1990年代、まだ加入電話(一昔前は黒電話、最近ではイエデンか)と言われるサービスが全盛だったころ、次世代の通信サービスとして何回か検討されてきた(・・・というか、正確には通信業界に関わる人間の願望だったかもしれない)TV電話・・・ずーっと実現しなかった。
一方、SFの世界を思い出してみると、漫画やアニメでは巨大な画面に映し出された相手と会話しているシーンが頻繁に描かれていた。我々の想像力が今日のコミュニケーションの有り様を実現したと言えるのではないか。
そんな映像コミュニケーションが今回のコロナ禍による外出自粛で一気に普及した。通信サービスが、光ファイバやLTEの世界になり、料金は定額制で、Youtubeはじめ動画サービスは普及した。今や、かなりの人が地上波TVよりネット動画の試聴時間の方が長いのではないだろうか。それでもコミュニケーションの世界では映像はあまり普及してこなかったように見えた。SNSを中心に映像コミュニケーションの試みはいろいろされてはいたのだが・・・
それで今回のコロナ禍による外出自粛だ。一方、アプリの方もタイミングよく、Zoomをはじめいろいろな選択肢が提供され、徐々に普及していたから下地はできていたのかもしれない。
勤め先では、在宅勤務が主体なので、当然、何らかのオンラインサービスを利用したミーティングが実施されるわけでだが、そのとき、自然と映像通信に皆の発想は行ったのではないだろうか*1。
・・・というわけで、自然と飲み会ができるのではないか、飲み会やろうぜという世の中のモードになり、そこここでオンライン飲み会なるものをするようになった。やはりTVでそういうことが起こっているということが取り上げられることのインパクトは大きいような気がする。大衆メディアはやはりTVなのだと改めてその影響力を感じたり、人の行動変容を促すのはやはりある意味極限状況ではないと無理なのかと思ったり。
そこでとある土曜日に自分もオンライン飲み会に参加させてもらった。
自分はiPadを使って参加したわけだが、テーブルの上に料理やアルコールを置いて、そこにiPadをセッティング*2。あとは皆とワイワイガヤガヤ。楽しいひと時を過ごしたわけだが、リアルでやる飲み会と何が違うのか・・・というとどうだろうか?
5時過ぎぐらいから初めて何時までやっていたのか覚えていないが、リアルとの違いは・・・(なお、カッコ内は自分の感想)
- 基本、自宅なので料理やお酒の準備が必要だが、自分の好きなもので参加できる気やすさはあるか(料理がまめな人でないとつまみが貧弱になる)
- 差しつ差されつということもないので、自分のペースで飲める(から二日酔いするまで飲まなくて済むかと思ったが、自分は逆だったw)
- よく言われるのが、終電を気にしなくて良いというもの(これも上と同じで終電の時間まで飲み続けることはほぼ不可能w)
- その時々で家族の飛び入り参加などもあり、面白い(これは実際そうだった)
- 会社の飲み会のようにちょっと一杯ということにはならない(事前にスケジュールが必要だが、これも慣れてくると違うのかも。ただノミニケーションの相手は会社中心だけでなく、多様化してくる予感)
- 等々
結論としてはこういう飲み会もありですね・・・ということだ。
SFの世界で大画面でコミュニケーションする姿はSFならではのシチュエーションであったのはもちろんだが、2020年、それが現実になったのはみんなで外出自粛というストレスフルな状況からの現実逃避のための手段だったという・・・これもSF的といえば、SF的か。
なお、上記の写真には今回の飲み会でご一緒させていただいた方々が一部写っております。もしまずいということがありましたが、ご一報をお願いします。