日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

技術が社会に受け入れられる時、排除されるときを考えさせてくれる

中間報告・・・・この本、分かりやすく、内容は現代における技術の社会的受容について、経済学の視点から取りまとめられており、技術が社会に受け入れられる際のポイントが書かれている。

技術は社会にどのように受け入れられていくのか?

技術は社会にどのように受け入れられていくのか?

技術の社会的受容・・・好むと好まざるとにかかわらず、この問題は避けては通れない。ここ数年議論されている、自分の職業がAIなどにとって変わられるのではないかという問題。実際、心配している人もいるだろうけど、まさしくこの本で扱っているのはそういうことを判断するためのポイントだ。

それは最初の序論に書いてある。そこだけでもいいから、立ち読みでもいいから読んでみることをお勧めする。

 

ポイントは、原著の副題に書いてあるのだが、それは、Capital、Labor、そしてPowerの3点。Capitalは、ここでいう技術、Laborは労働、そしてPowerは権力。

The Technology Trap: Capital, Labor, and Power in the Age of Automation

The Technology Trap: Capital, Labor, and Power in the Age of Automation

 

ポイントは労働と技術の関係。置換技術か補完技術かで労働者の労働機会に大きく影響を与え、それに対して権力がどう対応するかでその技術が社会に受容されるか否かが決まる。このように書くと、そんなこと先刻承知と思われる方もいるかもしれないが、それで歴史的に一気通貫に社会のこれまでみたことがある人はいないであろう。それをやっているのが本書なのだ。

 

技術と労働の関係を歴史的な視点で取りまとめられているわけで、序章のあとから、過去の技術と社会の関係を紐解いていく。古代、中世など過去において技術革新はなかったのか。実はあったのだが、それは経済成長のために応用されることがなかった。技術革新が経済に貢献するようになったのは・・・というようなことが読み進めると分かる。

 

そして最終的にはその枠組みで未来についてまで書かれており、今後の経済社会をどう考えていくべきかの参考になるだろう。本文で500ページを超えるので、全てを読み通すのは結構大変かもしれないが、取り敢えずはまず序章を立ち読みしてみることから始めてみてはどうだろうか。

 

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