株価の乱高下が激しい。米国の金利政策の影響が為替レートに影響し、それが・・・というところが主なものなようだが、こうなってくると実体経済として、景気はいいのか悪いのか、なかなか分かりづらいというのが市井の人々の感覚ではないだろうか。少しバブルっぽい気分にしたっている人は、このぐらいの乱高下はどうってことないと思っているかもしれない。
さて、実態はどうなのか・・・というと、足元の今の今はなかなか分からないが、発表されている政府統計などを見ると、年末までは少なくとも好調であったことが確かめられる。
年末になる前、選挙前あたりは、景気が本当にいいのか悪いのか半信半疑のところもあったが、選挙終わったあたりから全体の気分が変わったのか、株価の上がり方もかなり急激になったのではなかったか。こういう時代だからこそ数字が大切ということで日頃から見ている数字を改めて見てみた。
年末の頃(正確には11月ごろか)の状況で作った資料がこれ。
景気の変化に鈍感になりやすい経済構造になっているのが、今の日本なので、景気がいいという実感がないというのもしょうがないことなので、そうだからこそ数字で把握することが重要なのだということを書きたくて当時は作った資料だ。
下の図は、財生産の動きを示したグラフ。鉱工業生産指数の数字だ。赤い折れ線は、その中でもICTに関連する製造業だけを抽出して表しもの。
全体の動いをみても、ICTの動きを見ても同じようなものだ。2008年のリーマショックで大きく落ち込んだ後、それ以前に戻っていないというのが、景気回復を実感できないというところかと考えて見たり、最近は変化の大きさもそれほどでもないというところも景気を実感できない一つの原因かなと考えたり。
その上に今の日本経済はサービス化が進んで、経済活動の7割がサービス産業によるものだ。そのサービス産業、我々の身の回りを見ても分かるように、景気の良し悪しで購買行動が変わるようなものではない。つまりサービス経済化が進むと、景気の動きがより分かりづらくなるということになる。
ちょっとぐらい景気が戻ったぐらいでは景気回復と感じることができない。しかし、それはサービス経済化した経済を考えれば、十分景気回復と言えるのではないか・・・それを理解するためにはやはり数字に頼るしかない・・・ということで数字で実態を把握するということは大切なことなのだ。
さらにだ、最近はデジタルトランスフォーメーションが進み、第4次産業革命と言われ、Society5.0という未来を見据えている時代・・・情報の時代は、社会が究極のサービス経済化が進んで五官で景気を感じるのは今以上に難しくなっているのではないかと考えたり・・・そうすると今、政府が言っているEBPMというのは当然必要になることなのではないかと考えている自分がいたりする。
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モノの時代からデジタルの時代への変化を的確に捉えるには、データが大切なんだとやはり考える。データサイエンティストも大切だけど、市井の普通の人々が普通に数字から色々なことを読み取れるようになることはもっと大切なことなのだろう。
そういう時に教育として何が必要なのか・・・「読み・書き・そろばん」の基本をまずは徹底することだろう
景気の話から始まって飛んだところに着したけど、出張帰りの新幹線の中で徒然なるままに書いて見た。
ここまで読んでいただいた皆さん、ありがとうございます。