日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

新聞・テレビの将来

2006年1月6日付けの日本経済新聞マイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏のインタビューが載っている。

そこではインターネットの普及がメディア企業(定義がイマイチ不明確)の経営にもたらすインパクトについてのコメントがある。ちょっと引用してみると・・・

ネットの時代になっても新聞やテレビなどメディアが持つ価値は不変だ。優れた記者、編集者がいていいニュースを発信できれば、そこにブランド価値が生まれる。ニュース発信の手段が紙面であってコンピュータの画面であっても、その価値に代わりはない

・・・ということは、新聞やテレビの存在理由は、それら媒体の持つ「編集力」、つまり玉石混交の情報の中から、利用者に伝える必要のある情報を取捨選択し、それを理解しやすい形で提供することにあるということになるだろう。

しかし、この編集力を研ぎ澄ますだけで、ネット社会で生き残れるだろうか?

編集力はメディア企業がネット上で生き残る必要条件ではあっても、十分条件ではないだろう。そもそも現状のメディア企業が、十分な編集力を持ち合わせているかという点も疑問だが・・・

ネット上では、それこそ個々の専門家がそれぞれの立場から情報を発信しはじめている。その道の専門家の編集力に対抗するのはそう簡単なことではあるまい。各分野の専門家に対抗できる情報をメディア企業が編集できるかが勝負の分かれ目というところか。

あるいは、将来のネット新聞やネットTVのビジネスモデルは、情報の編集は自らは行わず、編集された情報をネット上から探し出し、それを新聞紙面のように、何らかの基準で順位付けし、組み合わせて提供するような形になるのであろうか。そこには編集力に近い何らかのテクニックが必要になるのだろう。

通信と放送の融合が進み、TV業界が一コンテンツ提供業界になったとき、どのような存在理由を見つけられるのであろうか。

新聞・TVに対するビル・ゲイツ氏の見方は甘いように思える。

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