初版も購入したけど、新版が出たということで再度購入。
マクロ経済学を網羅的に知りたいならこの1冊だろう。
コラムもいろいろ考えられていてそこを拾い読みしても面白いけど、この本は、じっくり取り組みたい本でもある。個人的には、やはり経済成長についてはもう少しじっくり考えてみたいと思うので、まずは最終章の「経済成長」から読み始める。最先端(≒難しいw)ところから入って、見通しをつけてから、最初に戻るって感じ。よって次に読むのは、「マクロ経済学の基本モデル」の冒頭部分第5章「第2部の狙い」。そして第11章の「閉鎖経済の長期モデル:資本蓄積と技術進歩」でソローモデルについて復習する。その後、第16章「消費と投資」を読んで、第18章「経済成長」に戻ることを予定している(追加は当然あろうだろうけど・・・今はこれらの章をまず読むって感じ)。
経済成長を考えるに際して、やはりICTの影響は視野に入れたい。技術進歩とか、外部効果という視点でとらえられるが、ICTがどのようなメカニズムでマクロ経済のパフォーマンスに影響するのか、そのあたりを考えてみたいと思う*1。
マクロ経済学 新版 (New Liberal Arts Selection)
- 作者: 齊藤誠,岩本康志,太田聰一,柴田章久
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2016/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
目次は以下の通り。
第1部 マクロ経済の計測
第1章 第1部のねらい:われわれはどのようにマクロ経済を理解するのであろうか?
第2章 国民経済計算の考え方・使い方
第3章 資金循環表と国際収支統計の作り方・見方
第4章 労働統計
第2部 マクロ経済学の基本モデル
第5章 第2部のねらい:マクロ経済モデルの基本的な考え方
第6章 閉鎖経済の短期モデルの展開
第7章 閉鎖経済の中期モデルの展開
第8章 新しいケインジアンのマクロ経済モデル
第9章 開放経済モデルの展開
第10章 労働市場の長期モデル
第11章 閉鎖経済の長期モデル:資本蓄積と技術進歩
第3部 経済政策とマクロ経済学
第12章 安定化政策
第13章 財政の長期的課題
第4部 マクロ経済モデルのミクロ的基礎づけ
第14章 第4部のねらい:なぜマクロ経済モデルにミクロ的基礎が必要なのか?
第15章 金融市場と貨幣市場:将来の経済が反映される“場”
第16章 消費と投資
第17章 マクロ経済と労働市場
第18章 経済成長
数学付録
「おわりに」は著者の一人である齋藤先生が書かれているが、その中でのハイエクvsケインズの視点でマクロ経済に対するアプローチ姿勢について書かれている。改めてマクロ経済学の現状について考えさせられる。ポイントは、「相対的価格が積極的な役割を演じる動学的な資源配分に関する経済学的な帰結」を重視する姿勢なのだろう。長期的には、市場メカニズムが働く世界でわれわれは経済活動をしているということを前提に各種の政策を考えるということになる。
最近はマクロもミクロ化してきているといわれているけど、それでもマクロの視点は今後もあり続けるわけでそういうところも意識しながら少し考えて見れればいい。
*1:この点における入門書としては、以下の本が参考になる。
この本の5章「ソローモデル」、6章「アイディアと経済成長」あたりで入門レベルで考えてみるのもいいのではないかと思う。6章の部分をしっかり現実と対比させながら読めればと思う。それから同じ著者のものになるが、以下の本も見ておきたい。
Introduction to Economic Growth
- 作者: Charles I Jones
- 出版社/メーカー: W. W. Norton & Company
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
こちらはもう少し上級の内容になっている。