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文系のための「Web2.0」入門

世の中、Web2.0ブームだ。

ここでも何冊かWeb2.0に関連した本を紹介している。今回は入門書と銘打っている一冊を紹介。

4413041526 文系のための「Web2.0」入門
小川 浩
青春出版社 2006-08

by G-Tools

最初の数ページでキーワードを解説してくれたり、序章でWeb2.0とはどういうものかを解きほぐし、徐々に本題に入っていく。前半でもっとも重要な部分は、なぜGoogleなのかという点についてマイクロソフトと比較しながら解説している点であろう。

これを読むとWeb2.0の特徴と絡めながら、なぜGoogleなのかがよく分かる。

前半部分は結構「なるほど!」と再認識しながら読めた。

ただし、用語の使い方が若干、首をかしげる部分がある。それから内容自体も勢いで書いているような部分があり、もう少しシンプルにかつ説得力のあるものに仕上げられたのではないかと感じながら読み進めた。

さて、後半はこの傾向がさらに強くなる。かつ著者の勤め先のサービスの紹介まで入ってきて、Web2.0のことをあくまでも解説するものになのに自分の会社のことが出てきて結局それを言いたかったのか?と勘違いされかねないものになっており、内容が中途半端と感じた。

なぜGoogleなのか、その他に注目すべきサービスは何か。Web2.0と1.0の違いなどについてそれなりの情報は載っているが、用語の使い方等にちょっと難点があると思うので、最初に読む本としてはあまりお勧めではない。

Web2.0についてはやはり梅田さんの1冊とその次にでた佐々木さんの1冊を読めば十分だと思う。それ以上のことを知りたければ、オライリーの書いたWeb2.0に関する最初のオリジナルレポートを読むべきだろう。

・・・と、ここまで書いて、しばらく経ってからふと思ったのは、実はこの本、無理やり持ち上げるわけではないが、もう少しじっくり編集していれば本当に入門書として第一級のお勧め本になっていたかもしれないということ。

言葉の定義と図表の使い方、無駄な情報を排除すれば結構いい本じゃないかと思う。そういう点からも最初に読む本としてはお勧めではない。

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