日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

蓄積されると社会が変わり、課題が顕在化する・・・狩猟社会から農耕社会、産業社会、デジタル社会

テクノロジーの世界史・・・第1章の産業革命前の技術の歴史、第2章の産業革命前の繁栄まで読んだ。今まで知っていたことだといえば、そうなのだが、そこに書かれていることは「なるほど」と認識を新たにすることが多い。

技術 社会を変える可能性を持つが、社会に受容されるかそれが問題

技術は社会を変える可能性を持つが、社会に受容されるかそれが問題

産業革命前、技術革新がなかったかといえば、そうではなく、色々な発見や発明があった。ルネサンス期とかあったしね。ただ、それが経済活動というより、政治権力を維持するために使われたと言ったほうがいいだろうか。 

そして社会は徐々に発展していく、変化していく。最初の大きな変化は、狩猟社会から農耕社会への変化。この変化で何が起こったか。それは食料の貯蔵が可能になったこと。狩猟社会では、常に狩りをし、狩りで得た食料はその場ですぐに消費された。そういう社会では不平等はなかったようだ。

 

それが農耕社会に変化する。農耕社会になることによって、食料の貯蔵が可能になる。一つの集落で養える人口が増える。そこに不平等が生まれる。対立が起きる。社会を維持するために様々な困難が発生する。

産業革命以前でも、発明された技術は社会に応用された。それは補完技術が主だった。補完技術については、時の権力者もその普及を黙って見守った。一方、代替技術の場合は、労働者の仕事を奪う=社会を不安定にするということで、権力者の地位を危うくするものとして、徹底的に排除された。中世ヨーロッパのギルドなども既得権を守るために、時の権力と結びつき、技術の受容に影響を与えた。

 

次が農耕社会から産業社会だ。資本設備の蓄積は、生産能力の飛躍的拡大をもたらし、それまでと比べものにならない経済成長を実現する。富が蓄積し、所得は向上するが、新たな不平等や社会問題が顕在化する。

つまり、蓄積がない社会から、食料を蓄積する社会、機械設備を蓄積する社会と新しく蓄積するものが社会のあり方に大きく影響を与えてきたのがこれまでの歴史・・・そういう視点で現代を見ると、データ・情報を蓄積する新たな社会が勃興してきていると捉えられる。

 

独占禁止法による経営への介入やGDPRなどの制度の構築も皆、データ・情報という新しい時代の蓄積に対する社会の反応と言えるだろう。それが今度どのように展開するかは、時の権力者、経済力を持つものがどう対応するかがポイントになる。

おおよそこんなことが書いてあった。

(続く)

 

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