日本橋濱町Weblog(日々酔亭)

Quality Economic Analyses Produces Winning Markets

「へんな会社」のつくり方

内容は、へんな会社のつくり方・・・では全然ない(当たり前か^^)

ICTを使うとき、あるいはビジネスを展開する上で、何を重視すべきか、何に注意しないといけないかが分かる・・・というより、Web2.0などの技術を利用してビジネスをする際のイロハが書いてあると言った方がいいだろうか。

4798110523 「へんな会社」のつくり方
近藤 淳也
翔泳社 2006-02-13


by G-Tools

例えば、以下の一文なんかはその代表的なものだ。

・・・「その情報を出すべきかどうか」を、情報発信者が判断しないということです。すべての情報を出しておいて、情報閲覧者が「その情報を読むべきかどうか」を判断すればよい、と考えるべきです。(同書32頁)

プロジェクトチームを組んでいて、その中のメンバーの一部にメールを出すとき、そのほかのメンバーのアドレスまで入れるか、迷った人は多々いるだろう。このような時、近藤の考えに従えば、迷わず全員のアドレスを入れよということになる。

これは実は情報共有という面では、必ずしも関係ない情報を見ておくことは、プロジェクト内での自分の位置づけ、プロジェクトの進捗を把握する上で非常に有益だ。コラボレーションが積極的になるという側面もある。

思わぬ知恵が湧いて出ることもあるだろう。それによるマイナス面は・・・メールを開封して目を通す手間が増えるぐらいだ。

情報共有することによるメリットの方が計り知れないと思う。これは実際の利用者としての実感だ。

組織の中でみんなそのようにメールを使っているかと言えば、そうでもない。どちらかというとそのような使い方は必ずしも多数派ではないのではないか。

とどのつまり、これからは情報発信者が主体となる情報管理社会ではなく、閲覧者が主体となる情報公開社会が到来するというのが著者の感じるところなのだろう。

このような先に何があるのか、ICTを駆使した新しい企業、地域社会等あらゆる組織のあり方が今後問われてくる。

この本は、特に入社3〜5年目ぐらいで、仕事の仕方や将来について悩んでいる若い人が読むと結構得るところがあるのではないかと思った。

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