学生の頃、本書の著者、工藤先生の講義を受けていた。拙い記憶を思い出せば、おそらく、我々の講義は、学位を取得したての工藤先生の大学での講義だったのではなかったか。何しろ熱血漢で、講義はエネルギッシュだった。そしてその先生の講義で一番印象に残っているのは、「日本は北方の油田を発見していれば、東南アジアの油田に頼る必要はなく、太平洋戦争などする必要はなかった」という内容の講義を受けた時のことだ。
その後、阿川弘之の著書で、米内光政、山本五十六、井上成美という海軍の良識派と言われた人たちの存在を知る。おそらくそれらを読んだのは、工藤先生の講義があったからだと思う。
その中で一番興味があったのが、今回の本の主人公、井上成美だった。
それがまさか自分が実際に講義を受けた先生が井上成美について書くとは・・・。
これから読むことになるが、今の状況だと、実際に読み始めるのは5月のGWぐらいか・・・。
海軍大将の生きた時代を井上の生涯を追いながら、考えることになるが、目次をざっとみた印象では、自分が知らなかったこともいろいろあるようだ。
あの時代に生きた井上の生き様とその限界、今の時代だからこそ読んで考えてみる価値がある・・・と思う。