日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

先週末の学会にオンラインで参加:これからの形のプロトタイプになるか

6月は、春の大会を開く学会が多いのではないと思う。4月の入学や進学に伴う諸手続きが終わり、授業も軌道に乗ってきた頃で、開きやすいということだろうか。

 

今年、その学会の大会もCOVID-19の影響を正面から受けた形だ。研究報告が主になるので、対面で報告し、議論することが主になる。それが今回の件で出来なくなった。数年前なら中止せざるを得なかったと思うが、ZoomやWebex、Teamsなどオンラインアプリが使いやすく、普及期に入っていたこともあり、これをフルに活用しての大会のオンラインでの開催であった。オンライン大会ではZoomが使われていた。

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自分の参加は少しだけだったが、それでもオンラインで参加できることのメリットは十分感じられた。どんなメリットがあったかというと・・・

まず、時間と費用の節約だ。今回は九大で行われたわけだが、通常であれば参加に移動のための時間や費用がかかるが、オンラインだとそれがかからない。個人で使える研究費がない会員には非常に助かる。これだけで参加者がかなり増えるのではなかろうか。

 

次に、報告が聞きやすかった。画面には発表資料や報告者の顔が映し出されるようになっており、報告が資料もみやすく、報告も聞きやすかった。対面でのその場の雰囲気とは違うが、これはこれで自分は良かった。

なぜあなたの研究は進まないのか?

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そして、会場間の移動が楽。オンラインなので当然なのだが、いろいろな発表会場への移動が簡単にできるのが良かった。大学によっては会場間が結構離れていて、構内の移動で時間を取られてしまい、発表を聞けないなんてことも通常はあるが、オンラインでは移動時間はゼロなので、自分の予定通りに聞くことができる。

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デメリットは・・・

システムのトラブルの発生。今回の大会でも2日目に一部でシステムのトラブルがあったようだが、技術の成熟はこれからなので、ここ数年はこういうトラブルの発生は覚悟しないといけないだろう。

そして現地にいけない。やはり学会の楽しみの一つは開催校の地元、その土地に行って、いろいろ見聞きできる点がある。オンラインだとそれが全くなくなるのでその点は寂しいかと。

 

研究者同士の交流は弱くなる。オンラインなので休憩時間などに研究の話などを親しい者同士ですることがむずかくなった。これは、一部、オンラインで交流会が開かれていたようなので、徐々にそういう交流会が重層的に開かれるようになれば解決する問題かもしれない。

自分が感じたメリット・デメリットは以上の通りだ。システム上の品質や不安定さは技術上の問題なので早急に改善されていくであろう。また運用上の改善点も何回か実施される事でマニュアル化され、スムーズな運営になるのは難しいことではないだろう。

なぜあなたは論文が書けないのか?

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秋の大会も完全オンライン実施なので、研究交流が活発になるような工夫が出てくるのではないかという期待を抱きながら秋を待ちたい。

将来、COVID-19が克服された後も、オンラインでの大会参加の機会は残してほしい。時間と費用の制約がある研究者にとっては貴重な参加の機会となる。こういう機会を残すことは、長期的には日本の研究環境改善の一環となり、しいては研究レベルの向上につながるのではないかと思う。

最後に、大会運営のみなさま、発表者や討論者のみなさまは、対応が大変であったと思います。みなさまのおかげで、みのりの多い大会になったこと、感謝いたします。

ありがとございました。

 

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