日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

加入電話はなぜ増える?

高嶋君のBlog(リンク切れ)に加入電話の住宅用が最近増大傾向にあるという指摘があり、携帯電話の普及以来頭打ちないしは減少傾向になっていた加入電話(住宅用)の減少傾向に変化が現れた旨の記述がある。

実はこれはADSLが急拡大したことによるものだ。ADSL加入電話で使うメタルケーブルをアクセスの部分で共有する。また、現在の日本の料金体系では、ADSL単独(専門用語で非重畳という)で入るよりも、加入電話とペアで入った方(専門用語で重畳という)が基本料金が若干安くなるような設定になっている。

つまり携帯電話の普及以降、加入電話に加入する人が減ったわけだが、ADSLを利用するためには一転して加入電話の設備が必要になったのだ。そして料金水準が加入電話サービスとADSLサービスを重畳して入ったほうが、電話の基本料とADSLの月額使用料の合計支払額が安く済むから、加入電話にも入るようになり、また加入者数全体が増大傾向を示すようになったわけだ。

よって加入電話としての利用(通話トラヒック)はほとんど増えていないはずだ。

ADSL普及の動きは加入電話以外にもISDNの加入者数の減少傾向に拍車をかけている。

制度の歪?が起こした真夏のミステリーである。