八ッ場ダムの建設が佳境だ。八ッ場ダムの建設工事の現状やこれまでの経緯は、八ッ場ダム工事事務所のHPで確認できる。
昭和20年代に計画が発表になってからどれだけの歳月が流れたことか。当初は治水用に計画されたようだが、昭和40年代だったか首都圏の水がめとして位置づけられるようになった。
草津温泉の強酸性の水が流れ込む吾妻川・・・きれいだけど魚は住めないといわれていた。僕が小学校の頃はその名残がまだあった。護岸工事が始まる前の川原にはその強酸性の水で浸食された赤茶けた岩盤がむき出しになっていた。
それが今は写真の通りまったく昔の名残がないほどにダム工事で変わってしまった。この写真は長野原駅前大橋から川原湯方面を撮ったものだが、昔の面影なんてどこにもなくなっている。
ただ工事が粛々と進められているって感じ。ダムが完成した暁には満水時にはどこまで水が来るのであろうか。
そう言えば昔は移動するといわれていた長野原駅(現 長野原草津口駅)は移動せず今のままの場所にあるみたいだ。しかし吾妻線のルートは長野原から川原湯そしてその先までルートが変わる。上の写真の奥の方に写っている鉄橋は、ダム建設によりルートが変わるJR吾妻線の新しい鉄橋だ(右の奴じゃなくて、左のちょっと縦目に写っている方ね)。
長野原の駅は残るが、駅前に小さくあった商店街はなくなってしまっていた。まあ、長野原の街自体はもう少し上の方にあるから実質影響はないのかもしれない。
2枚目の写真は、長野原駅前大橋から、長野原駅のバスターミナル付近を写したもの。まあごくごく普通の過疎の町といったところか。
今回は久しぶりに吾妻線で来たわけだが、ダムの工事区間より手前の駅(郷原か矢倉あたりだったか)までは駅がきれいにされていたのに、ダムの工事区間の駅は昔のまま・・・もうすぐなくなるのだなということがすぐに気がつかされる。
吾妻渓谷は、九州耶馬渓に対して関東耶馬渓と呼ばれるように、渓谷としては非常にきれいなところだ。秋の紅葉シーズンが有名だけど、新緑の今の季節もきれいだ。電車からもちらっと見えるが、多くの観光客でにぎわっていた。
しかしの渓谷の美しさから少し視線を上げると、ダム工事がすぐに目に入る。道路整備、護岸整備などなど、この景観も日に日に変化していき、吾妻渓谷も昔話の景勝地にいつかはなるのかと思うとちょっとさみしかったりする。