今、読んでいる本・・・病院はもうご臨終です・・・僕の身近にも医療の道に携わっている人達がいる。その人たちから聞いていることを裏付けるような内容だ。
病院はもうご臨終です (ソフトバンク新書) 仁科 桜子 ソフトバンククリエイティブ 2009-01-16 by G-Tools |
内容は以下のとおり。
- 第一章 強烈キャラの患者たち
- 第二章 医者ってやつは・・・・・・
- 第三章 医者の人生スゴロク
- 第四章 病院はご臨終なのか
- 終章
僕は患者側の視点から読むわけだけど、どうしてこうなっちゃうのか?という思いでいっぱいになる。その一方で、いつ自分がモンスターになるかもしれない、あるいはモンスターに会うかもしれないと思うと恐ろしい。
細かい紹介はいらないだろう。今の医療現場を端的に知ることができる。文章も軽く読みやすい・・・だからと言って内容が軽いわけではない・・・逆に重い[E:pout]
本書を読んでみると、医療制度改革が中途半端になってしまっているとまず感じた。これまで適正な評価をしてもらえていなかった医療という労働行為に対して、市場メカニズムを利用してその正常化を進めるものだが、それがまだ途上であるということ。
おそらく最近のさまざまな医療事故はそのような医療システムが変わりつつある中で起こってしまった事、この改革はこれから本格化するであろうということ、改革を進めるにあたってサービスを受ける側が提供する側の現状を知らなさ過ぎる事、そのような中でも美味しい思いをしている輩がいるのではないかということなどが分かってくる。
現代は医療に限らず社会のいろいろなところに矛盾が噴出し、問題となっているが、それを医療という面から捉え、その問題点を医師の立場から自らの経験を元に書いてあり、医療問題に限らず、今の社会・・・何を考えなければいけないのか、考えさせてくれる一冊だと思う。
【2009年2月8日加筆】