日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

タッチ&ゴー・・・ちょっとしたスリル

先日の記事(「年間50回」)で予告したちょっとしたスリリングな体験を・・・

12月15日の金曜の大阪行きのときのこと・・・(「の」が多い文章ってくどいですね^^)。本日はちょっと趣向を変えて、小説風に・・・。

その男は仕事を終え、ぐったりと疲れたからだを引きずりながら会社からTCATへ向かって歩いていた。いつもなら週末に大阪に行くということで軽い歩調で歩く道のりがこの日はなぜか重く・・・歩きながら「今日は何か気がすすまんなぁ」と思いながらリムジンバスに乗り込んだ。

TCATから羽田行きのバスのシートに疲れた身体を沈め、「今週も金曜日が来た。時間がどんどんなくなる・・・お仕事は山のよう・・・どうしよう」と思いながら、うつらうつらしていた。

ちょっと前までは辰巳ジャンクションから羽田までの湾岸の景色や飛行機が離着陸するところを遠くから見るのが好きで寝ることはほとんど無かったのだが、最近はついつい寝てしまう事が多い。まあ年間50回も乗れば景色を見るのも飽きようというもの。

そしてあっという間に羽田第二ターミナル・・・20分ぐらいで着てしまう。スキップサービスを利用してチェックインし、セキュリティを通過して搭乗口へ。

男は、いつものように、空弁のトンポーを購入して、食べようとしていると、機材到着遅れのアナウンス。最近では珍しいと思いつつ、アナウンスよりさらに10分から20分は遅れるだろうと思って、またロビーのシートでうとうと。

後から考えると、この機材到着遅れがのちのハプニングの前触れだったとは、うつらうつらしているその男は気がつくすべも無かった。

寝ていると時間が経つのは早い。寝ている間に機材が到着し、もうすぐ登場開始のころとなっていた。男は中途半端に眠って重くなった頭を振りながらおもむろに立ち上がると搭乗口へ歩を進めた。

あっという間に機中の人となると同時にまた眠りについた。飛行機に乗っている時間は50分くらい・・・熟睡はできない。浅い眠りの中であっという間に飛行機は知多半島上空を越え、高度を下げ始める。

最終の着陸態勢に入って、生駒山を越え、いよいよ伊丹空港が見えてくるころ。今日も少しゆれたけど、順調な飛行だったななどと思いながら、男はまた眠りの中へ。そして浅い眠りの中でも、もう着陸直前というとき・・・なんと!飛行機が緊急上昇を始めた。本当に突然だった。あと10数秒かかるかかからないかで滑走路というところで!

その瞬間、男の眠気は飛び、恐る恐る、周りをキョロキョロ・・)?頭の中はフル回転・・・どうしたんだろう・・・車輪が出なかったか?・・・それにしては気がつくのが遅すぎないか?・・・???と考えていると、スチュワーデスからアナウンスが・・・「ただ今、飛行機は着陸直前でしたが、上昇しております。詳しい事が分かり次第お知らせします」と。男はいっぺんに不安になった。

男もそうだったが、周りの人も何があったのかと結構頭を上げキョロキョロした。ちょっと不安な雰囲気が何となく漂う中・・・それでも飛行機はグングン上昇を続け、かなり上昇した所で機長がアナウンス・・・「ただいま、当機は順調に着陸体制をとっていましたが、前の便が滑走路に何かを落とした模様という連絡が入り、滑走路上を点検するため、当機は一度高度を上げ、再度、安全が確認され次第着陸します。現在の所、着陸の時間は15分後ぐらいになる模様です」と。

機内には何となく安堵の空気が流れた。もちろん男もほっとして、皆と同じように座りなおし、通常の機内の雰囲気に戻って十数分後、その男を乗せた機材は無事伊丹空港に着陸したのでした。