開店は去年の暮れだった。自分が手打ち蓮の存在を知ったのはそれから程なくしてだっただろうと思う。知人が教えてくれた。その後、食べログで調べると、美味しいがかなり混んでいる様子だったので、行くタイミングを見計らっていたら、夏になってしまった。今回、お盆のこの時期でかつ午後2時ぐらいなら待たずに食べられるだろうと行くことにした。
確かに、行列、待っている人は店内にも外にもいなかったが、テーブルに3名ぐらい、食券を買っている人が2名とお盆の午後2時なのにこれだけの人がいるのかとびっくり@@!僕がテーブルについた後も数名が入店してきていい感じで回っていた。
さて、この時間に行って、並ばなくて済んだところまでは目論見通りだったが、唯一、狂ったのが肝心のラーメンだ。塩の全部入りを食べたかったのだが、それは売り切れ。ならばワンタンでと思ったらそれも売り切れということで結局、塩チャーシュー麺になった。ま、十分美味しかったし、次回以降は塩ワンタン麺か醤油味を食べてみようという気にさせてくれたのだからいいだろう。
ラーメンが運ばれてくるまで少々時間がかかる。それだけ丁寧に作られているということなのだが、出てきたラーメンを食べるお客人たちの雰囲気がなんとも言えない。たかがラーメンだが皆んな敬いながら食べているって感じがひしひしと伝わってくる。そして食べ終わると静かに箸やレンゲを置き、空になったラーメン丼に一礼をする感じで席をたち、店を後にする。食べてみるとそうするのが分かるような気がした(自分はしなかったけど)。
麺は手打ちの平打ち麺・・・餅っとしていて柔らかい。硬麺が絶対っていう人には合わないだろうけど、こういう麺もあるのだということで食べてみるといいと思う。美味いのだ。多加水麺を最近食べる機会が増えているが、もっちり柔らかくスープとよく絡み美味しい。
そしてその麺を引き立てる、トッピングの具材たち。海苔、メンマ、ほうれん草、ナルト、刻み葱、そしてチャーシュー。チャーシューは表面に見えているだけでなく、下にも何枚も入っていて食べ出がある。
どれも味は薄めだ。スープの味を活かすように控えめな味付けになっているのではないかと思う。チャーシューもそうだ。だから何枚も入っていてもおいしく食べられてしまう。食べた時のバランスを考えているのだろう。
そしてスープ。今回は塩だれを食べてみた。この店ではまず塩を食べてみろとどこかで言われたか読んだ記憶が残っていて、今回は迷わず塩味を食べた。一口啜って、丸みのあるというか、厚みのあるというか、深みのあるというか、甘みのあるというか、複雑な塩味だなと思った。もちろん美味しいのだ。
このスープならば、トッピングは一切なし、あっても刻みネギぐらいで、シンプルにスープと麺を味わってみたいと思った。これは是非試してみたいということで次回の候補に塩ラーメンも入ったのだった。
店内の黒板には麺やタレについて色々と説明してある。読んでいると店主の思いが伝わってくるようだし、調理に時間がかかるのも理解できる。店内は7席しかないので、行列になってしまうのも理解できる。今回の自分の選択は間違いではないとは思うが、遅い時間だと、食べられないメニューがあるのが残念だ。次回は開店前に並ぼうかと本気で考える価値はあるだろう。
浜町からは1キロ少々なのでそれほど離れていない。ならばこれから何回か通って、いろいろな味を楽しませてもらおうと思うのでした。
ごちそうさまでした。