KDDIも京セラと米国の投資会社にDDIポケットの大半の株式を譲渡する。
これで通信インフラの世界は寡占市場における競争がより激しくなる。以下ではソフトバンクのテレコムの買収について考えてみると・・・
ソフトバンクは、BB会社ソフトバンクBBを中心としてBB戦略を再構築してくるであろう(すでに再構築されているであろうが)。考えられる戦略は、以下のとおり。
インフラの部分では、法人市場の強化(テレコムの法人ユーザを梃子に)、中継回線を自前化(テレコムの設備を有効利用)、この後に来るのが光ファイバ市場への参入である。
さらに、kazさんの「ITを売る人の本音」(リンク切れ)で紹介されているように、今回の買収により審議会での発言力、規制への影響力が高まるのならば、第三世代携帯電話の新方式(「TD―CDMA」と呼ばれるIP(インターネット・プロトコル)を使った方式)の採用を実現する可能性も高まる。
その先にあるのは、足回りは無線で高速IPサービスを提供し、それをつなぐ中継はテレコムの資産を最大限利用した大容量バックボーンによるより高付加価値のBBサービスの提供である。
ここ1年(いや、半年か?)以内に実行されると考えられている光ファイバ市場への参入は、他事業者との差別化戦略をどのようにするのかが注目される。一つ考えられるのは、テレコムの設備を利用して、ギャランティー型のサービスを格安で提供するというものだ。ギャランティー型の光サービスを提供して、それが市場で価値を持つためには、ギャランティされた光サービスでアクセスできるコンテンツの充実が不可欠になる。今後のソフトバンクBBのコンテンツ市場に対する動きも注目される。
ソフトバンクBBの今回のテレコム買収により光サービスへの参入が早まる可能性が高まった今、ソフトバンクの参入前にNTT、KDDI、電力系、有線も合わせて光市場での競争がより激しくなることは間違いない。
・・・と考えるのは穿った見方だろうか?