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司馬作品再読:世に棲む日々、翔ぶが如く、坂の上の雲

Shiba2007052725年前(・・・う〜ん、四半世紀前か)、司馬遼太郎の作品をその頃、むさぼるように読んだ。

最初は戦国時代もの、織田信長豊臣秀吉そして徳川家康やその周りの人々を描いた作品を中心に読んでいた。それも最初は山岡荘八だった。それから何のきっかけだったか司馬遼太郎を知るようになり読み始めた。

しかし、当時は幕末・明治維新ものはイマイチ興味がわかなかった。だからほとんど手つかず。ところが、当時僕は一浪の受験生で、とある大学の入試の面接で、面接官の先生に「司馬遼太郎を読むのだったら『坂の上の雲』を読まないと駄目だ」といわれた。

その一言にどれだけ刺激されたか分からないが、それからしばらく経って、僕は「坂の上の雲」を読み、その後幕末・明治維新のころの司馬作品を読むようになっていた。しかし、当時は単に面白い・・・という視点からのみ読んでいたに過ぎず、今となっては歴史的知識としては残っていてもそれが現代を読み解こうとするときにどのような視点を提供してくれるのかについては、ほとんど役に立たない。

だからと言うわけではないが、今回、20〜25年ぶりに写真の本を探し出し、東京に持ってきた。もってきたのは以下の3作品。

一つ目はこれ。幕末の最初の中心人物の一人である吉田松陰高杉晋作を描いた作品。幕末動乱のその初期についての思想や長州の事情が分かる。

4167663066 世に棲む日日〈1〉
司馬 遼太郎
文藝春秋  2003-03

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次はこれ。西郷隆盛の起こした西南戦争を中心に描いた作品。明治10年(1877年)の西南戦争の終結を持って明治維新は完了したんだということを認識した本。

4167105942 翔ぶが如く〈1〉
司馬 遼太郎
文藝春秋  2002-02

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嘉永6年(1853年)から西南戦争終結まで日本の経済社会が変革し、新しい社会の建設に本格的に動き出すまで24年間かかったことになる。幕府が大政奉還して、明治新政府ができ、明治時代が始まってからも10年・・・今の日本は失われた10+x年を終えたばかり、何かが変わったのだろうか?

最後はこれ。日露戦争を中心に当時の日本を描いた作品。強国への道をまい進する国家としての近代日本を描いた作品。愛媛出身の秋山兄弟と正岡子規を中心に描かれている。

4167105764 坂の上の雲〈1〉
司馬 遼太郎
文藝春秋  1999-01

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日本は日露戦争まで強国の道を歩み、その後、第二次世界大戦における敗戦まで最初は徐々に、その後急速に破滅の道を歩むことになる(そのあたりのことは半藤利一氏の「昭和史」を参照してください)。

これらの本を通して明治維新という変革期を読むことによって、今の時代をもう一度眺めてみたいと思った次第。

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