日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

賃金、雇用、そして設備投資

日本経済も、米国経済も、その他の国々もほぼ今回の経済危機は乗り越え、回復局面に入ったようだ。ただし、楽観はできず、物価の低下や資源価格の上昇などで企業収益の改善はそう簡単には進まない・・・つまり二番底もあるうるとのレポートも最近は出てきている。

ところで本格回復に必要なのは賃金、雇用、そして設備投資に明るさが戻って来ることなのだろうけど、そこがどうもいけない。(このまま今の状況が続くと、下支えしている消費も持たないだろう。)

この3つの項目が改善しないってのはつまりは企業収益が改善しないということだ。

以下、思いつくままに・・・現状、最悪期を脱し、鉱工業生産指数など回復基調になりつつあるが、力強さが感じられない。ここから想像できる現場は、既存の設備の一部が稼働し始め、それを動かすための最低限の人員を確保するというものだろう。よって賃金も仕事がある人でも景気悪化前までの水準に戻しているのか。

・・・活気がない職場・・・出るのはため息・・・仕事があるだけマシだという半ば諦め・・・何かが足りないんだよねえ。フロンティアとか新しい成長セクターとかいうけど、そんなもんじゃないような気がする・・・今の日本に足らないもの・・・それは何だろう。

やっぱり今の不景気は、通常の不景気とは違うのではないかな。金融面からの大不況であったことに加えて、経済社会の大きな転換点に立っていて、その変わり目にあるような気がする。景気循環の話で言うとコンドラチェフの長期波動の下降局面から上昇局面に移るあたりにいるっていうイメージ。

どうなんだろう?

景気循環といえば、嶋中氏だ。その嶋中さんが数年前に書いた本。確かこの本だと今頃はもっと上昇局面にあっていいはずだと思うのだけれど、少し遅れているみたいだ。その遅れている原因が何なのか、あるいはそもそも今回ははずれだったのかをじっくり考えてみるのもいいかもしれない。

4492394591 ゴールデン・サイクル―「いざなぎ超え」の先にあるもの
東洋経済新報社  2006-05

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