日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

Day Traderの行動

デイトレーダーはここ数年で急激に伸びているらしい。数年前、延べ人数で800万人、それが最近では3600万人まで増えているらしい。

今回のライブドアの一軒で、デイトレーディングが注目された。彼らは最近の株価の上昇局面で大きな役割を果たした。そのおかげで、今回の下降局面では日頃のリスクを払った格好だ。TVには数億円から数千万円を失ったデイトレーダーが取材に応じていた。

その一方で、最初に株価を大きく下げ、東証が取引を停止した翌日、「昨日下げすぎているから、今日は戻すでしょう・・・だからあるだけの資金を突っ込みます。」といって見事30分ぐらいで1割の利ざやを稼いだ人も出ていた(この人が最終的にプラスになったのかマイナスになったのか、それがどの程度だったのかは分からない)。

今回のライブドアの一件でのデイトレーダーたちの行動、それにともなった株の乱高下に関して、株の専門家?と見られる人たちがTVに出て言っているのは、「自分の買おうとする企業をもっと研究して、投資する価値があるかどうか、研究して行動するように」というようなことだ。

デイトレーダーの人たちの株売買基準は、自分の購入しようという企業の業績や将来性ではなく、その企業の株のその日の株式市場におかれた状況がどのようなものかではないのか(例えば、前述の下げすぎの翌日に突っ込んで儲けた人の行動)。そういう人にとって、企業の業績や将来性を調べ、研究する必要はほとんどないのではないか?

そうならば、そういう人たちに、、「自分の買おうとする企業をもっと研究して、投資する価値があるかどうか、研究して行動するように」なんていうのは無駄というものだろう。

デイトレーダーが(名前の由来でもあるのだろうが)日々売り買いを頻繁にする取引形態を取るようになるのは、そのようなインセンティブが働いているからであろう。いくつか仮説的にあげてみると・・・

  1. 現在デイトレーダーと呼ばれる人たちは日銭を稼ぐインセンティブが強い
  2. 個人取引にも信用取引が認められている
  3. マザーズ市場が市場規模が小さく、株価が乱高下しやすい
  4. 日本企業の株主への配当や株主優待等の手当てが十分ではない
  5. よって株主は安定株主とはならず、配当等より株の売買での利益をより重視する傾向がある

というようなものであろうか。そしてこのような行動を可能にしたインフラとして使われたのが、ネット上での取引であろう。ブロードバンドサービスの登場がなければ今回のような取引がどこまで可能であったか?

日本の株式市場の持つ問題点を考える機会を与えたとともに、製造部門が経済的付加価値を生み出していた時代とIT部門が付加価値を生み出す時代の違いが垣間見られると考えたらどうだろうか。

これまでの時代の交易(街場の商売から貿易まで)は比較優位の下、行われてきたと考えれば、ITの時代でも比較優位の考え方は有効なのか、そうならば比較優位をもたらすのはITの時代は何になるのか?投入要素で重要なのは?

・・・などと、思考を広げるのはいきすぎでしょうか?

だいぶ思いつきで書いていますが、いかがなもんでしょう。

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