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Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

西原理恵子:この世でいちばん大事な「カネ」の話

阪大の大竹先生のブログで知った本。

そこには以下のような紹介がなされている。

経済学を勉強している人、しようと思っている人は、まずこの本を読むことが大事ではないだろうか。

著者は僕と同世代・・・書いてある内容は昭和30年、否、40年代前半の貧しい日本から現代のバブル経済まで、彼女の体験に基づいて、「カネ」を通して社会がどういうものなのかが書かれている。

そう言えば小学校の時・・・というように昔の貧しい日本を思い出しながら読みはじめ、ばくちや為替などのところでは自分が就職してからの自分の金銭感覚と比べながら読んでいった。著者自身の経験を書いているから、社会というものがどういうもので、その中で「カネ」が何なのか、すごく訴えるものがある。

4652078404 この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ)
西原理恵子
理論社  2008-12-11


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内容は以下のとおり。

  • 第一章 どん底で息をし、どん底で眠っていた。「カネ」がないって、つまりはそういうことだった。
  • 第二章 自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に入れるということだった。
  • 第三章 ギャンブル、為替、そして借金。「カネ」を失うことで見えてくるもの。
  • 第四章 自分探しの迷路は、「カネ」という視点を持てば、ぶっちぎれる。
  • 第五章 外に出て行くこと。「カネ」の向こう側へ行こうとすること。

経済学の教科書には書いていないけど、この本の中には一人の女性のこれまでの人生を中心にして「経済」(ここでは「カネ」)というものが何なのか、自分らの生活とどのようにかかわっているのか、「カネ」の重要性、そこから出てくる「働く」ということの意味を生活者の視点で考えさせてくれる。

経済学では「冷静な頭脳と暖かい心」が大切といわれるが、どちらか一つだけではだめで、両者のバランスが大切だということについても考えさえてくれる。

・・・なんてもっともらしく書いたけどさ、この本の良さはうまく文章で言い表せないよ。僕は正直読み終わった後、すごく暗くなった。でも絶対読んだ方がいい。経済学を勉強する人も、そうでない人も、老いも若きも、なるべく多くの人が読んでみたらいいと思う。そして何年か後、社会に出た後でもいいし、引退後でもいいし、いつか読み返したときに何を思うか・・・どうだろう。

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