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福本伸行著『天-天和通りの快男児- 新装版』:アカギの原点はここか

アカギの原点を知ることができるかと思い、読み始めた。最初は麻雀を軸にして色々な人間模様を描いていく、どちらかというと軽い感じの漫画だったが、途中から本格的な麻雀勝負を描く漫画に変貌したって感じか。

麻雀の東西対決で出てくる登場人物とそこで描かれる麻雀の勝負、これだけでもなかなか面白い。 

そこに出てくる登場人物の一人にアカギがいる。自分は深夜帯にやっていたアニメのアカギから入ったので、こちらの天でもアカギを中心に見てしまいがちだ。実際、著者の福岡氏も一番特徴的な人物として描くようになったのがアカギではないか。

他の登場人物、主人公の天しかり、ひろしかり、かなり個性的な面子を揃えているが、中でもアカギは独特だ。この人物の描き方だけちょっと違う。なんていうか、異彩を放つ存在とでも言えば良いのだろうか。のちにアカギとして漫画を連載することになるそれだけの動きがこの中ですでに描かれている。

何と言っても、最後の3巻だろう。第11巻の後半部分から始まる、アカギの安楽死に向けての展開はびっくり@@!って感じだ。それまでもストーリーのあちこちに麻雀を通してもっと色々なことを考えるような言葉がちりばめられているが、この最後の3巻はアカギの安楽死を通して、天を含む各登場人物の人間像が抉り出されている。そしてそれを抉り出すに十分なアカギの個性。

後半になればなるほど読みながら考えさせられる内容となっていく。楽しませていただきました。

そしてこの漫画を読んでいると思わず、永井均氏のマンガは哲学する (岩波現代文庫) を思い出さずにはいられないのだった。

マンガは哲学する (岩波現代文庫)

マンガは哲学する (岩波現代文庫)

 

 新装版ではないけれど、こっちで一気に買うというのもありかもねw

天―天和通りの快男児 全18巻 完結コミックセット (近代麻雀コミックス)

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