なかなか興味深い本だ。
本能寺の変をめぐるいろいろな人の解釈を例にとり、それらがいかに危ういものかを実証的に検証している。
信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う 鈴木 眞哉 藤本 正行 洋泉社 2006-02 by G-Tools |
本書を読めば、本能寺の変があの時代のどういう位置づけのイベントであったのか、光秀が謀反を起こしたのはなぜかなどが、当時の常識に合わせて解説され、なるほどと納得させられる。
具体的にこれまで書籍やTV番組で主張されている謀略説を取り上げ、それを一つづつ検討していくことで、その謀略説の非現実性と如何に証拠不十分であるかが、説明され、社会科学を専攻するものにとっては面白く読める本である。
ちょっと頭が疲れたときにはお薦めの一冊だ。