日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

経済成長とICT経済とICT経済を分析するということ・・・ニーズはTPOで変わってくる

昔とある先生とお酒を飲みながら話しているときに、「自分たちの(棲む)世界は経済成長していかなければいけないようなシステムになっているんだ」と気づかされたことがあった・・・経済成長・・・一国のマクロで考えればGDPが増えていくことだし、個人のレベルでは毎年の収入が増えていくことだ。

我々はなぜ日々成長していかなくてはならないのか・・・当時あまり考えてこなかった・・・そしてこれって考えてみると意外と答えられない自分に気づいたりしたものだが、その時はひらめいたものがあった・・・自分でなるほどと納得したのだった。しかし今となってはそれがどうしてそう気づいたのか、またその具体的な内容が不明のままだ。

そして、その時から10年近く経った今、改めて成長の大切さを思い知らされている。経済大国と言われるようになった日本でさえも、やはり経済成長というものが重要であり、豊かさの一面として必須であること、成長がないということは現状維持ではなく衰退につながることを明確に説明できないもどかしさを味わっている。


戦後のどん底からの経済成長と先進国になってからの経済成長。経済成長が必要であることには変わらないが、その時代時代の環境によって国民にとっての感じ方はだいぶ違うのだろう。当然成長の中身も変わってくるであろうし、国民の成長に対する感じ方(考え方)の違いからの難しさを味わっているのが、今の日本経済・・・ではないかと思う。


そのような中で勃興しつつあるICT経済。一国のマクロ経済の中でICTに関連する経済活動のウエイトが高まっている今日、マクロの視点でもICTがどのような位置付けにいるのかを把握しておく必要があるという問題意識から考えられるようになった。

ICTの時代の成長戦略はどうあるべきか?・・・それを考えるための一つの視点を提供するものだ。そのために既存のマクロ経済のフレームを踏襲し、経済全体とも比較可能なようにしている。そのような中で見えてくる四半期ごとの姿はこちらに毎回報告しているが、個人的な感想で言えば、閉塞感がずーっと続いている。

その背景は、ICTサービスに1990年代後半の勢いが戻ってこない点にある。ICT分野は、最終的にはソフト(コンテンツやアプリケーション)がどれだけ使われるか、使いこなされるかだろう。そしてその利活用の鍵を握るひとつが、ハード(端末や通信設備)だ。日本は通信端末にしろ通信設備にしろ・・・要するに箱モノは整備されていると思うのだが、どうもその利活用が・・・というのは最近よく言われているところでもある。

ICT経済の動向を報告し議論すると、次の段階にはセミマクロやミクロレベルの話に移っていくのは自然の流れかと思う。そう考えると、ICT経済の分析とセミマクロ、ミクロの分析は密接不可分なのであろう・・・それを一組織で全部やるかどうかは別として。


一方、例えば企業の経営層は経営判断の情報としてマクロの数値を必要とするが、それは自らのビジネスの意思決定上、業界動向を正しく判断するための前提となる基礎的情報になる。決して主役ではない。
マクロの視点で取りまとめられているICT経済を分析し、その情報を提供するにあたっては常にそれ(ICT経済を分析すること)が主役であるとは限らない。


そういう利用者側のニーズを考えれば、企業の経営者に対してのICT経済の分析はやはり産業分析と密接にかかわるものであり、その産業動向をマクロ経済の中に位置づけるための経済分析でなければならない。成長戦略を考える場合はそれはそれでフレームを考えるべきものだろう。そのあたりの認識をしっかり持つ必要がある。


そこをしっかり頭に叩き込んでいないと、せっかく分析したICT経済の動向も役に立たず終わってしまうことになる。また本末転倒な報告になりかねない。

先日、これもとある先生から教えられたことだが、「顧客(想定する読者層)の立場になって、顧客の目線で調査テーマにアプローチする・・・それが本来のマーケティング」だとのことだが、改めて自分のやっていることに当てはめてみて、指摘された内容の重要性を考えさせられた次第。

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