今、じっくり読みたい本・・・この2冊。
まずはShapiro, VarianのInformation Rules。
この本は米国の一流経済学者がネットワーク経済の特徴を主にミクロ経済学を使って明らかにしたもの。
従来の経済学がネットワーク経済や情報経済という分野にも十分通用するということが分かるとともに、ネットワーク経済を理解できる。
Information Rules: A Strategic Guide to the Network Economy Carl Shapiro Hal R. Varian Harvard Business School Pr 1998-12-01 by G-Tools |
もう一冊は、これ。
ご存知、クリステンセンの著作。産業変化の分析にイノベーションの理論を使うという副題がついているとおり、現在のICT産業の変革を分析するツールとしてどの程度使えるのか興味がある。
Seeing What's Next: Using the Theories of Innovation to Predict Industry Change Clayton M. Christensen Scott D. Anthony Erik A. Roth Harvard Business School Pr 2004-09 by G-Tools |
実際、内容を見ても情報通信業界の例が出ており、興味深く読める。
上記2冊は翻訳書も出ているが、テクニカルタームの訳語がどうも納得がいかない。
これについては前に一部書いたが、例えば前者については経済学者が経済学を使ってネットワーク経済を分析しているのだから、訳語も経済学の用語法に従うべきだと思うが、ビジネス書を意識しているためか、その辺が疎かにされている。
2冊目は、情報通信に関する用語法について自分としては首を傾げてしまうところがある。
・・・ということで、1冊目は1999年の出版でだいぶ時が経っているが、今でも重要性は変わらない・・・と考えている。2冊目は、今の日本のICTの状況を考えれば、是非、読んでおきたい1冊だ。