日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

後ろ向きはすべてを駄目にする

仕事をしていてもっとも気をつけなければならないのは、新しい仕事に対して、「それはやったことがないので出来ない」という言い方をする人間が出てくることだろう。そういう考え方を持つ人間は、そもそもシンクタンクとか調査会社という業種には合わない人間だ。

専門家が居ればその人が担当するからそういう話が出てくることはない。専門家がいない時、新しいことは最初は誰でもやったことはないのに決っている。そういう新しいことについて積極的に取り組むことがこれまでの自分の知識、スキルを伸ばすことになる。

一方、自分の領分を勝手に作って、新しいことに対し「そこは自分の担当の範囲とは異なる」などと意味不明な、自分勝手な理屈を述べるような人間が一人でもいると、その仕事に参加するメンバー全体に有形無形のマイナスの影響を与える。結局は組織全体が非常に萎縮したものとなり、新しいことに即応できない組織となってしまう。

そういう人間は、仕事に対する取り組みが後ろ向きになり、作る資料の詰めが甘くなる(間違いや抜けが出てくる)。嫌々やっているから、当然そうなるのは容易に想像がつく。そういう適当な態度は仲間に敏感に伝わるし、クライアントにも伝わるものだ。

さらに悪いことに、そういう人間は状況報告を怠ったり、自分を正当化するために適当に言い訳をするので、上司も状況把握が充分でない中、クライアントとギクシャクする。そして最終的に自分がもっとも嫌な思いをし、クライアントとの間にも問題を起こし、最悪の場合、クライアントを失い、かつ会社の評判を落とすということになってしまう。

そういう人は、自分がいかに不味い態度、行動を取っているか認識すべきだし、自分自身がもっとも苦しんでいるということをまっすぐに見つめるべきだろう。

さらに悩んでいるからか、自分自身のことで精一杯のためか、そのような行動が周りの人間を不愉快にしていることに対してはあまり気にしていないようだ。一人で孤立しながら仕事をすれば他者には迷惑、悪影響を与えないとでも思っているのか、なるべく一人でやろうとする。しかし、組織に所属している以上、一人で完結するはずがない。どこかで必ず他のメンバーに関係することとなる。結局周りの人間にも気を使わせることになる。

以上のようなことは仕事に対する取り組み姿勢を前向きに直すことでほとんど克服できる。それなのに、それを拒否している。そして仕事を極力しようとしない。でも立場上、そんなことが許されることではない。

それから同じ失敗でも嫌々やった結果としての失敗と前向きに取り組んでの失敗とではその内容も、相手の受け取り方もまったく異なることに気がつくべきであろう。どうせならどんな忙しい、困難な仕事でも楽しみながらしたいものだ。

会社を巡る環境は常に変化している。マクロの環境が変化しているのだから、そこで働く社員もそれに合わせて成長していくことが必要なのに、それを拒否するということは、結局はその会社自体を駄目にする。

それは現在、上手くいっている仕事にもいえることだ。将来の環境変化に備え、自ら常に成長していく姿勢を失ってはいけないのである。