日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

クローズアップ現代「パソコン界の先駆者 そのベンチャー精神に迫る」・・・でジョブズが言ったこと

 

はじめに

2001年3月29日の放送だった。ほぼ四半世紀前のことになる。この頃の自分はおそらくWindowsユーザでAppleからは離れていたのではなかったか。しかも年度末大晦日近しで研究所に泊まり込んで仕事に追われていたはずで、絶対見てない番組だった。

Maybe the potential of the computer is now being questioned again...

パソコンの可能性が今また問われているのかも・・・

だいぶ前にNHKプラスで見られることに気づき、何回か見直した。その後もオンデマンドで視聴可能になっている。ただし、一部、許諾の関係で映像と音声がカットされている部分がある。多分、Pixarの映像でなかったかと思うが・・・。配信は2024年12月17日までということなので、見られなくなってもいいようにメモを残しておくことにした。自分の理解でまとめているので必ずしも世の中の理解と一致しているかは分からない。

www.nhk-ondemand.jp

番組の中でジョブズが言ったこと・・・不易流行の不易にあたる部分を中心にジョブズの考えを書き連ねると以下の通りだ。

ビジネスを立ち上げるということ

  • 大変なこともあったが諦めようと思ったことはない。
  • 何かを始めたい時に大切なことは、それを成し遂げたいという情熱
  • 会社を起こすと大変な困難が待ち受けている。初めは苦労する。
  • 成功する人とそうでない人の違いは途中で諦めるかどうかだ。失敗する人は途中で諦める。必要なのは強い情熱だ。
  • 今(2001年当時)、パソコンに第三の時代が訪れようとしている。
  • 第1:1980年生産性の時代ビジネスへの貢献(専門家からビジネスへ)→表計算ワープロの登場で産業界への貢献。
  • 第2:6〜7年前からインターネットの時代→産業界だけでなく一般の人々も恩恵を受ける時代(ビジネスから一般へ)。パソコンを家庭で購入し、大人も子供も使うようになる。
  • 第3:今、第三の時代、生活スタイル全体のデジタル化する時代(生活への浸透)→あらゆるデジタル機器とネットワーク化されるパソコンへ変わる。

Apple Computer設立時の話

  • 当時はパソコンはなかった。だから自分で作った。
  • パソコンが大きく成長すると分かるまで1年近くかかった。自分たちのためのパソコンの製作だったが、可能性に気づき、大量生産の道へ。ウォズニアックと会社を設立する。
  • 会社を何のために作るか・・・金儲け目的では成功しない
  • 世界に自分のアイデアを広めたいと言う思い:それを実現するための会社

復帰後のこと

  • ジョブズが示したビジョン・・・think different:考え方を変えろ(アインシュタインガンジーピカソ、独創的な考えを貫いた人たち)
  • ビジョンを浸透させるには、社員に模範をみせることだ(行動が全て)
  • リーダーが価値観(ジョブズ:出荷を延期してでも製品をより良くする方法を選択する)に基づき、困難な状況においてリーダーがどのような価値観に基づき、どのような意思決定を示すのかみんな見ている
  • 会社を改革するためには組織をシンプルに、集中する。限られた焦点に絞る。いらないものは捨てる。絞ることは難しい。加えるのではなく削ることだから。
  • 絞った焦点にエネルギーを集中すればよいものが生まれる。
  • 会社で働いている人は何か素晴らしいことがしたい、評価されたいと願っている。最高の仕事ができる環境を整え、社員が自分の成果を2500万のユーザに示すことを目指している。
  • 社員は自分の仕事がうまくいけば、2500万もの人にアピールできる・・・それがやる気につながる。
  • かつ優れた仕事は他の会社にも影響を与える。素晴らしい仕事であれば業界全体に好影響を与えることができる。
  • UI革命:マウスとアイコン・・・狙ったのはインターネット:誰もが簡単にインターネットを使えるパソコン。デザインの工夫で新たなユーザを開拓。

パソコンと携帯電話

  • 現状は悪くなく、顧客にも恵まれている。ポスト・パソコン時代に主役になるために何をすべきか・・・インターネットはコンピュータでできることの一つでしかない
  • インターネットは素晴らしいが感情的なものを伝えることはできない・・・情報や知識に偏っている。
  • インターネットが感情を伝えるにはまだ容量が足りないし、そこまで技術も進化していない。
  • 私たちはテクノロジー人間性の接点に位置すべきだ。パソコンという道具に、より人間的要素を持ち込むことを考えている。パソコンを知的な面だけでなく、他の面でも役立つようにしたい。

個性的な存在:独自の感情や考え

  • コンピュータ業界が忘れているもの・・・人間的な側面
  • 技術的な性能(演算速度、メモリー)ばかり追求している
  • その裏側がある・・・他のことができる:音楽や映像を通して人々が豊かな表現ができるようにすることを手伝いたい
  • ビデオの例:せっかくの撮影された映像を見ないのは・・・編集されていない映像を見るのは退屈だからだ。編集し、短い映像にすればそうではなくなる。
  • 映像の編集は誰にでもできる。たいした作品ではないかもしれないが、自分たちにとっては感動的なもの。

今後の見通し

  • コンピュータ業界は数字を計算したり、仕事の文章を書く人の話しか聞いてこなかった。今は、新しいデジタル機器の登場で感情を伝え合う側面に焦点が当たってきた。
  • 先のことは分からないし、あまり考えないことにしている。理由は世の中は大きく変化するからだ。同じ道を歩きたくても楽しいことが起こって別の道を歩きたくなるからだ。5年単位で計画を立てても状況に合わせて変更することになる。せいぜい3、4年の見通しが限界だ。

ジョブズの考えはもう古いという声もちらほら聞こえるが、本当にそうだろうか。自分はそうではないと感じる。そのジョブズの言っていることと今のAppleを重ねると・・・大丈夫なのかな・・・とついつい考え込んでしまう。

ジョブスの考え、生き様を知るにはまずは以下の本を読むのがいい。

こちらもいいとの評判。自分はまだ読んでいない。

こちらのインタビューも貴重だ。


www.youtube.com

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