ある選択行動を離散選択モデルで記述するとき、採用される説明変数は2種類に大別される。
- case-specific variables
- alternative-specific variables
case-specific:選択状況の特性を表したもの。例えば、職業選択行動を考えた場合、個人の特性について、学歴、経験などが考えられる。
alternative-specific:様々なケースで変化する選択肢の特性を測定したもの。
case-specificの視点から変数を採用し、モデル化されたロジットモデルが、多項ロジットモデル(MNLM)。
alternative-specificの視点から変数を採用し、モデル化したロジットモデルが、条件付ロジットモデル(CLM)。
ここで興味があるのはとりあえず選択肢の特性の視点。これは例えば、通勤手段の選択がある。通勤手段を選択する際には選択可能な交通手段ごとの通勤時間は大きな影響を与える。あるいは自家用車を購入する場合、外国メーカ製(さらに欧州メーカ製、米国メーカ製)、国内メーカ製という自動車という選択肢を構成する要素がその購入には大きく影響する。
このような選択肢の特性を捉えた説明変数をモデルに採用するにはどのようにデータをアレンジすればよいか・・・ここから理解を始める。
CLMとMNLMの関係:CLMの説明変数がCase-specific variablesのみになったとき、MNLMとequivalentになる(MNLMはCLMの特殊型)。
CLMはMNLMよりflexibleな方法である。つまりCaseとAlternative両方の変数を扱える。一方、CLMはMNLMと同様IIAの仮定が課せられるていることを忘れてはいけない。
(to be continued)
Regression Models for Categorical Dependent Variables Using Stata, Third Edition
- 作者:Long, J. Scott,Freese, Jeremy
- 発売日: 2014/10/13
- メディア: ペーパーバック