日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

中高生からの経済学の必要性

カンノミクス(管首相の経済政策)に対する議論が最近はにぎわっている。具体的には、6月18日に閣議決定された新成長戦略についてだ。例えば公共事業による第一の道、市場原理主義(?)による第二の道で失敗したので第三の道らしいのだが、それについての議論がにぎやかだ。例えば週刊ダイヤモンド特別レポート「第3の道は、ない カンノミクスを経済学で斬る」など。

成長戦略(カンノミクス)は、簡単に書けば、増税によって得た分を成長の期待される分野に投入し、、仕事を作ることによって家計に所得で戻すというものだ。それに対していろいろ意見が出ているのだが、このような政策の内容を正確に理解するためには経済学の知識があった方がいいに決まっている。

これまでにも、古くは所得倍増論、産業政策、貿易摩擦の話から、内需拡大、消費税、バブルの発生と崩壊、構造改革そして市場原理主義に至る政策課題や議論がいろいろなされてきた。これらの議論を理解するためには経済学の知識があった方がいいというより必須だろう。

日々の暮らしは市場メカニズムを前提とした経済活動の中で営まれているのであり、その運行メカニズムの基本を理解することは、読み・書き・そろばんを習得した後に必要な基礎知識と言えないだろうか。

そのように大事な知識だからこそ、大学生になる前に、否、義務教育の後半ぐらいに学ぶ機会があってもいいと思うのだが、どうなのだろうか。今という時代は便利な時代で、興味さえ持てば大学に通わなくても(例えば極端な話小学生でも)経済の勉強は、ネットを通してできるし(従来の書籍でももちろんできる)、実際にやっている人もいるようだ。そういう人がいる一方、経済のけの字も知らずに社会人になり、「増税は収入が減るから何となく反対」なんて考えている人が多いのも事実。

経済のかじ取りが難しくなっている今、やはり一人一人の経済に対する理解を体系的にレベルアップする必要はないのだろうかと思う。大学の専門課程で学ぶ経済学ではなく、一般教養課程での経済学をさらにやさしくし、日々の暮らしに必要なリベラルアーツとしての経済学、「読み・書き・そろばん・経済学」が必要だとつくづく思う。

そうすればマスコミに煽られることも少なくなるのではないかと思ったりしたりする・・・ということをぼやっと考えていて、そう言えば中高生が勉強できる経済学関連の書籍ってどんなのがあるのかと思って調べてみると、結構ありますね。いくつかあげてみると以下のとおり。

まずは問題意識を醸成するようにして、これらの本を読んでもらうというのもありかと思う。

中学生か高校生で経済学を学ぶのがいいと思うけど、それを実現するためには、例えばそれを教える教員の確保が課題になり、それが大変なのは
想像に難くない。恐らく他にもいろいろ困難があるのだろうと勝手に悲観的になったりする。中高で本格的に経済学を学べるようにするのは夢なのだろうか。



400500511X 経済の考え方がわかる本 (岩波ジュニア新書)
新井 明 新井 紀子 柳川 範之 e‐教室
岩波書店  2005-06

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4757214766 アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書
山岡 道男 淺野 忠克
アスペクト  2008-03-27


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4872902343 アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へ
ゲーリーE.クレイトン 大和総研教育事業大和証券商品企画部
WAVE出版  2005-09-15


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4480059369 高校生のための経済学入門 (ちくま新書)
小塩 隆士
筑摩書房  2002-03


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