ある本を読んでいたら、「インフォメーション製品」という訳語が出てきた。
その本の原著者は産業組織論等を専門とする経済学者だ。
で、その本の中でキーになる単語だったので、原著にあたって読んでみたら、information goodsの訳語であることが判明。すなおに「情報財」でいいのではないだろうか。
専門分野の応用編として書かれた本だからテクニカルタームはその専門分野の定訳で正確に訳出したいもの。
訳書は、あとがきを読む限り、原著をマーケティングの本と位置づけて訳出したようだけど、著者は経済学者だし、経済学的な視点から分析しているわけだから、訳語も経済学での訳語をあてるべきではないだろうか。
その方がすんなり頭に入ってくると思うんですけど。
翻訳の難しさはこれでも経験したつもりなので、訳者の苦労は分かるのだが、しかし、基本的なテクニカルタームは大切にしたいもの。