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渡辺千賀「ヒューマン2.0−web新時代の働き方(かもしれない)」

面白く、軽い・・・読みやすい本だ。何せ、内容と関係ない猫に関する注が要所要所で出てきたり、軽妙な文体、でもよく読んでみるとかなり厳しい社会の現実について話しているとか・・・まあ面白い本です。

この本から感じられるのは、厳しい労働環境を厳しいと感じさせない前向きで楽天的な生き方。そのような生き方をするためのノウハウが満載というところか。

4022731222 ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)
渡辺 千賀
朝日新聞社 2006-12-08


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ウェブ進化論梅田望夫氏がその本の中で「楽観的に考えたい」ということを言っていたと思うけれど、その「楽観的」の意味するところがこの「ヒューマン2.0」を読んでいると分かるような気がする。

決してくよくよしない、前向きに楽天的に・・・あるいは楽観的に考えて生きていこうよ・・・そうすればきっとよいことがあるよと。

世界中から人が集まることから、異質性であることが前提となる社会・・・それがシリコンバレー。これからのネット社会ももちろんそうなる可能性が高い・・・ということもこの本を読んで感じたこと。

異質性を前提としているから、むやみな対立は起こらない・・・逆に異質性がうまく作用して、様々な新しいものを発明、開発する原動力にもなっている・・・異質性が良いといっているわけではなくて、そういう自分のおかれた環境をおかれたままに理解し、それと上手に付き合っていくことが大切なんだろうと思ったりする。

そして会社はあまり前面に出てこない。出てくるのは包丁一本で勝負しているプロフェッショナルばかりだ。どのような世界なのだろうか・・・すごく興味のあるところ。

本書を読んでいて、いつの間にか老け込んでいる自分を発見したりしている。

それから、いくつかのところで日本社会と比較しているようなところがあるんだけど、シリコンバレーもいいけど、やはり日本社会ってすごく高級な社会なんだとも思ったりしました。

一つ吹き出したのが「仕事人のランク」・・・低いほうから

  1. 落第級:要求されたことを実行できない
  2. ランク4:要求を、回り道しながらも実行できる
  3. ランク3:要求を効率よく実行できる
  4. ランク2:要求をクリエイティブに実行できる
  5. ランク1:実は要求者も分かっていない要求を実行できる

僕の周りにはさすがに落第級の人はいない・・・と思う。大体はランク3なんだけど、ランク2に育ってくれると、組織としての力も強くなるんだろうなと思います。全員はむりだろうから、ランク2の仕事人が程よくいて、ランク3の人がその人たちの下でせっせと働くというのが理想系かな。

何しろ面白い本です・・・この本が面白くない人はもっと先を行っているか、遅れているかどっちかです^^

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