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Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

北村行伸:ミクロ計量経済学入門

ついに出ましたSTATAのコードが付いている日本語で書かれたマイクロ計量経済学の入門書。「Stataで計量経済学入門」を傍らに置きながら、この本で微視的計量経済学を本格的に学べることになった。



目次は以下のとおり。

はしがき
第1部 統計調査とミクロ統計の考え方
 第1章 ミクロ計量経済学の考え方
 第2章 ミクロ統計データの調査・開示・利用・保存
 第3章 ミクロ統計データの特性と分析手法
第2部 線形モデルとパネルデータ分析
 第4章 線形モデル:生産関数と消費関数
 第5章 操作変数法:賃金と労働者の能力
 第6章パネルデータ分析:労働供給の賃金弾性値の推定
第3部 非線形モデル
 第7章 二項選択モデル:出産の意思決定モデルの推定
 第8章 多項選択モデル:学校選択問題
 第9章 順序選択モデル:年金投資選択問題
 第10章 トービット・モデルとへックマンの2段階推定:労働供給問題
 第11章 カウントデータ分析:医院への通院回数問題
第4部 政策分析
 第12章 政策評価分析の手法:職業訓練の効果
 第13章 ミクロデータからマクロ経済分析へ:多様性とその集計問題
参考文献
索引

目次をみれば明らかなとおり、多くの話題を実際の分析事例とともに解説されている。具体的な事例を通して計量手法を学べるので助かる。



昔はミクロ計量経済分析を行いたいと思ったら、入門レベルの教科書は英語でもなかなか探すのに大変だったことを考えれば、時代も変わったものだと思う。背景には、パソコンの高機能化と低価格化、それに伴う統計ソフトの普及、そして何よりもマイクロデータが整備されてきたこと、取得しやすくなってきたことが大きいだろう。それから分析対象となる社会現象が複雑になるに伴って、集計データによる分析の限界もあったのではなかろうか。

ミクロ計量経済学入門

ミクロ計量経済学入門

最近出版された微視的計量経済学関連の書籍としては以下のものもある。

ミクロ計量経済学

ミクロ計量経済学