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はじめに
前回、NTT株価と日経平均の最近の動きを折れ線グラフにした。
それならばということで、今回は、NTTほか主要通信キャリアの株価
*1の折れ線グラフをRのggplot関数を使って描いてみた。できたグラフが以下の通り。複数の動きを比較するために株価を2023年3月3日を100として指数化している。今回は凡例付きだ。
ざっと目視で特徴をみると、日経平均225が4万円超に向けて急上昇していた期間、通信キャリアの多くは途中から横ばいないし下降トレンドに入っていた。NTTとKDDIの動きは似ている。ソフトバンクは日経平均225より水準は低いものの、動きは似ている。楽天は株価が大きく変動している。
グラフを見るポイント
せっかくなのでそこから読み取れるポイントを以下の点に注目して見ていきたい。なお、今回、グラフ化した株価は終値だ。整理する際の視点は、以下の5つの予定だが、すべてやるかはわからない。
- トレンドの確認:各株価の最近のトレンドを確認。上昇トレンド、下降トレンド、横ばいトレンドなどを識別することで、各銘柄の全体的なパフォーマンスを理解することができる。
- ボラティリティの比較:各株価の変動の大きさ(ボラティリティ)を比較する。例えば、日経平均に比べてNTTや他の個別株がどれだけ変動しているかを見ることで、リスクの評価ができる。
- 相関関係の確認:複数の銘柄の株価の動きを比較することで、相関関係を確認できる。例えば、日経平均と個別株(NTT、KDDI、SoftBank、Rakuten)の動きが似ているかどうかを観察することで、市場全体の動きに対する各銘柄の感応度を評価できる。
- イベントの影響:特定の日における急激な変動や異常値を観察することで、特定のイベント(経済指標の発表、企業の決算発表、政治的な出来事など)の影響を確認することができる。
- パフォーマンスの比較:各銘柄の株価を基準日(例:2023年3月3日)から指数化しているため、基準日以降の各銘柄のパフォーマンスを直接比較できます。どの銘柄が他の銘柄よりも良いパフォーマンスを示しているかを判断できる。
これらのポイントを総合的に分析することで、株式投資を考えている人は、投資戦略の策定やリスク管理に役立てることができる。また、特定の銘柄や市場の動向を理解することで、今後の投資判断を行う際の参考にすることができる・・・と書いたが、投資判断は自己責任でお願いします。
が、自分はそういうことではなく、株価データを使ってグラフ化すること、その他の分析の結果を視覚化することに興味があるのだ。
トレンドの確認
20日間の移動平均をみると、日経平均、ソフトバンク、楽天が上昇トレンドにあり、NTTとKDDIが下降トレンドにあるように見える。KDDIは下げ止まってきているように見えるが、NTTは下げ止まりが遅れている。
ボラティリティの比較
データ期間内でボラティリティを計算すると以下の結果を得られる。
楽天のボラティリティが大きいのは分かるとして、ソフトバンクが一番小さかったのは意外だった。日経平均並みなのがNTTとKDDIだが、NTTは最近の急落の印象に引きずられて悪いイメージが先入観としてあるがボラティリティが大きくなかったのはちょっとびっくり。
相関係数の算出
各系列間の相関係数を計算すると下表の通り。
この間、日経平均と正の相関があるのは、KDDIのみで、残りの3キャリアは負の相関となった。日本全体が株高に沸いていた期間だけに、意外な感じがする。
その他のポイント
イベントの影響という点では、NTTが会社法改正、廃止がある。会社法がなくなることになると政府株が売り出されるのではないかという観測だ。これによりNTT株がジリジリ下がり始めたという見立てがある。KDDIは、コンビニへの出資(KDDI経済圏)の話が影響したか。NTTとKDDIはパフォーマンスという点ではあまりよくない。ソフトバンクはこの中では堅調に推移した期間になったということか。最近、グループで見ると、AIへの投資を活発化させたり、一時の落ち込みから持ち直しているように見える。株式の格付けも上がった。楽天はモバイル事業次第だろう。
最後に
今回は、株価をグラフ化したということで、それを量的に捉える試みとしてトレンドとボラティリティと相関係数を計算してみた。これらから株式投資がどうこうというのではなく、視覚化し、統計分析を加えることで量的な把握が可能になり、より具体的に物事の変化を見られるということでデータ分析の面白さが垣間見れたのではなかろうか。
次は、県別人口データをグラフ化して特徴を見てみようと思う。