日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

市場の失敗と政府の失敗

通信産業は従来、自然独占産業と言われ、市場の失敗の代表例のように言われてきた。一方、規制緩和が進んできたとき、出てきたのが、政府の失敗という視点である。つまりある経済特性(規模の経済やネットワーク効果ボトルネック設備の存在)で市場メカニズムが機能しなくなることがあるように、政府の行う規制にも情報の非対称性などが原因となって失敗することが起こるというものである。

支配的事業者規制の不経済性(規制コストの増大、サービス開発インセンティブ低下等)を証明できるような論文があるか

政府の失敗という視点ではそれなりに分析があると思うが、非対称規制の一種であるSMP事業者規制の失敗を分析した論文となると、具体的にはどのようなテーマになるのであろうか。

対象となる事業者は、日本ではNTT東西、ドコモ、米国ではRBOC、ヨーロッパではBT、FT、DT等従来の国営電話会社であろう。実際、SMP事業者規制を実施している国としては、はて、上記の国はみな該当するのであろうか。仮にそうであるとすると、これらの国や事業者を対象にした分析でかつ各事業者やそのユーザが損失を被ったという分析がしてあるものを探せばいいということになるが・・・どうだろう。

さらに日本語となると、書く人も少ないから、すぐ見つかりそうでなかなか見つからないかもしれない。