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赤塚不二夫:もーれつア太郎(全9冊)

もーれつア太郎・・・江戸っ子だったってことを今回初めて知った。

言うまでもないことだが赤塚不二夫氏の作品のひとつ・・・Wikipediaによれば、漫画連載が始まったのは、昭和42年、アニメで放映されたのが2年後の44年から。僕は、当時漫画を読んでいなかったので、アニメでお世話になった。

今回たまたまNHKで赤塚不二夫氏の番組をやっていた(もちろん以前やった番組の再放送だと思う)。その番組をなんとなく見ていて、ふと、「そう言えばアニメでは幼少のころ、お世話になったが、漫画では読んだことないな・・・赤塚作品」と思い、今回、買ってみた次第。

4812436192 もーれつア太郎BOX 1~9(9点9冊セット)
赤塚 不二夫
竹書房 2008-08-19


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赤塚作品もいろいろあるが、おそ松くん、天才バカボンひみつのアッコちゃん、そしてこのア太郎は昭和40年代が少年時代だった人には懐かしい作品の代表ではなかろうか。さて、この中で今回ア太郎を選んだのは、アニメで見た作品の中で懐かしさが強く残っていたため。やはり一番印象が強かったものを読みたくなる。登場キャラクタが、ア太郎、デコっ八、☓五郎、こころのボス、ニャロメ、ケムンパスなどなど、みな懐かしい[E:happy01]

今回、購入したのは第一巻と第二巻。 ストーリーは母親が亡くなり、父一人子一人で八百屋の八百☓を切り盛りするア太郎とふらふらしている☓五郎の日常から始まる。その後☓五郎が幽霊になっちゃったり、デコっ八が無理やり居候になり、八百☓を手伝うようになったりとストーリーは展開していくが、第一印象は、ストーリーも絵の書きぶりも非常にシンプルだ・・・というもの。今のマンガを読みなれている人には、表現が2次元で、シンプルなため物足りないかもしれない。

内容は面白い。当時の世相・・・帰ってきた酔っぱらいがモチーフか・・・☓五郎は^^とか、八百屋での買い物を通して見られる当時の生活ぶりなどなど・・・今、読み返してみると、いろいろ頷きながら読んでいる自分がいたりする。

読んで改めて思うのは、内容は決して明るい内容ではない・・・母親に続き、父親が亡くなり、一人ぼっち、学校にもろくすっぽ行けず八百屋を切り盛り、泥棒やら強盗やらに入られたり、下町での義理人情の人間模様・・・今から見たときのあの時代を描くドラマやアニメの暗さが妙に際立つ・・・その中でア太郎はじめ登場人物に共通しているのは、前向きな明るさだろう・・・現在を逆に当時のそういう人たちの目で見るとなんかいきつくところまで行きついた爛熟文化といったところであろうか。あの当時の心持ちを持つことができるともう少し頑張れるかもとおもっちゃったりして[E:happy02]

絵にしろ、言葉にしろ、ストーリーにしろ、非常にシンプルな表現で繰り出される赤塚ギャグは非常に新鮮だ。これからしばらく楽しませてもらおうと思う。世の中の圧迫感から逃れたかったら、是非、読まれることをお勧めする。

4884759370 もーれつア太郎 (1) (竹書房文庫)
赤塚 不二夫
竹書房 1994-11


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4884759389 もーれつア太郎 (2) (竹書房文庫)
赤塚 不二夫
竹書房 1994-11


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そうそうそれから八百屋が舞台であるだけに、野菜の値段とか、ストーリーによっては借金の話とか、強盗に払う身代金の額とかが出てくるのだけれど、その額をみると、びっくりする。途中オイルショックとかあって物価が異常に上がった時期もあったけど、ここ数年は物価も安定していたし、たかが40年程度でここまで変わるかと・・・この点からしても当時の日本と今の日本は別の国だと思ってしまう。

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