばらくしてから読んでみようと思う。
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